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スタートアップのメンタルヘルスケア①~個人編~

 みなさんこんにちは。インターンの齊藤です。最近は夏野菜がおいしくて、特にトマトときゅうりがいくらあっても足りません。

 私は現在看護学部4年生で、数々の実習を乗り越えながらなんとかここまできた看護学生です。
 そんな私が今回は、昨今注目が高まりつつあるメンタルヘルスに関する情報をお届けしたいと思います。
(学生のため、至らないところもあるかと存じますが、もし医療専門職の方々でなにか気づいたところがあればコメントいただけると幸いです。)

皆さんは日頃の生活を振り返ってみていかがでしょうか?

・ついつい深夜まで資料作りをしてしまい寝不足
・なんとなく甘いものやごはんをドカ食い
・仕事が忙しい時に限ってミスをしてしまう
・なんとなくいつもイライラしてしまう
などなど

 当てはまる行動はありませんか?
 もしかしたら、ストレスが溜まって行動に現れているかも知れません。
疲れているときや忙しいとき、働きすぎてしまうときこそストレスにアプローチして、自分に合った対処方法を行っていきましょう。

 働く人の過労やストレスが問題視される現代において「健康的に働きたい」という思いはすべての労働者に共通するものではないでしょうか。
事 業規模の大小関わらず、スタートアップにおいても労働者のメンタルヘルスケアの推進は必須です。企業の経営にとって労働者のメンタルヘルス不調は、大きな損失や業績悪化につながるため、早めの対応が必要となります。

 今回は前編としてメンタルヘルスケアに興味はあるけどなんとなくわからない経営者、働きすぎてしまう個人向け、厚生労働省が出している労働安全衛生調査(実態調査)結果からわかる日本のメンタルヘルスの現状から、個人でできる基本的なメンタルヘルスケアについて解説していきます!

 後編では、メンタルヘルスケアに積極的に取り組みたい経営者や管理監督者、総務人事部門の担当者に向け、チームでできるメンタルヘルスについて解説していきます。

ーはじめに

 厚生労働省から、「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」が公表されました(令和4年7月5日公表)。
 令和3年においては、事業所が行っている安全衛生管理、労働災害防止活動及びそこで働く労働者の仕事や職業生活における不安やストレス、受動喫煙等の実態について、常用労働者を10人以上雇用する民営事業所から無作為に抽出した約14,000事業所・約18,000人を対象として調査が行われました。

調査の中で、
過去1年間(令和2年11月1日から令和3年10月31日までの期間)にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合

令和3年調査
A休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所 B対象者がいなかった事業所

 この結果から、今回の調査で回答した事業所全体の労働者のうち、約10人に1人が、メンタルヘルスの不調により連続1ヶ月以上の休業もしくは退職したことを示しています。労働者数30〜49人の事業所では9.2%と全体と比較して大差ない値でした。労働者数が少ない事業所の方が、一人あたりのメンタルヘルスの不調が事業所やチーム全体に与える影響が大きくなると考えられます。

また、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は

令和3年度調査
Aメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合 B取り組んでいない事業所の割合

 この結果からメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は労働者が50人以上の事業所では94.4%と高い割合でありますが、労働者数30〜49人の事業所では7割、労働者数10〜29人の事業所では5割を切っているのが現状であり、労働者数が少ないほど事業所ごとにメンタルヘルス対策に差があることが考えられます。

 労働者数が50人未満の事業所では、事業所全体で労働者一人ひとりに対して対策を投じる人為的金銭的に余裕があまりないことも考えられますが、労働者数が少ないほうが事業における労働者1人の役割は大きくなり、労働者一人あたりのメンタルウェルネスが事業・会社全体に影響すると考えられます。
 事業規模がまだ小さいときほど、マネジメントも個人である程度行う必要が出てくるので、個人でのメンタルヘルスもマネジメントの要素として今後も必要な能力の一つになっていくのではないでしょうか。

 さらに、厚生労働省が出している精神疾患を有する外来患者数の推移(疾病別内訳)を見てみると、精神疾患を有する患者総数は年々増加していることがわかります。なかでも、気分(感情)障害・神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害を持つ方の割合が増加していることがわかります。いずれの疾患も強いストレスなど精神的に強い負荷が加わることによって発症することの多い疾患です。

精神疾患を有する外来患者数の推移

 これらのことから、様々な精神疾患を発症する前の個人のメンタルヘルス・メンタルウェルネスはとても大切なセルフケアの一つであると考えることができます。

ーストレスへの気付き

 メンタルヘルスがとても大切だと話してきたのですが、メンタルヘルスの不調は何から引き起こされるのでしょうか?

厚生労働省は、メンタルヘルスの不調を以下のように定義しています。
“精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むものをいう”

 このことからメンタルヘルスケアはストレスや強い悩み、不安などの軽減や個人に合った対処法を取ることであると言えます。

 心の健康づくりにおいて、労働者自身がストレスに気付き、これに対処するための知識・方法を身に付け、それを実施することが重要です。

 ストレスによる反応は、人それぞれですが、おおまかに心理面、身体面、行動面の3つに分けることができます。

心理面でのストレス反応
不安や抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)、イライラ、意欲の低下、集中力の低下など

身体面でのストレス反応
入眠障害(寝付きが悪い)や中途覚醒(夜中に目が覚める)などの不眠、易疲労感、頭痛や肩こり、腰痛、目の疲れ、めまいや動悸、腹痛、食欲低下、便秘や下痢など

