座談会note

そんなに簡単に、天職とは出会えない。

こんにちは。
フリーランスのマーケティング・リサーチャー:眼力女子です。

こんな話、誰が聞きたいんだ?!と言われようが、私とマーケティングリサーチとの出会いについて今日は語ってみようと思います。

最初の出会いは、下北沢の雑貨ショップのアルバイト経験

大学時代にアルバイトをしていたのが、下北沢の雑貨ショップ。

そこの雑貨ショップは大手流通チェーン店のアンテナショップで、ショップターゲットそのものをアルバイトとして雇い、店舗展開・売り場づくりもアルバイト自身に任せる、という、その当時としては斬新なアイデアのコンセプトショップでした。

私の担当の売り場は、コスメ・トイレタリーコーナー。

最初は、売り場づくりといわれても何をやるのか全くわからずに、ただただ並んでいる商品を拭いたり並べ替えたり。

そのうちに、「この商品、売れてない」とか「この商品はとても面白いのに全然注目されてない」とか「今私が欲しいものが店頭にない」等と気づくようになり、担当の社員さんに質問するように。

そうしたら、その社員さんに「自由にやってみていいよ~」と言われたのです。

ワクワクしたか?
とんでもない!最初は何をどうやったらいいかわからずにめっちゃ戸惑いました。

本能のマーケティングリサーチャーだったわ、私

まず最初に私がやったこと。

それは、何が売れているか、数字を確認しました。
いわゆる売れ筋と売れてない商品の仕分けです。

そして、次にやったことは、売れている商品の売れている理由、売れていない商品の売れていない理由を解明することです。

自分としては結構良い商品だと思うのに、なぜか売れていない。
店頭で観察していると、手にとる人が少ない。
だとしたら、目立たないってこと?配置が悪いのか?

また、同じように、店頭でよく手にとられるけど、最終的に購入されない商品がある。
パッケージ裏面の商品説明を自分でも読んでみる。
商品の魅力を伝えきれていないのか?あと一押しするポイントは何か?

逆に、場所が悪くてもすぐに売り切れてしまう商品がある。
買っていく人たちの様子をみると、同じようなライフスタイルの人のよう。
売れる曜日に特性があるのか?買い方に特徴があるのか?

・・・などなど。

要は、店頭でマーケティングリサーチを行ったわけです。
さすが~私!!!
ただし、本人はそんなこと自覚しないままだったけどね。

その結果を元に、改めて社員さんに提案しました。

このお店のターゲットである地方から出てきた一人暮らしの女性大生にとってバスタイムは重要。バス関連用品はもっと売れると思うので、卸業者さんと打ち合わせをしてもっと同じカテゴリーの商品を仕入れ店頭を充実させましょう。

さらに、バス関連用品をもっと売るために店頭配置を変えて、入浴剤とボディブラシを一緒に置く等、コーナーの1つをバスタイム用品専用にレイアウトしたいです。

逆に、この海外からの輸入シャンプーはお店の方針としては売りたいのだろうけど、全然魅力が伝わっていないので店頭のお荷物になっています。どうしますか?

・・・といった調子で。

私の上司であった社員さんは器がでかかったんでしょうね。
即答で私の提案を受け入れてくれて、新しい店頭づくりが始まりました。

商品ラインナップを変えて、
店頭配置を変えて、
注目させたい商品には商品説明POPをつける。

日々、店頭のお客様のリアクションをみながら、
試行錯誤しつつ、
微調整をしながら。

どうしても、店頭訴求だけでは伝わらない商品に関しては、
興味を引いていそうなお客様にお声がけをして、説明を加えたり。

成果はもちろん、売上アップしましたよ!

