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#小説
[短編小説]未来の自分
事件は2022年に起こった。
わたしは、公園のベンチに座っていた。夏が終わりに近づき、蝉の鳴きも聞こえなくなり昼間の気温も涼しくなって過ごしやすい日々が続いていた。長袖のTシャツにジーパンという格好で本を読んでいた。
突然、わたしはこの瞬間を体験したことあるという感覚に陥った。本に書いてある文章が既視感を与えたわけではない。周りにある自然が風で揺れて、メッセージを与えているように感じた。
[短編小説] 僕が僕になる
僕が六歳のとき、両親からあることを聞かされた。それは、僕の頭の中には、もう一人の僕がいて、その僕が、僕という人間をつくっているのだと。
もう一人の僕には、さまざまな僕がいる。怒っている僕、優しい僕、困っている僕、悲しんでいる僕。さまざまな僕が、僕の中にいて感情を表現する。その感情を感じている僕がいろいろなことを学んでいくことが人生なんだよと説明した。
そのことを聞いたとき、僕は何を言って