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vol.032 ピクニックしながら英会話

娘が5歳ぐらいの頃から、島の子どもたちを対象に「英語で遊ぶ会」を開いている。

ひとりっ子の娘にお友だちと遊ぶ機会を作ろうと思ったことが始まりだった。小さい子どもを机に座らせ英語のお勉強をさせることに抵抗があった私は、友人や知人に「もし自分が子どもだったら、どんな英語教室に通ってみたい?」と聞いてまわった。その中でアイディアをもらったのが、「ピクニックしながら英会話」というものだった。これは大人でも楽しいと思った。せっかく竹富島のような自然豊かな環境の中で育っているのだから、その中でのびのびと遊び感覚で英語に親しんでほしいと思っていたので、ピクニックをしながら英語のレッスンができたら素敵だろうなとワクワクした。何をするにしても、自分がワクワクしたり楽しいと思ったりしないと続かない。

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竹富島の保育所は基本4時半お迎えで、その後子どもを預けられる公共の施設などはなく、夕飯までのこの時間帯はどの家族も子どもと過ごすことになる。忙しいお母さんやお父さんにとって、もし1週間に1度でもこの時間帯に罪悪感なくゆっくり過ごすことができたら心が休まるだろうなと思った。私も母としてそんな時間がずっと欲しいと思っていたので、保育所へのお迎えと家までの送り付きの会にした。

今では娘は大きくなり「英語で遊ぶ会」には参加しなくなったけれど、引き続き週に1回ずつ、保育所の子どもたちと、小学生の子どもたちが通ってきている。上手く子どもたちとコミュニケーションが取れず失敗してしまうこともある。子どもたちは正直だから、つまらなかったらそれまでだ。毎回いろいろなことを教わっている。当たり前のことだが、子どもたちの性格や個性はそれぞれ違う。得意なことや苦手なことも三者三様だ。個性豊かで自由な子どもたちの意識をまとめてリードすることは難しいけれど、1つのことにみんなで取り組んで「楽しい」の気持ちを共感できたときは喜びを感じる。

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仕事が忙しくてイライラしている時も、思うように作品が作れずに悩んでいる時も、友人や知人ともめた時も、家族内に問題が起こった時も、そんなことはお構いなしの子どもたちに何度となく救われてきた。無意識に閉め切った心の窓を何の遠慮もなくバンっと開けはなち爽快な風を笑い声にのせて送り込んできてくれる。

日中はまだ夏のような八重山だが、夕方にはようやく秋の気配を感じさせてくれる少し涼しい風が吹くようになった。さあ、ピクニックシートを持って、英語の絵本とアルファベットカードとオヤツのビスケットやフルーツの入ったバスケットを持って夕日の見えるビーチへと出かけよう。

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