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鉄道オタク社員が好きな路線や駅、今年注目の電車について語ってみた【前編】

来月は待ちに待ったゴールデンウィーク。
旅行などの遠出の予定を立て始めているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

旅行の時、食事や宿など特に楽しみにしている部分がそれぞれにあると思います。
そんな中で今回は、「鉄道」が好きで、電車のために旅をしている「鉄オタ社員」を集めて座談会を開催してみました!

※開催日:2024年2月27日


メンバー紹介

Iさん

神奈川県平塚市で生まれ、小学校は北海道札幌市、中学生以降は福岡県で過ごす。今は乗り鉄だが、撮り鉄だった時代も。
鉄道好きになったきっかけは、”時刻表”。
小学校時代に札幌から祖父の家があった網走に行く際にも携えていた。
それを眺めて妄想する小学生時代を過ごしたそう。

―分厚い時刻表ですよね!

Iさん「そうですそうです。地名で漢字を覚えて、『この駅でこの電車に乗り換えて目的地まで行ったら料金いくらだろう』みたいな計算もするから、算数国語社会の全部を勉強できるっていう(笑)」

―たしかに、頭よくなりそうです(笑)

「撮り鉄」時代だった時のお写真。かっこいい!



Mさん

広島県福山市出身。
鉄道好きになったきっかけは、高校時代に東急電鉄・中延駅の駅員さんに恋をしていたこと(!)。
就活時代には鉄道会社も受ける。


Mさん「わたし指差し確認をしたかったんです。それですべての鉄道会社を受け、全部落ち。マイナーな鉄道会社も全部受けたんですけどね(笑)。旅行も鉄道で行く方が好きです」

―恋のエピソードも、どんな結果になったのか気になります!(笑)

Sさん

埼玉県浦和市(現在のさいたま市)出身。
鉄道好きになったきっかけは出身浦和にあるようで…?


Sさん「乗り物に興味を持ち始めた小学生の頃に、浦和駅辺りの線路をみんなで見ようぜって自転車で行ってたんですよ。今だったら全国津々浦々新幹線が発展しているけど、当時1970年代ぐらいだったのでまだないわけで。
だから、浦和を通る東北本線が東日本の大動脈だったと思うんです。ひっきりなしに特急電車が走っていて、学校帰りの夕方とかに行くと青森に行く特急が来たり、新潟に行く急行が来たり、長野に行くのが来たり。
バラエティに溢れるたくさんの列車が走っていた時代だったんで、それが楽しくて楽しくてずっと線路にへばりついてみんなで見てるような感じでした」

ー1か所で色々な種類の電車が見れて楽しそうです!

Sさん「そう。夕方になると駅前の交番からお巡りさんが来て『帰りなさいよ』って言われるんだけどなかなか帰れなくて最終的に怒られて帰るっていう(笑)。

あと当時は全国で夜行列車が走っていたので、夜に上野駅とかに行くといろんなところに向けての列車が通るんですね。だから夜行列車に乗っていくらでも旅ができた時代なんです」

ー「上野発の夜行列車」ですね(笑)

Sさん「中学生だと、学割で1つのエリアが乗り放題になる周遊券があって。そのエリアがものすごく広くて、北海道だったら北海道全体で1エリア、東北だったら郡山から青森までで1エリアになっていたから、そのエリアの中だけで夜行列車に乗って、旅ができたというか、生活ができたんですよ (笑) 。
だから例えば東北で言うと、福島と青森を往復してるだけで10日間くらい宿にも泊まらず生活できちゃうんです。っていうので、冬休みとか夏休みに北海道とか、東北とかで何日間も外出してそういう生活を送るっていう(笑)」

―楽しそう!ですけど中学・高校の時にやられていたのではすごいです!

実際の東北周遊券!スタンプラリーのように各地で下車した記録が押されていますね!



