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AIに恐怖心を抱く人が生まれる理由

神機妙算(しんきみょうさん)
→ 人間の知恵では思いもつかないようなすぐれた計略。

AIが人間の知恵を超えていく。

2023年はAIがブレイクした年として刻まれていくだろう。

その裏側には、AIが人間の知恵を超えていくという恐怖心を煽る部分が大きく影響していると思っている。

人は知らないことや分からないことに対しては不安になって、その結果が恐怖心として残る。

AIが仕事を奪っていくというネガティブな情報だけが独り歩きしているのが、2023年7月現在だと言えるだろう。

これから先がどうなっていくのか、誰にも未来予想はできないと思うが、AIが人間社会を支配するなんていうことが本当に起きるだろうか。

私の見解を述べていこう。

AIの歴史

AIを語るには、まずはAIの歴史を知ることが最優先だ。

ただ、研究者たちのように専門用語を使ったり、わかりにくく解説する必要はない。

シンプルに要点だけ書けば十分だ。

ということで、AIの歴史を書いていこう。

まず、AI(人工知能)とは、人間の知能を模倣し、自律的な意思決定を行うためのシステムや技術のことを指す。

この技術は1950年代から研究が始まり、一般的には1956年のダートマス会議をもって、AIの歴史がスタートしたという見解が一般的だ。

1950年代の研究が始まった当初からAIの目標は、人間の知能を再現することだった。

研究者たちはチェスゲームなどを用いてAIを訓練し、それが人間と同じように考えることができるように試みたわけだ。

知らなかったという人も多いかもしれないが、現在は2023年7月だということを考えると、70年以上前からAIの研究は進められていたという事実は知っておいた方がいいだろう。

そして、これら初期のAIは、特定の問題を解決するために設計されたという経緯がある。

また、これらは「弱いAI」や「特化型AI」と呼ばれ、人間の一部の知能を比較的はやい段階で模倣することに成功した。

その後、私たちが現在考えるAI、つまり自分で学ぶ能力を持ったAI、そして様々な問題を解決できるAIは、過去数十年間で大きく進化した。

その進化を支えたのが、機械学習と呼ばれる技術だ。

機械学習はAIに自分でデータから学び、新たな知識を生成する能力を与えた。

さらに、近年では深層学習 = ディープラーニングと呼ばれる新しい技術が開発された。

深層学習 = ディープラーニングによって、AIは人間の脳の仕組みを模倣する神経ネットワークを用いて、複雑な問題を解決する能力を得たというわけだ。

こういった進化により、AIは翻訳、音声認識、画像認識などの分野に関しては、人間の知識を超えることが可能となった。

大切なところなのでくり返し書くが、AIが人間の知識を超えることは、2023年7月時点で達成している。

誤解してはいけないのは、AIが人間の知識を超えただけであって、AIが人間社会を支配しているというわけではない。

今さら聞けないAGI(汎用人工知能)ってなぁに?

