公認心理師と言語聴覚士の専門性
公認心理師試験の学習範囲を浅く浅く網羅し、やっと心理師の専門性が見えてきた。
小児分野では臨床心理士さんはじめ、心理職を名乗る方と沢山出会ってきて、心理士さんは発達をよく知る人、心のケアをする人という認識はあったのだが、本当のところはよく理解できていなかったのだと思う。
それでも現場で、言葉の問題と心の問題は切って切れない関係だし、親御様含め環境へのアプローチに心理学的な視点が必要と思ったので今回勉強をしてみようと思った。
そして片足のつま先だけ心理の世界に踏み入れて思う事は、他職種連携をするのに、相手の事をもう少し理解できていたらもっといいと言う事。
言語聴覚士という職業もこの数年でぐっと認知度が上がっていると体感しているが、まだまだ数が少ない為、どういった視点を持って働いてるいるのか理解されていないように思うし、公認心理師も、そもそも、心理って何⁉︎というふわりとした捉えにくい分野を専門性としているので理解してもらいずらいように思う。
困っている方を幸せにしたいという目的は共通しているように思うが、もちろん困っている方への見立ても違い、アプローチ方法も違うのだろうと思う。
そこでお互いの見立てをすり合わせてアプローチ方法を決めていけたらとても良いと感じるのだが、わからないことがわからないのだから聞くに聞けない。
今日は小児、発達の分野におけるそれぞれの専門性を書いてみようと思う。
【言語聴覚士】
•話し言葉の専門家だと思われがちだが、その人に合った意思伝達方法の確立に重きを置いている。もちろんなぜ言葉が出ないのか、どうやったら言葉の発達を促せるのかを見立てている。
•言葉や発達がゆっくりなことによる生活の困難さや心理状況を把握して環境を整えることもする。
•聞こえに関するメカニズムなどを勉強しているが、言語聴覚士全員が手話が出来るわけではない。
•嚥下と言って食事に関することや、口腔内衛生の大切さについて学んでいる。
・哺乳や離乳食と言葉、体や認知の発達と言葉が関連しているのでそこの視点も重要視している。
•言葉と学力も影響しているため、知能、学習等にもアプローチを行う。
・脳について学んでいる。(脳機能の発達について、脳の働きについて、画像診断等について、薬剤についてなど)
•内科的なことを浅くだが学んでいる。
•吃音については専門分野と名乗って積極的に介入していくべきと思うが、治療法の確立がまだなされている途中ということもあってか、実際にSTが治療を受けていることは少ないように思う。昔から吃音者数が多いこともあり独自の治療を行なっている所や、当事者団体等で受けている。
【公認心理師】
・体の発達、言葉の発達(STからすると浅く)、心の発達(STからすると少し深く)、社会性の発達(STからすると深く)を学んでいる。
・感情や気持ちのメカニズムを学び、どう自分の感情を扱っていくかに視点を持っている。
・気持ちに寄り添うことは前提として、認識や行動をポジティブな方に変える事に重きを置いている。
・教育、司法犯罪、保健医療、産業労働の分野を学んでいて、長期的な視点や幅広い視点で捉える事が出来る。
•環境へのアプローチ視点がSTよりも強いように思う。
あくまで自身の経験則で書いているということや、まだまだ心理師勉強し始めのSTから見た視点だが、より良い連携が取れるよう今後も積極的に自分の専門性が何かを言えるよう準備したいし、他職種についても理解を深めたいと思う。