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神戸レディススパで一晩明かしてきたなど(日記)

 夫はよく、ひょいと気軽に一人旅に行く。「近所のスーパーに行く」ほどの気軽さではないが、そうだな……例えて言うのなら、「美容院・理髪店にちょっと毛先を揃えに」行くぐらい、の気軽さで行くし、一緒に行く?と誘ってくる。
 私も私とて、たまに一人旅に行く。私にとっての一人旅は夫ほどの気軽さではなくて、こちらも例えて言うのなら「なんらかの試験を受けに」行くぐらいの気概である。ちょっと何言ってるかわかんないんですけど、ほんとにそのぐらいの「絶対失敗なんてしねえぞ」って気概で行ってる。

 別に、夫が頻繁に旅立つことには文句はない。一緒に行こうって、誘ってくれるし。一人でめちゃくちゃエグゼクティブな宿に泊まるわけでも、ものすごく浪費するわけでもない。夫は旅における移動そのものが好きなフレンズなので、むしろこっちが、「せっかく行ったんなら、その土地のおいしいものぐらい食べておいでよ!」ぐらい言いたくなるほどの質素ぶりである。
 だから、「怒り」ではないんだけど、夜、寒い部屋の布団の中で、一人鳴り止まない思索にふけってたらついに朝が来てしまって、そののち虚しくなってきた。ついでに言うと、金曜日の夜のちいかわめっちゃ怖くなかった???なにあれ???ともかく、今日は夫に居て欲しかった、なんでいーひんねん。くそッ。

……と、そういう、ズォーンとなってるときに心に浮かぶ言葉がある。

自分を幸せに出来ないひとが、他人を幸せにできるもんですか!

自分のしたいことのために我慢しないで。

で、ある。よく聞くような言葉ではあるが、前者は大学の授業で講師の方(名前覚えてたっ、この方だ)が言ってて、後者はつい最近「パソコン欲しいけど○○万もするー、さすがに高いなあ〜」と言ったときに夫に言われたことである。

私の幸せ?私のしたいこと?
なんだろう……
いや、

………今は、とりあえずめっちゃ寒いから、サウナいきたい 
今年入ってから、二週間に一回ぐらい温浴施設に行ってる。寒いから……。

ということで、前置きが長くなったけど、時折雪がパラつく中、電車を乗り継いで神戸に行きました。
結論から言うと、めっちゃ楽しかったし、あまりに気分が良くて帰りにパソコン買った

行ったのはこちらの、「神戸レディススパ」。サウナファンの方には有名な男性専用のサウナ施設「神戸サウナ&スパ」と同じ建物に入っている、女性専用の施設。24時間営業で、カプセルホテル付き。お風呂とサウナ(スチーム塩とフィンランド式ドライの2種)と、岩盤浴、お食事処、素敵な雑誌、快適な仮眠スペースがありました。

いやー、行ってよかった。
よかったポイントを箇条書きしておく。ここまで読んでくれてありがとう。
この箇条書きのあとは、ある種「過剰書き」するから、長くなりそうなのでよしなに……

・建物の中が隅から隅まで全部キレイ。宝塚大劇場みたいな姫さ。
・同性の大人の女性しかいないから気楽
・からあげがめっちゃおいしい
・岩盤浴最高
・ウォーターサーバーがたくさん置いてある

レポ

15時ごろ三宮駅着。徒歩で3分ぐらい、歓楽街の中に「神戸サウナ&スパ」の建物があり、レディススパの受付は3階。エステみたいな真っ白でキレイな雰囲気の受付。カプセルホテルは予約で満員だったので、この時は「まあ終電で帰ればいいかー」ぐらいの気持ちで入店。会員登録(310円)をしたら、岩盤浴(520円)が無料になると説明を受け、会員登録もしてみました。

岩盤浴用の館内着とタオル、ロッカーキーを受け取り、ロッカーキーと同じ番号のロッカーへ。細長いロッカーの中にはバスタオルとガウン、小さいタオルが3枚入ってました。
タオルがたくさんあると、サウナで「髪の毛を守る用」と「顔面を守る用」の2枚使いができるので、とても助かる〜〜〜!