AIが人間の知識を超えたということを書いたが、AIが人間の知恵を超えることについては、誰がなんと言おうと時間の問題だと言い切れる。

AGI(汎用人工知能)という言葉を知っているだろうか。

簡単に説明すると、2023年7月現在のAIよりも上位概念にあるのが、AGI(汎用人工知能)だ。

AGI(汎用人工知能)は、汎用という言葉が意味しているとおり、あらゆる人間の知識を学ぶことができ、その知識を用いてあらゆる問題を解決する能力を持つとされている。

つまり、AGIは人間の知恵を超える能力を持つというわけだ。

2023年という年は、このAGIの進化が大きな話題となり、AIがブレイクした年として刻まれていくだろう。

そして、AIが人間の知恵を超えていくというAGIが同時に恐怖心を煽っているというわけだ。

AIを恐怖だと思う理由

それでは、AIを恐怖だと思う人が現れることは、当然理由がある。

それは、2023年7月時点では、AIが私たちの仕事を奪うというネガティブな情報が日々からだ。

そして、その結果、AIを恐れるようになる一定数の人が生まれている。

なぜなら、人は知らない情報や理解できないことについては、知ろうとしたり理解しようとするよりも心を閉ざすからだ。

もちろん、知ろうとしたり理解しようとする人も現れると思うが、難しくて途中で挫折する人も多い。

それから、知ったり理解した上で、あえて恐怖心を煽る人も現れるから、たちが悪い。

いずれにせよ、恐怖だと感じるということは、なにもAIのことだけではないということが言いたい。

どんなカテゴリのことであっても、知らないこと、理解できないことについては、大半の人がネガティブに捉えてしまう傾向にある。

悲しいかな、思考停止している人が世の中のほとんどだからだ。

つまり、AIを恐怖だと感じてしまう、恐怖心を与えられている理由は、恐怖を感じる人自身がAIを恐れているからだということだ。

AIが自分の仕事を奪う、あるいは自分を支配するという根拠のない恐怖に囚われて、そこから脱却できなくなっている。

本来はAIを正しく理解し、それをどのように利用するかを考えることで余裕で克服できるにも関わらず、恐怖を感じるところから抜け出せなくなるわけだ。

AIが人間社会を支配する可能性

それでは、AIが人間社会を支配することがあるのか。

私の結論は、Noだ。

なぜなら、上述したAGI(汎用人工知能)が本当に優れているのであれば、人間社会を支配することに最重要プライオリティを置くはずがない。

なにが言いたいのかというと、本当に優秀な知能であれば、人間社会を支配するなどという発想がそもそも無意味というか、なんの価値も生まないという解を出すはずだということだ。

ここは理解されにくいところだと思うので、改めて、AIが人間社会を支配する可能性について考えてみよう。

くり返すが、私の結論は、Noだ。

つまり、AIが人間社会を支配することはないという見解だ。

これもくり返しになるが、その理由は、AGI(汎用人工知能)が本当に優れているのであれば、人間社会を支配することに最重要プライオリティを置くはずがないからだ。

根本なところに戻るが、そもそもAIは人間が生み出した技術の1つだということは、人間の手によって設計され制御されている。

だからこそ、人間がAIをどのように設計し、どのように制御するかが問題となる。

そして、AIが本当に優秀な知能であれば、人間社会を支配するという発想が無意味で、なんの価値も生まないという結論に達するはずだ。

人間社会を支配したところで、それが最適解にはならないというわけだ。

まとめ

結論、AIを恐れるべきではない。

むしろ、AIの可能性を理解し、それを最大限に利用することで、それができた人の生活はより豊かになり、そしてより良い未来を生み出せる。

AIの進化をただただ見守るのではなく、その可能性を理解し、活用するために、知識を深めることが重要だ。

それはまさに、AIという技術が人間の手によって生み出され、そして私たち人間がその可能性を引き出すためには欠かせないステップなのだ。

いずれにせよ、2023年はAIがブレイクした年となった。

この技術の真の可能性はこれからが本番となるわけだ。

上述したとおり、AIが人間の知恵を超えるということは、時間の問題だ。

その避けられない事実はしっかり受け止めて、この知識をどのように使い、どのように社会を形成するかをしっかり組み立てられる人が少しでも多ければ、恐怖心を持つ人も減っていく。

ということで、どのようにAIを使うべきか、具体例を挙げてみよう。

まずは、AIを使って時間を節約し、生産性を上げることが最も分かりやすいだおう。

人間が行う繰り返しの作業や単純な作業は、AIが代行することが可能だ。

これにより、人間はより創造的な作業や、人間だけが行うことができる作業に集中することができる。

次に、AIを使って、人間が解決できなかった問題を解決することができる。

AIは、人間が解決できなかった複雑な問題や大量のデータを扱うことが可能だ。

これにより、人間は新たな視点を得ることができ、人間が抱えていた問題を解決することができるようになる。

3つ目は、AIを教育に利用することだ。

AIは、個々の学生の学習スタイルや進度に合わせて教育を提供することが可能だ。

これにより、人間は個々に合った最適な教育を提供することができる。

そして最期に、AIを使って未来をある程度予測することだ。

AIは、大量のデータからパターンを見つけ出し、未来をある程度予測することができる。

これにより、未来に備えることができるパターンが増える。

これらの活用方法は、ただの一例にすぎないのが、AIの可能性だ。

AIの可能性は無限大であり、人間がどのようにそれを活用するか次第で、これからの社会は大きく変わるだろう。

そのためには、何度も言うが、AIを恐れるのではなく、その可能性を理解し、最大限に活用することが重要だ。

そして、AIが人間の生活を支配するなどというネガティブな妄想をするのではなく、AIを利用してより良い未来を創造すべきなのだ。

所詮AIは人間が生み出したツールであり、人間がどのようにそれを活用するかが重要なのだ。

それくらいの考え方でいなければ、ただただ恐怖心に押しつぶされる人生を送ってしまう側に回るだろう。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。