小匙の書室177 SNSで出逢う書籍
内容はタイトルのまんま、です。
それまで、私は普段利用するXにおいて好きな読む作家さんしかフォローしていなかったので、いわゆる「SNSがなければ出逢えなかった」という感覚を抱くことがありませんでした。
だからここ最近、SNSでたまたまタイムラインに流れてきて「あっ、面白そう!」と思った作品と出逢えることがとっても嬉しいんですよね。
なので今回は、「SNSがなければ、ひょっとしたら一生縁がなかったかもしれない! だけどSNSのおかげで出逢えた、ありがとう!」書籍を一部ご紹介。
角田光代先生『方舟を燃やす』
角田先生の新作長編。私が惹かれたのは、『信じる』の意義を問うているということでした。
昨今、主にSNSで様々な言説の流布が止みません。どれを信じてどれを疑うのか。それは取捨選択する人間の人生に左右されます。
私は、私の掴んだ選択を正解と呼べるのか?
この一冊を読んだ後、私はいっそう、選択にかかる責任を強く感じるようになりました。
田丸雅智先生『白線以外、踏んだらアウト』
あるあるのシチュエーションをもとに、奇想天外な展開が待ち受ける〈おとぎカンパニーシリーズ〉最新作。
私は骨太のエンタメやミステリーが大好きなのですが、気軽に楽しめる小説もたまには読みたくなるのです。
この一冊は、そんな私の欲求を見事に叶えてくれる内容を含んでいました。
とにかく面白い。これは久し振りに小説を楽しんでみようかな、と思った人にもおすすめできます。
稲村祐汰先生『リアル脱出ゲームノベル The Only 1』
リアル脱出ゲームと小説が組み合わさったどんなことになるか、想像できますか。
本作は読者が物語を切り開いていく、体験型の小説となっております。
小説の歴史に名を刻む──かもしれない予想外のラスト。紙の書籍でしかできない作品。
と聞いて、「あ〜、ああいうオチなんだろうな」と思ったとしても大丈夫。きっとそれは覆ります。
ぜひともページを開き、物語を進め、見事“脱出”を果たしてください。
滝川さり先生『ゆうずどの結末』
全国の書店員さんが慄いた!!
と、発売前に聞いてしまえば見過ごせません。
⬛︎⬛︎が見えたら終わり。とのことで、この⬛︎に何が当てはまるのだろうかと私は恐る恐る読み始めました。
あのねぇ、こりゃあねぇ、怖いよ。
呪われた書籍『ゆうずど』をめぐる連作短編。読めば呪われるけれど、気を付けてくださいね。解呪はできるか否かはあなたに託されているのですから。
乗代雄介先生『旅する練習』
私が好きな作家のひとり、潮谷験先生が絶賛されていたので購入。
作家さんが推しているならば間違いない!!
その考えは大正解でした。
正直なところやや哲学的で難しいなぁと思える表現があったりするのですが、読了後に改めて節々の表現を噛み締めてみると、作品の良さが次第に濃さを増して立ち昇ってきたのです!
読了して、しばらく時間をおいてから涙が溢れそうになった作品は初めてでした。
主人公はなぜ小説を書くのか、そちらに注目してください。
と、ここまでは既に読了済みの作品たちを並べたのですが。
実は先日も、「あっ、これは面白いのではないか!?」とアンテナが働いた作品がありました。
⇩それがこちら⇩
安田夏菜先生『6days 遭難者たち』です!!
まずはこの装画が大変興味深いデザインでして。
てっきり販促用のポスターなのかなと思いきや、これが表紙なのです。また、裏面も新聞記事のようになっているとのことで、こりゃあ気になりまくり。
そんでもって帯に大々的に打ち出された『生きるか、死ぬか。』という白文字。
極限状態でどのようなサバイバルが繰り広げられるのか、楽しみですね(この言葉は不謹慎だがそう思わずにはいられない)。
発売は5/23。
カレンダーにメモをして、その週末に買いに行きます!
きっとこの先も、SNSならではの出逢いが待っていることでしょう。
これはまあ、積読を加速させることに他ならないのですが、読みたいんだから仕方がない。
みなさんも、そういう経験がありますか?
ここまでお読みくださりありがとうございました📚
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