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私は旅が好き。東京も好き。

九州男児、京女、から生まれし、ささいな笹。
生まれは京都、育ちは大阪、アイデンティティ、その真ん中。
第二の故郷、G.i.f.u、揖斐長良木曽の清流、みんなでsay ho!
気づけばサイレントヒル、食べるわさわやか。
嗅ぎ分け社会の人並み、生き抜け世界の人波。
叫べ、脈打つたこ焼き共和国、立てば、芍薬はんなり共和国。
私の自己紹介ってこんな感じです。
フィーリング・マイプロフィール。

東京なんて、よもや、暮らしたことも住んだことも全く!
だけど、旅することが私の人生の衝動になったのは東京だったのです。

25歳までの私は、かなり禁欲的でした。
遠距離恋愛3年目。
あと3年は続けることになりそうな恋愛関係。
崩す気なんてなかった。
大好きだから。怖いから。未来が見てみたいから。悲しい気持ち〜越えてみせたかったから。
勤続年数3年目。
同期はわりと突拍子もないところに飛ばされている。
どこに辞令が出されるのか、次はどんな仕事を振り当てられるのか、不安で不安でたまらなかった。
辞める気なんてなかった。
会社に挑んで、挑まれたから。負けるわけにはいかなかったから。負ける自分を許せなかったから。

狭い社宅に荷物を増やしてはならぬ。(引越しの時大変だから)
お金を使いすぎてはならぬ。(薄給、結婚したい、貯蓄しなきゃ)
意味のないことをしてはならぬ。(時は金なり、同期は辞めるか、出世するかの二択、逃してならぬアップステアな風潮)
禁欲的な私の預金は年頃にしては貯まっていたようで、ある日の朝、金融機関の窓口に訪れた際に、熱心に投資信託の誘いを受けた。
初めてのことに戸惑いながら断って、パン屋に寄って、一人が襲ってきて、絶望した。
真昼の公園。満開の桜。空っぽな私。中途半端にお金はあるが、つまらない私。

爆発したのは、その日の夕方。
昼間に大規模な部屋の模様替えをしても、まだ鬱憤の溜まっていた25歳の3月31日。

そうだ!東京に行こう!
明後日も休みだ。
明日、仕事終わり、速攻仕事抜けて、行こう!
トーストしたベーグルを片手に立ち上がり、テレビに流れる目黒川の桜を見に行こうと思い立ち、明後日の東京行きを決意した。
あの時、ニュースで流れていた映像が五所川原だったら、行かなかった。
遠いから。
あの時、ニュースで流れていた映像が岡山城でも、行かなかった。
行ったことあるから。
テレビの中の行ったことない目黒川は、私を手招きしたのだ。

25歳。
1年ぶり、3回目の東京だった。
一人ではなかった。
ちゃっかり、関東に住む親友を「明日の夜、東京で会わない?」と、急に呼び出した。
花粉症が苦しくて、しにそうだった。
新幹線終電、名古屋発、ドキドキした。
新宿で一泊、なかなか寝付けなかった。
ランチ何食べよう?って、14時まで迷って沈黙。微妙な空気になった。
歩きすぎて足に、水泡ができた。
帰ったら業務の続きがそのまま残っているし、おろした諭吉も、あっちゅーまに英世になった。
岐阜に帰り、両手のお土産並べてみたら、製造地は、となりの愛知県だった。
なんだよ、ゆかりかよ。
バリバリ食べた。旨いけど、ゆかりだったのかよ!と残念に思った。



だけど、帰ってきた後の充実感ったらなかった。
自分のために、自分のお金を好きに使ったこと。
ニュースで見たばかりの景色が、夢見るだけで済まなかったこと。
東京駅で選びに選んで買った、えびの煎餅が旨かったこと。
新幹線の自由席、心配してたけど座れたこと。
新宿で友達に会えた安堵、&よろこび。
楽しかっただけでなくて、地元にいた頃と同じように、ランチの行き先を迷いすぎて微妙な間が生まれたこと。(お腹が空くと、私と友達は途端に無口になる。おちゃめ。)
明日も、昨日までと同じ日常が用意されていること。
身体は疲れているのに、五感全部で最高に蘇った!と疲労感満載で心ウキウキ、明日を待ち構えるような気持ちで眠れたこと。

いつかは訪れるような爆発を、なぜその時までできなかったのか?
なぜあの時だったのか?
わかりません。
なるべくして、あの時でした。
運命なのか?私のパワーだったのか?
私の答えとしては、人間、人によって、完遂する単元も、スルーする単元も、人それぞれであると思いたい、です。
「それぞれ」であることが、理解や不理解、協調や不協和の運命的な分かれ目だと。惹き合うエッセンスだと。そう思いたいのです。
そう。運命がいいのです。
ロマンティックだから。

その日から私は「会いに行こう。」をモットーに、ちょくちょくと旅に出ることになりました。
欲は叶えている。
貯蓄は着実に崩れている。

旅は楽しいです。
旅程を練っても練っても、予想外のことが起こります。
心赴くままに自由に行動しても、とってもステキな景色や食べ物に出会えたりします。
計画を実行できると、達成できたことへの満足感に満ち溢れます。
何にも考えずにいくと、それなりの旅で「ああん」と一息終了、なこともあります。
最高も最悪も、両方生まれます。
だけど、それすらも自分の中でいかような形の答えにも昇華できます。
人生を即座に動かすほどの即効性はないかもしれません。
昇華するのも、旅を終えてすぐのフレッシュなタイミングかもしれないし、このように25歳から4年経った今かもしれないし、もっと先かもしれません。
一生無いかもしれません。
いずれにしても、「次の旅は!」と思うところが、私の今の旅の楽しい理由です。

東京、今まで何回行ったかなー!8回ぐらいかなー!と思って数えると、14回も行っていました。
その全てが幸いにしてどれも大変良い思い出で、失敗や後悔や反省点もあり(旅程に無理があったとか、食べたご飯がイマイチだったとか)、しかし尚且つ大成功や幸せももちろんありました。
大成功や幸せがほとんどです。
東京以外の街に行った時も然りなのです。

旅行もライブも、初恋も失恋も、確実に忘れていきます。
aikoのあの日の衣装も忘れてしまいました。
しかし、何を話していたかは覚えていたりします。
旅のことでも、日々のことでも、自分の胸のうちにしまっておきたいこともあれば、パーっと打ち明けて忘れたいこと、或いはしあわせだったんだよ!と分けたいこともあります。
以前は鮮度が何より大事だと思い、残さなきゃ!と使命感が湧いたこともあれば、すぐに残せなかったことをもったいなかった!と悔いたこともありました。
しかし、noteを書くうちに、月日が経って初めて語れる類の物事もあることを知りました。
それが今の私の、一番の充足かも、です。

私は、言葉を紡げなくなるとき、どれだけのことをどのくらい覚えていられるだろう?
充実や多幸感、後悔や怒り、反省とリベンジ、……どのくらいでしょうね。
わかりません。
多く思い出すために、未来に保険をかけるように、がむしゃらに残したいような28歳の春です。
ああ、今日も恥ずかしいほど、書いた。

#日記 #エッセイ #コラム #旅 #ライフスタイル



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