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夫が気づかせてくれた"Want To Do"な生き方

世の中では、多様な生き方が選択できるようになりつつある一方、未だに凝り固まった価値観は根強いと感じます。それらに翻弄されて、自分が心地よく生きられる方法がよくわからなくなることもあります。

そのような状況で私自身が行き詰っていた時に、夫の何気ない一言で気持ちが少し前向きになったできごとがありました。

同じような境遇にある方にとって、ホッと一息つくことができるきっかけになればと思い、記事にさせて頂きました。

1. 人生には「やらなきゃいけないこと」が多すぎる

26歳のときに、2年半交際した現在の旦那と入籍しました。大切な人と家族になることができた喜びは当然大きかったのですが、それと同時に生じた感情がありました。それは、"安堵"

「もう結婚相手を探すためにがんばらなくていいんだ」

「母が父と入籍した当時の年齢と、同じ年齢で結婚できてよかった」

「これでもう、親族が集まるたびに、結婚を急かされずに済む」

「既婚の友人と自分の境遇を比べて、落ち込む必要もなくなった」


誰が決めたわけでもないのに、「結婚」することが、まるで達成すべき”タスク”かのように感じていました。

もちろん、「結婚」を達成して終わりではなく、「出産」→「育児」→「復職」→「住宅」→「進学」…という具合に山積みになっています。

タスクを達成するたびに、タスクを一覧化した"ToDoリスト"に1つずつチェックを入れていき、周囲と達成度合いを競っては一喜一憂し、達成状況が悪ければ、すかさずケツを叩かれるという具合です。

かく言う私自身も、漏れなく人生のToDoリスト達成競争で疲弊した人間の1人でした。

2. 見方を一変させた夫の一言「Want To Doで考えたら?」

26歳のある日のこと。当時勤めていた会社をどうしても辞めたかった私は、考えに考え抜いた末に、夫に以下のような話をしました。

「30歳までには第一子を産んでおきたいから、28歳で妊娠して、29歳で産休に入らないといけないよね。産休に入る前に3年は働かないといけないから、転職するなら26歳のうちじゃないとだめだよね。でも転職できる自信ないから、もうちょっと経験積んでから転職するなら、30歳になる前に転職したいから、子供が1歳くらいまで育ってから転職活動することを考えると、今すぐ妊娠しないと間に合わな…(以下略)」

息つく暇もなく、弾丸を打ち込むがごとく、一通り話し終えたところで
私「人生のToDo多すぎて辛いんだが…」
の結び言葉と共に、私の渾身のプレゼンは終了しました。

ちょっと引き気味の夫。束の間の沈黙のあと、重たい口を開いて一言。

夫「なんか生きづらくない?もっとWant To Doで考えたら?」


一瞬、体を小さく電流が走ったような感覚でした。
"Want To Do"という、シンプルながらキャッチーな言葉のチョイスも相まって、新鮮でありながら、すんなりと納得してしまいました。

思い返せば、小さい頃は、もっと自分本位にやりたいことをやっていました。大人になるにつれて、「~しなければならない」という考えに捉われ、「どうしたいか」の部分をないがしろにするようになっていたようです。

こういった経緯により、もっとシンプルに「こうしたい」「こうありたい」で物ごとも決めても良いのでは、と思うようになりました。

3. 「幸せの軸」と「バランス感覚」

世の中の常識や価値観に縛られて、自分を一番疲弊させていたのは、他でもない自分自身だったようです。

以前見かけて印象に残った一説があるので、ここで紹介します。

「サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。」引用元:『西の魔女が死んだ』(著者:梨木香歩)

他人にとっての幸せが、自分にとっての幸せとは限りません。自分の選択が、自分にとって生きやすい最善の方法なのであれば、本来それでいいんですよね。

「幸せの軸」が定まることで、自分にとって本当に必要なこと・不要なことが明確になります。軸に沿ってものごとを天秤にかけ、取捨選択していく「バランス感覚」を持つことで、既存の価値観に影響されすぎず、シンプルで身軽に生きることができるのではないかと考えています。

4. 私にとってのWant To Do

夫の”Want To Do”発言を受けて、「男女間で見てる世界違うし、そんな簡単な話じゃないんやで…」と思う部分もありました。

それでも「今転職したいならすればよくない?なぜ30歳までに産みたいと思った?てかそもそも本当に子供欲しい?誰の意思?」と、考えなおすきっかけとなりました。

結果、「なぜ今転職したいのか?」という、自分の気持ちに立ち返ることととなり、転職をするに至りました。経緯については過去の記事で少し触れているので、良ければご覧ください。

【参考】過去記事:【自己紹介】好きなことだけして生きていきたいアラサーOL

今後の長い人生の中で、幾度となく、周囲と比較して一喜一憂したり、何か大きな選択をしたりする機会は訪れると思います。そして、既存の価値観と自分の意思の間で揺れるかもしれません。

そのたびに"Want To Doで考えたら?"という言葉を思い出して、もっと気軽に、自分が最も生きやすい方向を見つけていきたいと思います。

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