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アラ還世代はナチュラルがパワハラ!?「ダイレクトコミュニケーションは±30歳が限界」説

※注意※
科学的根拠に基づいての記述ではありません。筆者の経験則に基づいた考えを述べているため、期待なくお読みください。

<人材マネジメントのジェネレーションギャップ課題>

社会保険労務士法人に勤務するものとして、労務管理の部分の法改正は、年々経営側、マネジメント側が、管理われる側に強制・干渉しすぎないように変化してきているのを実感しています。

・残業の規制・罰則化
・パワハラ対策の義務化
・副業規制緩和 etc…

今まで、ゴリゴリの残業と忠誠心とネゴシエーションで権力を勝ち取ってきたアラ還(around還暦)世代の方々には、人材マネジメントがやりにくくて仕方がないだろうと思います。
また、「残業は努力の証」「上司に気に入られることが第一」という価値観で育っていないゆとり以下世代の従業員は、マネジメント側の価値観を理解できないと感じることは多いでしょう。

私の身の周りでもアラ還vs20代のコミュニケーション不和の事例を耳にすることが多々あります。
入社3年目と60歳手前の上司の不和。
新卒と60代社長の不和。
子育て中20代社員と60歳手前の役員の不和。
こういった世代間価値観ギャップによる不和に悩まされている企業は少なくないのではないでしょうか。

<ダイレクトコミュニケーションは±30歳が限界では?>

ワンジェネレーション(30歳)以上の年齢差がある、直属の上長もしくは部下がいると、何かと会話をしていてもかみ合わない、捉え方が違う、という部分が多いように感じます。

感覚としては、
±10歳は差はあれど問題ない。
±20歳は意識すれば通じ合える。
±30歳以上離れていると、もはやお互いが宇宙人のように意味不明だと感じることが多数。

経験からの推測だが、30歳以上年齢の離れた人との場合、異文化コミュニケーション能力が双方に求められるでしょう。言葉一つの意味も、お互いの捉え方が異なるため、相手のバックボーンを捉え、理解しようとする姿勢が必要と思われます。
※もちろん個人差はありますので、一概には言えないことは承知です。

<現在の合理主義>

これからの時代は組織内でうまくやる人材でなく、合理的な考えの元、成果を出せる人材であることが求められているように思います。一つの団体に所属し続けることはリスク、また、多様な価値観を受け入れる、という教育で育っているゆとり以下世代は、統一的価値観の組織権力に迎合するよりも、周りと調和し、対外的に成果を出せる力を持った人になりたいと思う「権力・支配よりも調和・成果実績」主義の人が多い傾向があります。

ゆとり以下世代は比較的、命令は絶対、という軍隊的効率的組織の一員になることに疑問を感じています。仕事だけが人生じゃないという価値観を持ち、自由度のない組織の歯車の一部としての人生はオワコンだと思っている人も多いでしょう。

<イケイケ思考のアラ還世代>
その一方で、アラ還世代が受けていた社会人としての教育は、学歴・権力主義、組織の言うことは絶対、仕事に命を注ぐこと、出世第一、という価値観を持っている人が多いでしょう。
特に経営側・役員レベルになられている方々は、その価値観の元で努力し、今のポジションを勝ち取り成功した方でしょうから、思いを持って、自分が受けた教育・価値観のマネジメントをするでしょう。しかし、この価値観を押し付けすぎてしまうと、今はもはやパワハラで訴えられてしまう世の中です。昔自分が受けてきた怒鳴るような叱責方法も、今は通用しません。頭ではわかっていても、経験・実感してきた感情や思い出が頭をよぎり、気持ちがついていかない、腑に落ちないということもあると思います。

自分の経験値から自分のナチュラルな感覚で若手に教育をしようとすると、パワハラになってしまうケースが多いのです。

<コミュニケーション不和はどう対処すべきか>
アラ還管理職とゆとり以下世代だとかなりの価値観ギャップはありますが、お互いどのように言葉をキャッチし、捉えたらよいのでしょう。

これは、お互いがコミュニケーション力を鍛えることが一番の解決策になると思われます。(月並みな結論を申し訳ありません)

ゆとり以下世代は、もちろん先人の学びや経験は重んじるべきですが、アラ還世代の価値観がベースの発言を鵜呑みにしたら今の時代で戦える人材に育たないリスクがあります。言葉を受け取る際は「あなたの時代は、」という枕詞を置き、相手の言葉の背景を理解しながら解釈しましょう。

この±30歳が限界説が正だとすると、中間管理職の存在はある意味大きいと思います。段階的に情報が伝達されるというのは、上司から理解できる範囲の情報が来て、部下に理解できるように伝えられるということである。ダイレクトコミュニケーションだと宇宙人と話している感覚になるとしても、間が入ることで、解釈、説明が追加される。情報伝達だけの管理職はお荷物として嫌われるかもしれないが、若者の育成やマネジメントを考慮すると企業内での存在価値は十分にあるだろう。ただ、異文化コミュニケーションができない企業は通訳を入れるということだが、採算はあわないでしょうし、異文化コミュニケーションを身に着けようとしない会社はつぶれるだろうは思います。

これからは企業単位というよりかはプロジェクト単位で仕事が進められると言われています。そこには同一の価値観や目標の元メンバーが集まると思います。また、重ねてジョブ型、タスク型のマネジメントスタイルが浸透すれば本タイトルのような問題は生じなくなるでしょう。ただ、別世代、別価値観に触れる機会がなくなる可能性があると思うと、それはそれで機械喪失だ、とも思います。

結論、マネジメント側が世代関係なく、相手の感性を吸収でき、時流に合わせたマネジメント方法ができる方が企業の将来性は担保されるでしょう。これからの会社を担っていく世代をマネジメントするかは重要課題です。その認識を持って一度今の状態を見直してみても良いのではないでしょうか。

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