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やさぐれ日記 #351〜400

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やさぐれ日記 #399  また歳をとる話をしてしまった

やさぐれ日記 #399 また歳をとる話をしてしまった

10代の頃と比べて、随分と楽に話せるようになった。

新しい環境に身を置いている今、そう思う。

学生の頃は、入学するたび、クラス替えがあるたびに、今度こそよく思われたいって毎回思っていた。

今だって、よく思われたいっていうのがないわけではない。

全くなくなってしまったら、集団の中で生きていけなくなってしまうだろうから、必要な感情ではあると思うのだけど、必要以上に自分を縛らなくなったのかなと思

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やさぐれ日記 #400  新生活との付き合い

やさぐれ日記 #400 新生活との付き合い

新生活、嫌だとかストレスだとか、そんな自覚はなくても、環境の変化だけでとんでもなく疲労するものだ。

家に帰って時間はあるけれど、映画を見たり動画を見たり、どことなくちょっと刺激が強すぎる。

音と映像と内容と、使うところが多すぎるのかもしれないし、内容にもよるけれど、どちらかというとテンションが上がりすぎてしまうのかもしれない。

わからないけれど、今はちょっとずつ、本を読むのが何となく一番良い

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やさぐれ日記 #398  歳をとること

やさぐれ日記 #398 歳をとること

一人暮らしを始めてから、時折祖父母から電話がかかってくる。

家に居る時でも、一応二世帯住宅だから、ほとんど顔を合わさなかったし、前に一人暮らしをしていた頃は電話なんかなかったのに。

何ならば、私の年齢なんて祖父母の世代ではほとんど嫁入りして、家から出ている頃だったろうに。

今回あえて、急に一人暮らしを告げたこともあるだろうが、純粋に祖父母も歳をとったのだなぁと思う。

歳をとれば、電話をかけ

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やさぐれ日記 #397  一人暮らし

やさぐれ日記 #397 一人暮らし

一人暮らしに戻って、2週間目になる。

初めて一人暮らしをしたときに比べて、ある程度経験値もお金もあるから、住み始めて2週間とは思えないほど部屋に生活感がある、気がしている。

いくら家族とはいえ、一人が楽だなぁと思う。

もちろん、家事とか手続きとか、自分だけでやるべきことは増えるので面倒なこともある。

自分は何をするにも時間がかかる方だし、その分暇な時間が少なくなるとも言える。

だけど、時

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やさぐれ日記 #396  夏用のスリッパ

やさぐれ日記 #396 夏用のスリッパ

今日は夏日だったらしい。

どおりで何もしていないのに汗ばむ。

一人暮らしの部屋は、熱を溜め込みやすくて余計に暑い。

ここ数日、モコモコのスリッパが暑くて気になっていたので、夏用のスリッパを買いに行った。

お洒落な店なんてないから、一番近いしまむらだ。

しまむらも侮ってはいけなくて、可愛らしいキャラクターのものや、値段より高く見えるスタイリッシュなものも案外売っている。

去年は同じくらい

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やさぐれ日記 #395 昨日の分だけど

やさぐれ日記 #395 昨日の分だけど

結局、また昨日の分を書いてしまっている。

昨日は少し体調が心配だっただけに、日記を書かずに寝たのだ。

まぁいいかと思ったのだけど、やはり途切れさせる勇気がなくて、意味もなく書いてしまっている。

一応、一年続けるという目標は達成して、二年目のしばりはないつもりなのだけど、終わらせる勇気がない。

それもそれかなぁと思うけど、もう少しゆるくやっていってもいいかなぁ、なんて…。

やさぐれ日記 #394  出会いの季節

やさぐれ日記 #394 出会いの季節

新しい季節。

出会う人出会う人が初めましてで疲れるが、人間考察が半ば趣味な自分としては、ちょっとしたワクワク感もある。

だけどまあ、30年弱生きてきていると、こういうタイプの人かな〜とか、あの人っぽいな〜とか、経験則で測りがちである。

それはちょっとよくない。

自分の中ですら未だ、新しい自分に出会ったりするというのに、会って数日の人を関係のない誰かの型にはめて見るなんて、とんでもない失礼だ