これが、後で思えば、マーケティングとの出会いでした。

デパートで人の後をつける妹

再びの出会いは、妹との話。

その当時、妹は大学で心理学を専攻している学生でした。

バブル期で女子大生がもてはやされている中で、マイウェイを貫くちょっと変わった妹でしたが、その妹が大学の友達の紹介で何やら聞いたことがないアルバイトをはじめました。

「今、なんのバイトやってんの?」

「市場調査のアルバイトだよ」

「市場調査って何するの?」

「デパートの中で人の後をつけているよ」

「は?」

調査だし、人の後をつけているし、すげ~怪しいと思ったのだけど、
どうやら、浮気調査とか探偵とかではないらしい。

よくよく話を聞くと、
「デパート内のお客様の動線調査」
だったのですね。

入店したお客様の中から目をつけた方の後をつけ、店内のどこをどういうルートでどれくらいの時間をかけて何をして・・・という動線を調査していたのです。

デパートとしては、お客様の店内動線を分析することによって、お客様のニーズに合った店舗展開や売り場づくりに活かそうという目的で実施しています。

個人情報がうるさい今は、こんなふうにはできません(笑)。たぶん今は、ご本人様了承のもと、スマートフォンなどのツールを使って店内動線を分析しているものと思います。

まあ、とにかく、この仕事の話が私の興味をめっちゃ引いたのです。

私もそこで働きたい!
マーケティングリサーチ会社というものがこの世に存在することを知ったのはそのときが初めてです。
その当時は、社会学科や心理学科の学生さんにバイト求人を多く出していたので、妹がそのバイトにひっかかったようです。

そう思ったら、行動するしかない。
求人をみつけたときは、もう入社するしかないでしょ!的な気分でした。

リサーチャーセンス=好奇心と粘り強さ?

さて、実際に入社したときの私の位置づけは「事務」職です。要は、専務や専務の部署の人たちへ、お茶出しとかコピーとりとかのアシスタント。

中に入って初めて、今度は「マーケティングリサーチャー」という職業があることを知ります。

その当時は、大学で統計学や社会学、心理学を専攻した人しか採用されなかったらしいです。(今はなんでもありだけど)

私は文学部だしな~ってことで、どうやったら「マーケティングリサーチャー」になれるのかなぁとしばらくは様子見でした。

とにかく、日々アシスタント職をきちんとこなして、私がマーケティングリサーチャーになりたいことを折に触れてアピールするんだ!と、鼻の穴を500円玉くらいに膨らませて頑張っていたように思います(笑)。

その想いが通じたのが入社して2年たったとき。

「例外だよ。あなたみたいな人を再び生み出すつもりはない」って当時の副社長にきつくいわれちゃったけど、当時の社長の「なりたいっていうんだから、ならせてあげればいいんじゃない」という鶴の一声で私の「マーケティングリサーチャー」職への転籍が認められたのでした。

直属上司である専務から「ずっと見ていたけど、君はマーケティングリサーチャーセンスがとてもあるよ」と応援してくれていたのがとても良い思い出です。

まあ、何が「リサーチャーセンス」かというと諸説あると思いますが、私の場合は好奇心旺盛で知りたいと思ったらどんなところにでも飛び込んでいき、知りたいことにたどりつくまで粘り強い性格がそう思ってもらえたのかなぁと思います。まあ「なりたいなりたい」って2年粘ったしな(笑)。

魅惑のマーケティングの世界の住人に

そんなわけで、マーケティングリサーチ業界に飛び込んでウン十年。

アシスタント職からはじまって企画分析担当のマーケティングリサーチャーに。そこから、人材育成のHRM分野に手を伸ばしてみたり、営業企画というかセールスプランニングやリサーチ商品開発を担当させていただいたり。

会社員後期に至っては、実践的マーケティングとばかりに、マーケティングリサーチ会社のマーケティング部門のマネージャーもさせていただきました。

「君みたいなユーティリティプレイヤーは他にいない」

最後の上司がどんな意味で言ったかはわからないけど、マーケティングリサーチ会社でこんなにいろいろ経験させてもらえることはあまりないように思います。振り返ると、いろいろなチャンスを与えていただけて恵まれていたんだなと思えます。

途中、紆余曲折いろいろありましたが、なんだかんだ、やっぱり私は本能のマーケティングリサーチャーなんだなぁと、今回アウトプットしてみて改めて思いました。

このお仕事に出会えて本当に良かった、と感謝です。



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