見出し画像

海の声(虎本)

今日の熱海殺人事件の稽古は中盤〜終盤に差し掛かるシーンの確認と反復でした。
取り調べを行いながら刑事たちはとことん脱線し、事件を自分たちの好みに作り変えようとしていきます。


画像1

容疑者大山金太郎はその波に飲まれながら四苦八苦。
なかなか進まない自身の取り調べに苛立ち、いつしか刑事と犯人の役割と境目は曖昧に。

そしてその心の隙間に、突如差し込まれる刑事たちの罠!

画像2


終盤、ついに大山金太郎がひた隠し続けた真実が明らかに…。
そして次のシーンでは、とうとう事件現場、熱海の浜辺へ。

今日はそんなラストシーンへ向かう道のりが整理できました。
ステージタイガーの、虎本剛の得意とする「伏線の構築」「葛藤と必然の発生」を物語に挿入させていったのです。口立てで作られた作品を、プロット的思考で分析。物語が分岐する、登場人物の気もちが切り替わるポイントに、効果的な音を挿入。

結果。

かなり心に突き刺さる、揺さぶられる終盤一歩手前のシーンになったのではないかと思います。かなり毒素の強い、刺々しい台詞が頻出しますが、その裏にある悲しみや人間讃歌が僕には見えました。


手応えあり。確実に前に進みました。

ただ…

ただ……

画像3

佐竹さんの声を犠牲にして。

熱演すぎて途中から声がカッスカスというか、サウンドオブサイレンスになってしまった佐竹さん。もはやモスキートーンと化した大山金太郎。
そこで苦肉の策として、動きのみ佐竹さんで、虎本が声を当てさせていただきました。

でかいヤツがでかいヤツに声をあてたヒーローショー!

最高かよ!!

しかしそれでも佐竹さんのカラダは汗でグッショグショ。
声を当てた僕もヘッロヘロ。

でもね、でも!
もっと稽古したいと思ったよ、僕は。いや、僕だけじゃないはずだ。
血反吐はいて地面這いつくばるほど稽古したい。
僕らは今とても楽しい、最高の疲労を体験している。

テンション高い芝居っていいね!
熱い芝居っていいね!
海のシーンが楽しみだね!
熱い海のシーンだ。
熱海殺人事件っていいね!

虎本剛

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?