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これよりこだわって炊いた米を見たことがない‼【究極・土鍋で炊く白ごはん】

調理時間:3時間以上
最初に皆様に紹介するレシピとして、まず基本の基本を作ろうかなと。
トコトンこだわって炊く白ごはんです。


「土鍋で炊く究極の白ごはん」の材料

●材料(3合分)
・米:3合(450g or 540cc)
・昆布出汁:540cc
・日本酒:大さじ2
・にがり:6滴

A. 昆布出汁
・水(できれば軟水):1000cc
・昆布(利尻昆布か真昆布):10g


◎今回のポイント

①大前提、米は質の良いものを選ぶ
「1等級」もしくは、米の食味ランキングで「特A」か「A」のものを

②使う水は軟水
※理由1:軟水のほうが、昆布の旨味がよくとれる
小学校の理科の実験で食塩水とかの水溶液を作ったのを思い出してほしいんですが、すでに塩が溶けてる水よりも、何も溶けていないただの水の方がたくさん塩が溶けますよね。
同じように不純物ができるだけ含まれてない水を使う方が旨味がたくさん抽出されるわけです。

※理由2:軟水のほうが、米の中心までしっかり吸水する
炊飯器じゃなくて土鍋を使う場合は特になんですけど、洗った米をいきなり火にかけるんじゃなくて、その前に水に浸けて戻すっていう作業をする必要があります。
炊飯器の場合は炊飯の時間にこの吸水時間も含まれてるから、必ずしも必要な作業じゃないんですけど、ガス火を使う場合は火にかける前に別に水で戻さなくちゃいけないんです。
そのときにミネラルが多く含まれてる水を使うと、浸透圧の関係で米の中心まで吸水しずらくなるんです。

③昆布出汁で炊く
※理由:おかずに合うご飯になる
昆布のうま味って、グルタミン酸っていう植物系のうま味なんですが、たいていのおかずって、肉とか魚の動物系の食材を使ったものが多いと思います。動物系の食材から出るうま味はイノシン酸って言うんですけど、このイノシン酸とグルタミン酸の量の割合が1:1のときに人は最もうま味を強く感じておいしいと感じるらしいんです。
なので、ご飯を炊くときにこの昆布のうま味を追加してやることで、動物系の食材を使ったおかずに、ものすごく合うようになります。
どれぐらい変わるかって言ったらイノシン酸やグルタミン酸単体で味わうのと比べて、7~8倍も感じる旨味の強さが変わります。
つまり、例えばお好きな焼き魚をおかずにごはんを食べるところを想像して見てほしいんですけど、その焼き魚の切り身の7~8切れ分、その旨味がぎゅっと一切れに凝縮するのと同じ効果が、昆布出汁でごはんを炊くだけで期待できるということです。
他の身近な例でいくと、寿司屋でも酢飯を昆布出汁で炊いてるとこ多いみたいです。まさに米と魚介ですからね。相乗いいんですよね。

④使う昆布は、値段よりも種類。真昆布か利尻昆布。
クセがあんまりなく、上品な出汁が取れて、さらにごはんに昆布の色も移りにくいのが真昆布と利尻昆布。

⑤昆布出汁は、「60℃で1時間」かけて取る
80℃とかの高温で加熱すると、昆布の表面のタンパク質が凝固してしまい、旨味が抽出されずらくなります。60℃で1時間という加熱時間が、最も昆布のうま味の抽出に適した時間だと言われています。

参考文献:https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845763981910400

⑥米は研がない。軽くゆすぐ程度。
昔の米には糠が20~30%ぐらいは付着していたそうなんですが、今ふつうに売られてる米はせいぜい2~3%ぐらいです。
なので、ほとんど気にする必要ないし、逆にガシャガシャ研いじゃうと、表面にあるせっかくの米の旨味成分が水に細かく溶けだして、味気ない米になっちゃうんですね。

ただ、精米したてでない限り少なからず米の表面は空気に触れて酸化してるのと、微細なホコリとかのごみも少しついてるので、表面の米が崩れない程度に優しく1~2回ゆすいでやるぐらいはしほうがいいです。

⑦浸水は「5℃で1時間」
1994年に農業食品産業技術総合研究機構という研究所が、「米を吸水させるときの水の温度と時間はどれぐらいがベストなの?」っていうことを調べているんですが、「5℃で2時間」浸水させたときに最も米の水分を吸う量が多く、ふっくら炊き上がったそうです。

