マインドフルネス瞑想の本質と危険性

とあるADHDのLINEグループにて、「マインドフルネス瞑想がADHDとASDに効く」と言うと、「マインドフルネス瞑想はADHDとなんら相関関係はないらしい」と言われた。
私はマインドフルネス瞑想の指導をするために、まず自分が指導を受けているが、学べば学ぶほどこれは発達障害にピッタリだと考える。エビデンスはあまり調べてはいない。私はエビデンスよりも経験を重視する傾向にある人間だ。精神科治療学という雑誌のマインドフルネス瞑想の特集を読んだこともあったが、わかりきった結果が示されていただけだった。長くなるのでなぜ発達障害に効果があるのかはまた後日。

マインドフルネス瞑想の発達障害に対するエビデンスがないからと言って試してみないのももったいないし、そもそもそのエビデンスが正しいとも限らない。
なぜなら、しっかりとした指導者の下で適切な指導を受け、その本質を学ばない限り、マインドフルネス瞑想は効果が出ないどころか状態が悪化する危険性も往々にしてあるからだ。

瞑想にはいろんな種類があるが、マインドフルネスとは逆の「意識がぶっ飛ぶ系」つまり変性意識状態に入る瞑想がある。
現在の師匠にマインドフルネス瞑想を習いに行く前、私の瞑想は完全に自己流だったため、今考えると毎日意識をぶっ飛ばしていたようだ。思考が浮かんできたら瞼の裏の上方に意識を向け、それをじっと見ているといつの間にか第3の目が見え、その目から光がワンワンワンワンキャンキャンキャンキャンシャンシャンシャンシャンと瞼の裏いっぱいに降り注ぎ、ぶっ飛んで覚醒したような体感がある。

ただ、このぶっ飛び系の瞑想は人によっては危険性を孕んでおり、統合失調症のように幻覚が聞こえるようになったり支離滅裂な言葉を言うようになったりする事例もあるそうだ。
以下の動画は、空腹時に瞑想をしていたら統合失調症になってしまったというスレのまとめだが、動画の真偽はどうであれ、この統合失調症の発症は意識ぶっ飛び系瞑想を行った結果だと考える。

https://youtu.be/AGd5a08ICDI?si=5InyqRXwg7vS1lTl

また、マインドフルネス瞑想の大原則は、
・ジャッジをしない
・囚われない

である。

これを意識せずに瞑想をすることで、うつ病が悪化することもある。

なぜなら、瞑想をするといろんなことに気づくようになる。その状態でジャッジをしたり囚われた状態だと、「自分の見たくなかった深い内面」に気づいた時、「なんて自分はダメな人間なんだ」と自分をジャッジし、それに囚われた状態になるからだ。ダメな自分を責め、さらにうつ病が悪化する。

裏を返すと、すべての精神療法の土台がマインドフルネス瞑想であると考える。

従って、「リラックスの効果があるから」、「集中力がつくから」といった安易な理由で行う自己流のマインドフルネス瞑想には落とし穴があり、効果が得られないどころか良くない結果に繋がることもあるのだ。

私の好きな医師の一人に、内海聡という先生がいる。
内海先生曰く、瞑想ブームが始まってから精神の不調をきたす人が明らかに増えていると。これは浅い知識しか持ちあわせていない瞑想指導者が、無責任に瞑想を教えていることが最大の原因なのだと言う。

そもそもマインドフルネスとは、
マインド=心を、フル=今ここでいっぱいに満たしている、ネス=状態
のこと。

つまり、マインドフルネスとは「今ここの自分の状態に気づく」ということ。

逆に、何かに囚われて意識が一つに狭窄している状態が、変性意識状態。

自信のなさ、不安、焦り、他人の目、過去の後悔、未来の不安などに囚われている状態だ。安心安全に生きたいという欲求が私たちに過剰な反芻思考をさせる。それはもう常時無意識レベルで行われている。顕在意識で不安を止めようと思ってもなかなか止められないのは、無意識が安心安全を求めるからだ。人間の行動の90%以上が無意識からの行動であるが、我々が何かに囚われているときは往々にして無意識である。(何かの不安に囚われているときは、心臓、胃、腸、肩、頭などに不調をきたす。これは無意識の神経である自律神経がバランスを崩しサインを送ってくれているからだ。)

その囚われを手放し、今ここの空間、状況、自分の身体、自分の思考、感情、行動に気づく。自分の無意識を意識化する。これがマインドフルな状態である。

まとめると人間の意識状態は、大きく分けて2つ。
・変性意識状態:無意識レベルで何かに囚われている状態。
・マインドフル状態:何も囚われず目の前の状態をあるがままに観る。=気づき=無意識を意識化している状態。

我々の日常生活は、何かに囚われて意識が狭窄している状態の方が圧倒的に多い。よく1日を振り返ってほしい。1日の90%以上が何かに囚われた状態だと言うことに気づくだろう。
あることに不安になったり、怒ったり、仕事に一点集中したり、遅刻しそうだと焦ったり、他人にどう見られているかと気になったり、今日の晩御飯は何を食べようかと考えたり、食べながら携帯をじっとみていたり。
この状況は全て、意識が一つに狭窄して何かに囚われている状態である。

では、この変性意識状態に陥るとどういったことが起こるのか。(もちろん変性意識状態は、ゾーンに入ったり自信がつくなどプラスの作用も沢山ある。)

は、長いの疲れると思うので次回。
マインドフルネス瞑想のやり方、無意識の意識化、発達障害に効くと考える理由についても次回。

まとめ

・経験や知識の浅い、本質を理解していない指導者によるマインドフルネス瞑想は精神疾患が悪化する危険性を孕んでいる。
・マインドフルネス瞑想は単なるリラックス効果、集中力upのためではない。本質は「囚われないこと」「ジャッジしないこと」で、多面的で柔軟な考え方が出来、自分を受け入れ、必要のないものを手放すことが出来る。その結果、人生の質が上がる。
・人間の意識状態は、マインドフル状態と、変性意識状態の2つ。
・マインドフル状態とは、何にも囚われず今ここの自分、周囲の状態をあるがままに気づくこと。
・変性意識状態とは、意識が狭窄し何かに囚われている状態。日常生活の90%以上がその状態。
・我々は過去の学習(傷つき体験)によって自分独自の価値観を形成し、そのフィルターを通してしか現実を見ない。つまり日常生活殆どが無意識に「思い込みの価値観」に囚われている変性意識状態である。大人になった今はもう必要ないどころか自分を苦しめる価値観であることもある。同じパターンを繰り返さないようにするには、無意識を意識化し、自分にはどんな囚われがあるのか「気づく」必要がある。そのためにはマインドフルネス瞑想を日常生活に取り入れることが大切である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?