行動面でのストレス反応
飲酒量や喫煙量の増加、食欲亢進(ドカ喰い)、ひきこもり、欠勤や遅刻の増加、仕事でのミスやヒヤリハットの増加など

 適切にストレスへの対処がなされている場合には、これらのストレスの反応はしだいに低下・改善していきます。
 しかし、長く続く場合には、過剰なストレス状態に陥っているサインかもしれません。普段の生活を振り返り、ストレスと上手に付き合うための方法を工夫してみたり、専門医(精神科、心療内科)に相談することをおすすめします。

ーストレスへの対処行動

 ストレスというとネガティブなイメージをもたれがちですが、ストレスそのものが悪いわけではありません。ストレスとは、簡単に言えば緊張と弛緩でいうところの緊張です。同じような状況に対しても緊張(ストレス)を負担に思うか、個人的な挑戦の機会と見なし成長や達成感、自信に結びつけるのか、捉え方は人により異なります。
 また、同じ人でも年齢や仕事の経験年数、周囲の環境などによって捉え方は変化します。物事の捉え方、感じ方は、ストレスへの効果的な対処法にも影響します。
 ストレスに対処する行動をストレスコーピングといいますが、ストレスに悩まない人たちは「コーピングがうまくいっている=ストレスにうまく対処している」といえるでしょう。

ストレスへの対処行動の分類

問題焦点型
ストレスの原因に対して、自分の努力や周囲の協力を得て解決しようとする。解決できない場合に、ストレスとなる要因を避けるような回避行動も含む。

情動焦点型
解決方法がない場合に、怒りや不満、悲しみなどの感情を表出する感情発散型と、誰にも話さずに心の中に抑圧する感情抑圧型がある。

認知的再評価型
ストレスの原因に対して、見方や発送を変えたり、距離を置いたりするなど認知の仕方を変える。ポジティブシンキングとも言われる。

社会的支援検索(または要請)型
周囲にアドバイスを求めたり、信頼できる人に話すことで気持ちが楽になり心理的安定を得られるようになる。

気晴らし型
運動や趣味などのいわゆるストレス解消法により気分転換やリフレッシュを図る。日々のストレス解消に有効である。

ー個人でできるストレスへの対処法

・他者への相談
 まずは、1人で抱え込まずに、身近な家族や同僚、友人に不安や悩み、
ストレスを感じていることを話してみましょう
 専門家でなくても誰かに話すだけで、気持ちに整理がついたり、ストレスを発散したりできます。特にアドバイスを受けていなくても、「うん、うん」と聞いてもらうだけで、ずいぶんと気が楽になります。また話すことで、頭の中が整理され、自分で解決の方向性に気付くこともあるでしょう。
 仕事のことで行き詰まった時や悩みがある時には同僚や上司に相談できればいいのですが、難しい場合もあるかと思います。相談窓口を設けている職場もありますので、皆さんの職場の相談窓口を確認してみましょう。
 公的な機関でも無料の相談窓口を設けており、専門家からアドバイスを受けることができますので、利用してみてください。心身の異常が続くようであれば、医療の専門家への相談が必要となってきます。

・ストレス対処の「3つのR」
 ストレスは、気付かない間にも蓄積していきます。心身が疲れ切ってしまってからでは、なかなか回復は難しいものです。日頃から「3つのR」を取り入れ、適度に休みを取って早めに対処しておくことが、ストレスが引き起こす病気の予防にもつながります。
レスト(Rest):休息、休養、睡眠。
 オンとオフを切り替え、休息をしっかり取ることが重要です。 また、仕事中でも席を立って歩く、コーヒーを飲むなど、疲労が蓄積する前に意識して短い休憩を取ることも効果があります。
レクリエーション(Recreation):運動や旅行、ガーデニングのような趣味・娯楽や気晴らし。
ストレスを発散させる趣味を持つことは大事です。1週間に1時間程度でもレクリエーションの時間を取り入れ、好きなことに打ち込むことで日々のストレスから意識をそらせるように心掛けましょう。
リラックス(Relax):ストレッチ、瞑想や音楽、アロマセラピーなどのリラクゼーション。
 呼吸を落ち着かせたり、筋肉の緊張を解くなどの精神を安定させるリラクゼーション方法を取り入れましょう。また、家族や親しい友人との団らんなど、緊張を解きほぐす時間を持つことも大切です。

・健康的な生活習慣
 うつ病や抑うつ状態の発症には、生活習慣も影響するといわれています。米国・カリフォルニア大学のブレスロー教授は、生活習慣と身体的健康度(疾病や症状など)との関係を調査した結果に基づいて、以下の「7つの健康習慣」を提唱しました。健康的なライフスタイルはセルフケアの基本となります。自分のライフスタイルを見つめてみてください。

<ブレスローの7つの健康習慣>
1,7~8時間の睡眠を取る
2,朝食を必ず食べる
3,間食はあまり食べない
4.標準体重を保つ
5.適度に運動を行う
6,タバコは吸わない
7,適正飲酒を心掛ける

参考文献
・令和3年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況
報道発表資料:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r03-46-50_houdou.pdf
概況:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r03-46-50_gaikyo.pdf
・日本看護協会 個人での対応(セルフケア)
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/safety/mental/kojin/index.html
・厚生労働省 労働者の心の健康の保持増進のための指針|厚生労働省(PDF資料)
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/roudou/an-eihou/dl/060331-2.pdf
・厚生労働省 第7次医療計画の指標に係る現状について
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000892236.pdf

 いかがだったでしょうか。
 何事においても体は資本、健康な体があるからこそ、様々な挑戦ができるのではないでしょうか。
 体だけでなく心の健康も大切にしながら、成長につなげていきましょう!

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担当:齊藤
2022年7月22日
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