タオルを2枚持って、まずは浴場へ。浴場の入り口のところに、荷物(タオルとかサウナハットとか洗顔料とか)を仮置きする棚や、あみあみのよく洗えるボディタオル、サウナの時に口に入れる用の氷があって、「おー、サウナに特化した専門施設やなー」と思いました。

まずは体を清める。一部、ミラブルのシャワーを設置してる席があったので、ミスト状のシャワーを楽しむ。シャンプー・トリートメント・ボディーソープは、クラシエ製の席とPOLA製の席がありました。よく温浴施設であるやつ。どっちのシャンプーも好き。家に欲しい。業務用のシャンプーを家庭に持ち込みたい。

さて、湯船に浸かろう。白いタイルが眩い湯船は名水で有名な神戸の温泉…!熱すぎずぬるすぎない温度。ジェットバスもありました。あと、いつもならひのきの丸太が浮いているらしいお風呂には、季節限定ででっかい柑橘の晩白柚が10個ぐらい浮いてました。でっかかった。重かった。どんな味がするんだろう、晩白柚。
そう思うには気が早いけど、今度はひのきの丸太のときも来たいな。

感覚的な自論でしかないけど、岩盤浴とドライサウナを楽しむためには、かっちかちの乾燥肌を柔らかくし、汗腺の毛穴を開かないと行けない。ということで、お次はスチーム塩サウナに。こちらのサウナはバラのエッセンシャルオイルを使用された「ローズテルマリウム」という名らしい。室内に入ると、ふわりとバラの香りがした。ほどよい熱さ。せいろの中の肉まんって、こんな気持ちかなあ。さらに、ローズソルトを身体に塗り込む。ザリザリザリザリ…特に二の腕とか膝は乾燥して硬いので念入りに。
塩サウナはヒリヒリするから苦手だったのだけど、最近楽しみ方を覚えた。室内に入って少し体があったまって、体がしっとりしてきてから塩を少しずつ体に馴染ませるといいよ。

10分ほどふくふくと蒸されて、室外で塩を洗い流し、再び湯船に。おお、二の腕がふかふかになってる。しっかし、太ったなあ。人のキュッとしまった身体をみて、わが身体、主に尻、太ももあたり関連で落ち込みを覚える。冬太りである。温浴施設に行くと、良くも悪くも自分の身体に向き合えるから好き。「いろんな体の人がいるから、いちいち全部にコンプレックスになんて思わなくてもいいやんな〜」とも思えるし、反対に、「あのぐらいシュッとしたいな〜」とも思える。

毛穴をかっ開いたので、さらに汗をかきにいこう。一旦浴場を出て、髪を乾かし、岩盤浴衣を着て下の階の岩盤浴スペースへ。電子機器類の持ち込みは禁止されてるタイプのところでした。今回は、スマホの充電器を忘れたので、いい感じにスマホとも離れられたなあ。
岩盤浴コーナーにもウォーターサーバーがあった。汗をかいた時の水分補給の大事さを施設側から全力で伝えてくれる。

岩盤浴は、「テラ・ルーム」と「ルナ・ルーム」の2部屋。異なる石材を使った部屋らしい。どっちがどっちや分からんから、とりあえず「ルナ・ルーム」の方に。中にはすべすべな石でできたシングルサイズのベッドが5台あり、一番ストーブに近いところに横たわりました。
岩盤浴では、まずはうつぶせになって内臓をあたため、そののち仰向けになります。きもちいー、あったかーい、ねむーい。仰向けになった瞬間眠りに落ちてしまい、30分後ぐらいに意識を取り戻しました。汗だく。岩盤浴衣も、下に敷いてるタオルもぐっしょり。夏でもかかない量の汗をかいてる。腕には玉状の汗。わー、生きてる!熱いっ。

水分補給を経たのち、次は「テラ・ルーム」へ。これはよく見る、石でできた床に寝るタイプ。岩盤浴は男女一緒に入れるところはいろんなところにあるけど、ここは女性しかいないから、なんだか気楽だな。気楽にストレッチとか出来ちゃう。「ルナ・ルーム」の独立したベッドの方がどちらかというと好みで、延べ二時間ぐらいいた。
汗をかくって気持ちいいな。ジムとか行きたいな…とか、普段一ミリも思いもしない健康的な発想が出来るのも温浴施設の魅力。スマホからも離れられるし、ぼーーーっと自分の中の思索にもふけれる。「昨日のちいかわ怖かったな」や「あがったら何食べようかな」から、「私のほしいものやしたいことってなんだろう」、「生とは、死とは…命とは…」まで、色んなことを、ぼやーーーっと、しかし、くっきりと形をもったままふけれる。あー、必要な時間だな、温浴施設……。

ヘロヘロになりながら岩盤浴ブースを出て、浴場に汗を流しに。18時ごろは結構混んでいました。ドライサウナ(めっちゃ人多かった&途中でサウナマットの交換タイムになったから数分で出た。一番大事なとこなので後述します)で軽く蒸されたあと、食事処へ。