参考文献:https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/nfri/1994/nfri94-07.html

⑧日本酒
日本酒ってご存じの通り原料は米ですからね、米の凝縮した旨味をさらに炊飯時に追加することでより米の味が際立つわけです。

⑨にがり
米っていうのは植物(野菜)ですから、当然加熱すると柔らかくなります。ですが、にがり(塩化マグネシウム)を入れることによって、米の表面の細胞壁が安定して加熱してもぐずぐずにならず形を保った状態になるわけです。
なので、仕上がりが、表面はハリがあってべた付かず、つややかに。でも中心はふっくら、みたいになるわけです。

⑩水加減は、米の量が多いときと少ないときで少し増減させてやる
具体的には、3合前後(2合~4合)くらいで炊くときは、540ccぐらいの水加減でいいと思うんですけど、
・1合とか少ない分量で炊くときは水加減を気持ち20ccぐらい多く、
・そして5合とか6合とか多めの分量で炊くときは20ccぐらい水分を少なめにする

と良いです。

というのも鍋を火にかけて沸騰するまでに蒸発する水分の量って、何合炊きでやろうがあんまり変わんないんですよ。
なので、少ない分量でやるときは蒸発した水分の割合が鍋全体で高くなって固く炊き上がるし、反対に大量の米を炊くときは蒸発した水分の割合が米に対して少ないので思ったよりも水分が鍋に多く残ってしまい軟らかめに炊けちゃうというわけです。

⑪8~15分かけて沸騰させる
沸騰までにかかる時間がこれよりも長くなると、米の表面が粘ばつくし、嫌な臭いまですることあるので気を付けてください。
反対に短すぎると芯が少し硬くなる傾向にあります。
ただ、長過ぎるより短か過ぎる方がまだ仕上がりはマシなので、ビビって弱火でやるくらいなら強火でガンガンやっちゃってください。

参考文献:https://cir.nii.ac.jp/crid/1050564287561267072

⑫蒸らしの途中で10秒ほど再加熱
理由:米に火が完全に入るためには、「98℃以上で20分以上の加熱が必要」
蓋をして弱火で加熱している時間は今回13分で、その間は鍋の中の温度は100℃です。しかし、火を消して5分ぐらいすると、いくら土鍋と言えど、鍋の中の温度は98℃以下になってしまいます。最低でも、もう2分は98℃以上の温度にしてやりたいので、蒸らしの途中で再加熱して、98℃以上で20分以上の加熱を実現させます。

⑬蒸らし過ぎも厳禁
蒸らしの時間はあんまりやりすぎると水滴が米に落ちてベチャベチャになる原因になるので全部で10~20分ぐらいが目安です。

参考文献:http://www1.odn.ne.jp/ki1938/Kome/suihanNEW2017.pdf


「土鍋で炊く亜究極の白ごはん」の作り方

①昆布出汁を引く(60℃で1時間)

材料A(水1000cc、昆布10g)を鍋に入れ、低温調理器で湯煎にかける。
設定温度と時間は、60℃&1時間。
低温調理器が無かったら、火にかけて見守るのでも全然OK。
できたら冷ましておく


②米を洗う(ゆすぐ程度)

軟水で洗う。今回は米3合。
研がない。ゆすぐだけ。
2~3回水を変えたらOK。


③米を浸水させる(冷蔵庫で2時間)

ひたひたに軟水を入れる。そして5℃以下の環境で、2時間浸水。
ゴミが入らないようにラップも。

④火にかける(8~15分かけて沸騰させる)

浸水に使った水はザルで切る。
米1合(もしくは浸水米:230cc(200g))に対して、
酒:小さじ2、昆布出汁:180cc、にがり:2滴

8~15分で沸騰するような火加減を目指す。

⑤鍋底を返す

沸いたら、底が焦げないように、鍋にあたっている部分とそうでない部分を入れ替える


⑥弱火で蓋をする(13分)

蓋をして超弱火にする。13分加熱。

⑦蒸らす(5分)

13分経ったら、そのまま5分放置して蒸らす。

⑧再加熱(10秒)、そして蒸らす(5~15分)

5分経ったら、土鍋の中の温度を再度上げるために10秒ほど強火で火にかける。

そして、もう5分~15分蒸らして完成!
★完成!★



★Youtube 動画

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