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ジェネリック会社の限界

ジェネリック会社の小林化工が作った水虫などの治療に使われる抗真菌薬イトラコナゾールに睡眠薬が混入し、飲んだ人が交通事故などで死亡するという事件があった。


その後 次々とジェネリック会社の薬が自主回収や出荷停止をしている。主な理由は記載してある製造方法に従っていないなどの安全性に影響しかねない問題が多い。

もちろん多少製造方法などを変えても大体は問題ないものができるし、日々効率良く安く安全に作成できるための工夫をすることは問題ない。

しかし製造方法を変えたのであれば、問題ないものがしっかりできているということをしっかりと確認し、薬の承認をしたところ(厚労省など)に説明をすることが絶対に不可欠である。


個人的にはジェネリックは積極的に使っているものの、ジェネリック会社が増え競争が激しくなったこともあり、「この会社は大丈夫なの?」と不安に感じる会社の薬が使われることもある。

どのジェネリックを使うかは薬局で決めてよく、薬局の人と薬局に納入する人の利害関係で決まるようになっている。

仲良くしている納入者がお勧めするジェネリック会社にしたり、仕入値段と販売値段の差が大きいものにしたりする。

ひどい薬局ではコロコロとジェネリック会社が変わっていく。


先日の小林化工の事件からチェックが厳しくなり、問題が発覚するようになり、現在 薬が不足気味の状態になりつつあり、先発医薬品に戻すことが増えている。

こういう問題を見ていると、今後 ジェネリックは禁止し、その代わりに特許が切れた先発医薬品は強制的に2年に1回10%ずつ薬価を下げていくなどの制度にしていった方がいいと思い始めてきた。

新しい薬を開発する技術や金のないジェネリック会社は、容易に患者の健康より自分たちの利益を優先させる誘惑に負けてしまいやすいということは常に意識しておく必要がある。


質問6 ジェネリック医薬品メーカーは品質管理が不十分になるのではないか。
GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理に関する基準)等に適合した工場でしか製造が許されていません。GMP等の基準の順守状況についても、各都道府県に配置された薬事監視員等による定期的な査察によりチェックがなされています。
出典:ジェネリック医薬品への疑問に答えます 厚労省 平成27年2月

厚労省は基準に適合した工場でのみ製造し定期的な査察でチェックすると書いているものの、

全ての医薬品メーカーが高いモラルを持って絶えず品質管理の努力とスキル向上を徹底することが重要になります。

「高いモラルを持って」と、ほとんど会社に丸投げしている。

その態度が今回のような結果をひきおこしているということを強調しておきたい。





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