メニューが豊富で目移りする。おつまみから定食、ヘルシーなサラダや、おいしそうなスンドゥブ。スイーツもある。うーん、迷う。迷いつつも、口が勝手に「生中と肉団子とからあげ」って言ってた。つまり「酒、肉、肉」である。節操ない。隣の可愛い女子が、「ビタミンフルーツサラダ」しか注文してなくて、個々人がこの場所に求めるもののディファレンスをフィールしました。違いを感じた、ということです。

アルコールがまわり、少し酔いが覚めないとお風呂には入れないので、スーペリアシートコーナーに。仮眠が取れるソファが数台あるコーナーです。空いててラッキー。普段は別料金だけど、無料開放されていました。よし、終電は23時ぐらい…一時間ぐらい休んだら、もう一風呂浴びて帰……ろう……
と思い、次に目を覚ますと23時すぎでした。3時間近く爆睡してた。ふふ。自分の見積もりの甘さにこんなところでも笑わされるとは。
スーペリアシートは他の席も全て埋まっている。「ここを離れると、夜の寝床はない。徹夜でサウナと岩盤浴をまわることになるな…」と確信し、朝まで引き続き眠ることに。

グースヤと寝て、次に目が覚めたら朝の5時。もう朝っ。仮眠スペースで9時間眠れる私の図太さ。気持ちのいい目覚め。赤の他人の寝息もまた時には良い。そーろと起きて、浴場、そののちドライサウナに。

朝早かったから、ドライサウナは空いている。80度ぐらいで、そんなに強烈に暑い感じではない。じっくり熱くなるサウナと冷たすぎない水風呂が気持ちよくて、「サウナ12分→水風呂1分→外気浴6分」を2セットという感じでした。
昔はサウナなんて暑いし暇だし、3分ぐらいしか入ってられなかったけど、今は汗が流れる様子が楽しい!とまで思う余裕があるのだから不思議である。気をつけないと、そのうちのぼせちゃいそうだから、自分の身体との相談は忘れずにしたい。
外気浴は「雑居ビルの外に作った囲いっ」て趣で、外の景色も空も見えず。朝の都会・神戸の街に全裸でいるのが不思議な感じでした。気持ちよかった。

お気に入りの岩盤浴コーナーへ。昨日岩盤浴でぼんやり夢見心地で考えていたことが、一晩で急に現実味を帯びてきて不思議なものだけど、同時に、もしかしたらこれが「ととのってる」ってことかも知れない。体があたたまって、目覚めもよくて、「ああ、朝帰りだなあ〜むふふ」って背徳感と、サウナ施設で初めて夜を明かすという大人の階段を登れた達成感、「まだ日曜の朝6時!」ってお得感、それが全て超気持ちがよくて、無敵モードになった。もう、もはや汗も昨日ほどは出ない。たまった老廃物も、私のモヤモヤな気持ちと共にどっかに言ったのかな。

朝食は、バイキングコーナーに。1,000円。800円なら即決してたけど、1,000円って絶妙なプライス設定。しかし、あまりにもおいしそうなカレーの香りがただよっていて、朝食もここでとることに決める。おいしかった。なんだか、胸がいっぱいであんまり食べられなかったけど、満足。

ふう、腹が決まった。満腹。満足。まだ8時台。
もう、こんなに気持ちのいい日は、二度と来ないかも!と思うぐらい、いい一人の朝。ヨドバシカメラで、想定よりずいぶんいいノートパソコンを買って家に帰ってきました。ノートパソコンを即決して持って帰ってくるほど気持ちいい朝ってすごくない?温浴施設のおかげよ。神戸レディススパさん、ありがとう……。とても気持ちのいい、素晴らしい空間でした。

明日の私のことですらもはや全然分からないけど、私は私を幸せにして、半径の小さな周りぐらいは幸せにするぞっ。自分の屍は自分で拾ってく。「今しか出来ないこと」と焦った気持ちに掻き立てられるのは嫌だ。今の私がやりたいことに忠実になりたいし、やりたくないこともそこそこやるぞっ。排水溝の掃除とかなっ。

で、今の私のやりたいことだけど、ずっと「パソコンを買ったら」と先延ばしにしてたけど、小説を再チャレンジしてみるっ。世に出すかはわからないけど、じっくり寝かせながらやってみようと思う。行き詰まったら、岩盤浴の上で考えてみようと思います。

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