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香港ディズニーランドのマーケティングを理系大学生が分析してみた

こんにちは.スタジアムヲタクのモリチッチです.この記事では香港ディズニーランドに遊びに行った感想(2023/12/30)をまとめてみようと思います.特に,マーケティング(顧客分析)の観点から考えてみようと思います.
 (夢の国の感想なのに,ちょっと現実的な話になってしまうかもしれないです…)

World of Frozen(2023年11月オープンのアナ雪エリア)

香港ディズニーランドの第一印象

 香港ディズニーランドを第一印象は「ちょっと狭い&空いてる」という感じでした.ポップコーンの列に並びながら,「眠れる森の美女のお城」と「スペースマウンテン」と「ジャングルの風景」が一度に見れるほど,様々なエリアがギュッと集まっている感じでした.実際,パークの広さは東京ディズニーランドの60%ほどらしいです.(参考:https://world-of-disney.com/hongkong-disneyland-resort/about-hongkong-disneyland-resort/)
 僕が来場したのは2023/12/30で大晦日の前日でしたが,東京ディズニーランドに比べるとはるかに空いていて,約1か月前の11/20にオープンしたFrozen(アナと雪の女王)のアトラクションですら90分待ちという感じでした.年間来場者数も東京ディズニーランドの約40%ほどのようです.
 パークを拡張する意思決定は色々な内部事情を考えないといけないとして,この記事では,「どうしたら来場者数を増やせるか」について踏み込んでみようと思います.(記事を書くにあたって,森岡毅さんの書籍と,西口一希さんの書籍を参考にしました.客単価の議論もこの記事ではしないことにします)

参考文献:森岡毅(左),西口一希(右)

来場客のポテンシャルはどこにある?

 以下の図は香港の人口ピラミッドです.約750万人の人口のうち,親子層は120万人(0~10歳が60万人.親の数もおそらく60万人くらい?),若者世代(10~24歳)は60万人.香港の大人(それ以外)が630万人という内訳でしょうか.(参考:https://statja.com/pyramid/HK/)

香港の人口ピラミッド

 次に,外国からの入国者です.以下の表は2023/1~3の香港旅客数です.4倍したら年間の数値になるとすると,中国本土から1300万人,それ以外の外国から400万人入国するんだろうと推測できます.

香港への入国者

 これをまとめると一年間で香港ディズニーランドに来場する可能性がある人数は,以下の様になると思います.

表.香港ディズニーランドに来場する可能性がある人数の内訳

実際に香港ディズニーに来場してみて,「日本みたいに中高大学生が少ないなあ」と思ったのも「香港の若者層」が相対的に少ないことを考えると妥当に思えます.
 以降では,赤枠で囲った,構成比が多かったり,伸びしろを考えられたりする,
①香港の大人層
②中国からの旅客
③中国以外からの旅客

をきっかけに来場者を増やすためにはどうしたらいいかを考えたいと思います.

①香港の大人層をきっかけに来場者数を増やす

 dpostの記事によると,2022年の来場者数は「ンバウンドがまだ回復せず、基本的には香港在住者のみが入園する状況において、総入場者数は22%増加して340 万人となりました。」となっており,「香港の大人層」は200~250万人ほど来場していたのではないかと考えられ,「リピート率を高める」という大きな目標が掲げられるのではないかと思います.

 ここから先は空想の話になりますが,もしディズニーのリピート率が顧客満足度に影響されており,顧客満足度は「ディズニーの洗練された世界観」に影響されていると仮定すると,「パーク内の世界観を洗練させることによって,顧客の満足度を高める」という方向に施策が進んでいくのだと思います.
 例えば,アナと雪の女王の世界観は見事で,また行ってみたいと心の底から思えました.トイストーリーのエリアも,東京ディズニーシーよりも映画に入り込んでしまったような感覚がありました.お土産街も夜は雪が降る演出で神秘的でした.
 一方で,イッツ・ア・スモールワールドの壁面は黒くくすんでおり,東京ディズニーランドからは見劣りする世界観でした.また,入り口付近でキャストの男性が水を使って絵を描いていたのですが,日本のキャストさんに比べると見劣りするように感じてしまいました.これらのアイデアはあくまで「改善」の枠組みかと思います.

香港ディズニーランドの水を使ったアート

 ほかにも,ディズニーアパレル(耳やTシャツ)を身に着けて楽しむ文化を浸透させて,没入感を演出するというのも面白いと思いました.

②中国からの旅客をきっかけに来場者数を増やす

 Aobaの記事によると中国からの旅客「の85%は、香港へ訪れる理由は主にショッピングや観光のために来ると答え」たと述べられており,ショッピングのために入国した1300万人×85%=1100万人の中国人に来場してもらうための工夫が必要だと思います.

 中国からの入国者がショッピング目的なのであれば,そうした客層に配慮した仕組み作りが重要なのだと思います.ロッカーの拡充によって,来援しやすくしたり,夕方からの入園チケットを用意して価格を下げるなどがあるかと思います.
 その他にも,上海ディズニーランドとの差別化もインパクトが大きいのではないかと感じました.中国の人口は約14億人であり,0.1%の客層を獲得することが,140万人の獲得を意味します.アトラクションの差別化(アナと雪の女王エリア),グッズの差別化(香港と記載されたグッズを増やす),フードの差別化(オリジナルフードの開発)などが効果的なのかもしれないと思いました.来場した身としては,東京と区別するために,「香港ディズニーランド」と記載されたグッズが多いと嬉しいと感じました.

③中国以外からの旅客をきっかけに来場者数を増やす

 この層の構成比は16%で,非常に大きなインパクトがあるとは言えませんが,人口の多い東南アジア諸国からのインバウンドを獲得できれば,大きなインパクトになるのではないかと思います.ただ,物価の高さを考慮すると,シンガポール,マレーシアなど,比較的物価の高い国からのインバウンドに絞ることになるのだと考えられます.

 東南アジア諸国の人々に対しては「認知を高める」段階なのだと思います.費用はかかるものの,マス広告やインフルエンサーの起用を通して認知を高める(ブランディングを行う)ことが次に取られるステップなのではないかと推測します.
(認知の後のステップとして,実際に来園してもらうための施策がとられると思いますが,スポーツビジネスを勉強している身としては,「香港に訪れた人がディズニーに来園するようにする」のと,「ディズニー来園のために香港へ入国する人を増やす」のではどちらの方が費用対効果が大きいのかが興味深く思います.)

まとめ

 取得できたデータに限りがあり,少し論理の飛躍や空想が目立つ記事にはなってしまいましたが,いかがだったでしょうか.ぜひフィードバックをいただけると嬉しく思います.
 僕が香港ディズニーランドに到着したのは15時ごろで,6時間ほどしか滞在できなかったのですが,それほどの短時間でも非常に楽しむことができました.皆さんもぜひ一度行ってみてください.素晴らしい思い出になると思います.
 
 僕は普段スポーツチームや施設を中心に記事を書いたり,つぶやいたり,YouTube動画にしたりしています.もしよろしければ他のコンテンツもご覧いただけたらと思います.
 最後まで読んでくださりありがとうございました.






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