【2022年】8月に出会った本/映画/場所
夏季休暇中の読書にとっておいたカズオ・イシグロの『クララとお日さま』を読めた8月。今月は小説やエッセイを中心に読み、展示も2つ行けました。
8月に出会ったものたちを感想とともにご紹介します。
本
『その本は』又吉 直樹/ヨシタケ シンスケ
本好きの王様のために、二人の男(又吉直樹とヨシタケシンスケ)が世界中の「めずらしい本」のお話を集めて王様に紹介する。その本は…という言葉で始まるそれぞれのストーリーは心が温まったりちょっと悲しかったり。さくっと読めて愛があってよかった。
『クララとお日さま』カズオ・イシグロ
人工知能を搭載したロボットと病弱な少女の友情。クララの無垢な信仰心に胸がぎゅっとした。なにが幸せかどうかは別にして、ラストの穏やかさが印象に残った作品。
『くるまの娘』宇佐見 りん
著者がまだ20代前半ということに驚いた。(今年で23歳らしい)
ままならない世界で生まれた感情を、納得のための付け焼き刃的知識で言語化しようとせず、そのままの心のとおり書いているのすごい。なぜこれが書けるのだろうと興味が湧いた。
『常識のない喫茶店』僕のマリ
「働いている人が嫌な気持ちになる人はお客様ではない」
失礼な客は出禁にし、腹が立てば塩対応がOKな実在する喫茶店で働く日々を綴ったエッセイ。接客業を長くやっていたので、たしかになぁと思うこともあり…“塩梅”ってむずかしい。
『千年の読書:人生を変える本との出会い』三砂 慶明
書店員である三砂さんによるブックガイド。250冊を超える本が7つのテーマに分けて紹介されている。「本は、僕たちの内部の凍結した海を砕く斧でなければならない。」(カフカかっこいい)
『箸もてば』石田 千
めし、おさけ。変わる季節の中で作り、飲み、食べる日々のエッセイ。こざっぱりしていい感じ。温度感がとても好みだった。マスタードの小瓶、集めたい。
『こといづ』高木 正勝
『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』の映画音楽やNHKの『おかえりモネ』のドラマ音楽を担当した音楽家/映像作家の高木正勝さんの6年間のエッセイ。山間の小さな村で過ごす日々の音はやわらかくて心地よい。
『星を運ぶ船』前田 昌良
絵画と小さなおもちゃで構成される不思議な世界観の作品集。前田さんの作品が装丁の『猫を抱いて象と泳ぐ』(小川洋子)が好き。
映画
『Coda コーダ あいのうた』 監督シアン・ヘダー
2021年 アメリカ/フランス/カナダ
コーダ(CODA, Children of Deaf Adults)とは、きこえない・きこえにくい親をもつきこえる子どものことを指す。
自分以外の全員耳が不自由な家族を持つ主人公の少女は、歌の才能を見出され音楽大学に進むことを希望する。生まれたときから通訳として家族をサポートしてきた彼女が、家族とつながれないもの(音楽)に興味を持って新しい世界に飛び出そうとする葛藤も自然の中でののびのびとした歌声も良かった。
場所
『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション』 (国立新美術館 企画展示)
152点の充実のラインナップ。2メートル近くあるピカソの《アーティチョークを持つ女》と立体作品が好み。そのほか写真家アウグスト・ザンダーやボリス・イグナトヴィチなど新しく気になる作品に出会えた。
『WILL SWEENEY 「PLASTIC PLANET」』(イセタン ザ・スペース)
※8月22日(月)で終了しています
Twitterで見かけた情報を見て楽しそうだったので行ってきた。原画も多くあって細部までじっくり見て楽しんだ。グッズもかわいくて、Tシャツかバッグ買えばよかったなとじわじわ思ってる。
「珈琲 ロッジ赤石」 (東京都台東区)
東京都台東区浅草 3-8-4。
浅草にある昭和48年創業の老舗喫茶店。食べログを見ると、短縮営業になっても火曜から土曜は9時から24時まで、日祝は9:00~翌1:00までやっているそうです。
レトロなゲーム台を使用したテーブルでモーニング。とても美味しかった。ふわふわのオムレツやエビカツサンドなど他にも食べてみたいメニューがたくさん。近いうちにまた行きます。
以上、8月に出会ったものたちでした。
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