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やさぐれ日記 #393  絡まった糸

やさぐれ日記 #393 絡まった糸

人間、気持ちを体の外に吐き出すって大切だ。

文字でも声でもいいから言葉にすると、ごちゃごちゃと絡まった気持ちの糸が、ほんの少し、整理される気がする。

ほどける、まではいかないかもしれない。

ぎゅうぎゅうにむすぼった糸が、どう絡まっているのか道筋がわかる程度だ。

ほどき方は、やってみるまでわからない。

だけど、道筋がわかるだけで、どうほどこうか考えようと思えるし、実際に触れてみようと思える

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やさぐれ日記 #392  優等生

やさぐれ日記 #392 優等生

結局自分は、いくつになっても「優等生」なのだ。

人の目を気にして、世の中が、周りが「正解」「規範」とすることから抜け出せない。

いっそ、自分も正義感を持って、それが「正解」で「規範」だと思えたら楽なのだろう。

だけど私は、それだけが答えでないことを知っている。

自分の中にも、いくつも答えがある。

一度きりの人生だもの後悔なく、なんてことはわかっているのだ。

何度も、「正解」で「規範」で

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やさぐれ日記 #390  一期一会

やさぐれ日記 #390 一期一会

4月から中途採用の私だが、今日は新人と混じって研修である。

会話の空気とか、視線とか、何だか大学生に戻ったみたいでソワソワとする。

あの頃の、今よりもっと「自分」という器に居心地の悪かった感覚が、ほんのりと蘇る。

中途採用だというのを配慮してのことか、案内された一番後ろの席から全体を見渡す。

(あ、あの人あの子に似てるな〜)

などと思って眺めていたのだけど、大学依頼会っていない「あの子」

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やさぐれ日記 #391  話を聞くこと

やさぐれ日記 #391 話を聞くこと

昔から本当に、人の話を聞くのが苦手だ。

「会話に耳を傾ける」の話を聞くではなくて、講義とかそういう、「説明を聞く」方の話を聞くだ。

聞いているふりは上手いのだけど、実際「理解」しているのは半分、ひどい時はそれ以下のときもある。

ただ聞いていないわけではない。

すぐにあれやこれやと、取り留めもない考えごとを巡らせてしまって、気がつけば話から置いてけぼりになってしまっている。

別の思考回路に

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やさぐれ日記 #389  桜

やさぐれ日記 #389 桜

ここ数日、雨ばかりな気がする。

気温も低く、まだ冬の装いをしている。

そんな中でも、道端の桜は立派に咲いている。

雨に濡れた枝は艶っぽく光って、焦げ茶色がよりはっきりして見える。

快晴の桜のような清々しさはないけれど、雨の日の桜も物憂げで、でも凛とした色気がある。

ほとんど夜に近い夕暮れにある川沿いを通ると、いくつもの桜が一本一本ライトアップされていた。

車で桜並木を並走しながら、ああ

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やさぐれ日記 #388  街の本屋

やさぐれ日記 #388 街の本屋

早くも新しい住まいに、居心地の良さを感じてきた。

一人暮らし、自分のペースで生きられるのって楽だ。

同時に、他人のペースに合わせられない不器用さと、不便さのない寂しさも感じるけれど。

今日は、家から一番近い本屋に出向いた。

本屋が充実しているか、というのは生活を満たす上で結構重要だ。

小さめのTSUTAYAだったからちょっと不安だったけど、中に入ると、狭いながらに上手く配置されていて、狭

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やさぐれ日記 #387  寝不足

やさぐれ日記 #387 寝不足

環境が変わっても寝られる人だと思っていた。

寝るということに関しては自信があったのに、人間、時間と共に変わるものらしい。

新しい部屋での夜は、深夜でも車の気配を感じたし、一番近い信号が、点滅するたびに部屋がほんのり青になったり、赤なったりした。

新しいマットにしたら、腰の痛みがなくなると思っていたのに、寝返りを打つたびになんとなく腰が重い。

おかげで、入職初日は「眠たい」とは違う、寝不足独

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