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ヒット作には共通点がある!「君の名は」と「桃太郎」をロジックで紐解くシナリオ分析術 | すたんど酒場 vol.5

みなさん、こんにちは!
STANDのいわきです!

前回、リニューアルを行った『すたんど酒場』。
今回はシナリオライターの長谷川さんがプレゼンターを務め、『ヒット作から学ぶシナリオ分析術』についてセッションを行いました。

『すたんど酒場』とは
日頃から様々な参画先で働いているSTANDメンバーが「気軽に」「交流できる」場として定期的に行われる社内イベントです。イベントでのプログラムは毎回変わり、内容も様々。参加者から意見を募りながら運営しています。

当日のイベントの様子をレポート形式で紹介してまいります!

今回のプレゼンターはシナリオライターの長谷川さん

シナリオライター:長谷川さん
現在はアプリゲームのシナリオ執筆を担当

ヒット作のシナリオにある『おもしろい』の正体

私たちの生活には日頃から多くのエンタメコンテンツが溢れていますが、これまで数々のコンテンツ制作やディレクションに携わってきた長谷川さん曰く、「ヒット作」には共通点があるようです。

その名も

「エンタメにおける三大欲求」

人間が生存する上での三大欲求は「睡眠欲」「食欲」「性欲」…というのが一般的ですが、「エンタメ」における三大欲求とは別物
それも当然、生存欲求はその名の通り生きるために必要な欲求ですが、「エンタメ三大欲求」は人間が「面白い!」と感じるツボなんだそうです。
具体的にはこちらの3つ。

生存欲求
 …人間が最も恐れるがゆえに、誰もが感情移入することができる欲求。自分の生死に加え、大事な人を守ったり、地球滅亡をかけたり、様々なパターンで表現される
性的欲求
 …単なる「18禁要素」ではなく、生物としての本能である「種の保存=子孫繁栄」に繋がる欲求。恋愛もゴールは種の保存で、ストーリーに飽きさせない工夫として用いられることも。
承認欲求
 …単純明快な「周りの人からチヤホヤされる」といった褒められて気持ちよくなる欲求。「自分の居場所(承認の場)」を守るために戦う、といったお話も承認欲求に分類される

ヒット作にはこれらの欲求が複雑に散りばめられており、単体で表現されるときもあれば、複合されて表現される作品もあります。
実際のセッションでは、「君の名は」や「桃太郎」を始めとしたいくつかのヒット作や、メンバー各自の好きな作品をピックアップし、その作品では何の欲求が刺激されるのか分析してみたり、結果をテーブルごとに共有して話しあったりしました。

実際の分析例。ヒット作には複数の欲求が複雑に描かれている

”欲求”からシナリオ設定を練ってみることに

人間が面白いと感じるこの「エンタメ三大欲求」を理解したところで、長谷川さんが作成した「物語作成用テンプレート」を元にみんなで物語の設定を創作してみることに。

物語作成用テンプレート
ジャンルや時代、舞台といった様々な要素が並んでいる。例にある設定が既に面白そうなことに。

最初はみんな「作れるかな〜」と不安げでしたが、このテンプレートがとても便利で、見ているだけでなんだか作れるような気がしてきます!プリントが行きわたると、みんな集中して創作をし始めました。

私が座っていたテーブルでは、要素を決めあぐねたメンバー達がダイスロールを振ってジャンルや時代などを決める…といった荒業に。
私もダイスロールで決めましたが「頭脳バトル」と「格闘」が当たり、頭脳で殴るのか、拳で殴るのか、かなり困惑しながら何とか形にしました…笑

作成したプリントはプレゼンターである長谷川さんが楽しそうに読んでいました。

ダイスロールで創作を行うテーブル

創作が終わった後は、最後にみんなで食事を取りながら締めくくりとなりました。
実は運営チームは毎回食事のメニューをアレコレ考えているのですが、今回用意したのは唐揚げやソーセージといった食べやすいミートフードの他、シーザーサラダやあげパンなどバリエーション豊かなラインナップ。
中にはあげパン繋がりから学生の頃の給食の話題などでも盛り上がっているところもありました。

ゲームや映画のシナリオへの向き合い方が変わる、そんな会に

リニューアル後2回目となった『すたんど酒場』。
参加者アンケートでは「内容が面白く、応用のイメージがついた」「普段は考えない発想で、斬新に感じた」等、大好評でした!中には「ゲームや映画に対して、新しい見方ができるようになりそう」といった嬉しい感想も。

さいごに、今回登壇してくれた長谷川さんからのコメントもご紹介します!

まずはご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!
今回「すたんど酒場(仮)」へ初めて参加してくれた方も多く、めっちゃ緊張しました。

ですが、みんなが楽しそうにしてくれた上に「仕事に役立ちそう」「ゲームや映画を見る目が変わった」など、たくさんの声が聞けてとても嬉しかったです!

そして何より、プランナー、デザイナー、エンジニア、そして営業チーム…職種は違ってもさすがゲーム業界の人たちですね。自分には作れないような物語ばかり出てきて、レクチャーしてる側なのに面白かったですw ぜひ、その才能を活かしてゲーム業界で活躍していってください!

次回の開催は8月30日(金)「歴史から読み解く3DCGモデル」

次回の『すたんど酒場』は8月30日(金)に開催!
様々なゲームのキャラクターCGを担当してきた3DCGモデラーの堀部さんがプレゼンターとなり、これまでのCGの技術変遷を見解を交えながらお話してまいります!

参加される方は社内Slack「#会社からのお知らせ」の案内をご覧ください!
ご参加お待ちしております!