Zさん

長野県飯島町出身。
実家近くにJR飯田線の名所「田切のΩカーブ」があるなど、電車を見ながら育ったことが鉄道好きのきっかけに。
最近は貨物列車を見に行くのも好き。

―飯田線と検索したら「秘境駅を巡る路線」というような見出しが出てきました。

Sさん「飯田線ってものすごい駅の数があって、なんだこれはって思うんだよね(笑)」

―たしかに結構駅数が多いですね(94駅!)。いつか乗ってみたいです!
続いて、印象に残ってる好きな鉄道についてもお伺いしていきたいと思います。

▲「田切のΩカーブ」の田切駅。

印象に残っている鉄道は?


ーみなさんの好きな鉄道・印象に残っている鉄道を教えてください。

Iさん「僕は『サンライズ』ですね。最近は福岡に帰る時にサンライズに乗って帰りますね。出雲市駅まで行って、そこで朝お風呂入って、一時間半後の特急『スーパーおき』に乗って新山口まで降りていって、そこから新幹線で福岡に帰るっていうのが基本的な帰り方です」

―え!それってけっこう長旅じゃないですか?

Iさん「遠いですね(笑)。朝10時ぐらいに出雲市に着いて、11時半のスーパーおき号に乗って14時ぐらいに新山口に着く。そこから新幹線なので、結果前の日の21時半に出て福岡に着くのが次の日の夕方5時とかですね」

―丸一日かかってますね!『スーパーおき』は日本海側をずっと通っていくんですか?

Iさん「日本海沿いを2〜3両の列車で走って。益田駅(島根県)からは南に降りてくんですよね」

―いいですね!お好きな列車は『サンライズ』ということでしたが、以前までも夜行列車は乗っていましたか?

Iさん「乗ってました乗ってました!渋いところでいうと『日本海』(2013年運行終了)っていう大阪から青森まで行く夜行列車とか、あと『トワイライトエクスプレス』(2016年運行終了)ですね。それも大阪から札幌まで行く路線で。フランス料理のフルコースとか食べられたり」

―すごい。豪華ですね!

Iさん「でも『サンライズ』もシャワーついてるし、全部個室だし。乗れるんだったら今乗ったほうがいいと思いますね。一番いいシングルデラックスは、机と椅子もあって洗面所も自分用のもあるし」

サンライズ車内。飲み物をたくさん買い込んでいる様子が見受けられます(笑)

―ほかに印象に残っている路線はありますか?

Iさん「北海道のおじいちゃん家が、もう今は廃止になった湧別(ゆうべつ)駅っていうところにあったんですね。そこは電車が朝7時台と夕方5時の1日2本しか走っていなくて。それに乗ってサロマ湖の脇をずーっと通って、映画を見に網走に行ったりとかしていたので印象に残っていますね。すごく風光明媚な、THE・ローカル線みたいな感じでしたよ」


―たしかに海岸沿いで綺麗そうですね。でもそっか、なくなっちゃったんですね。乗る人が少なかったんですかね?

Iさん「もう圧倒的に少ないですね。でも、湧別駅の最後の時刻表は僕がもらったんです。おじいちゃんが役場の人だったから『お孫さん好きだったよね?これあげて』って言ってくれたんですよ」 

―すごい!プレミアですね。

Sさん「僕も(湧網線)廃止の日に乗りましたよ」

一同「すごい!」

―その時は人が殺到したんじゃないですか?

Sさん「ものすごかったですね、鉄道のファンだけじゃなくて地元の人も来てて。僕があのときに涙を誘われたのが、キヨスク(売店)で勤めていた店員さんが自分が全然乗ったことがなくて最終日に初めて乗れるって言ってて、その乗った電車から自分の勤めていたお店が見えたけど、もうそのお店も無くなっちゃうっていう話で。

―わ…話だけで泣けそうです。電車ってそれぞれ思い出があるから廃線になる時はすごく切ないですよね…。Mさんはいかがでしょうか。

Mさん「私はもともと広島に住んでいましたが、親戚が東京にいたのでその当時はやっぱり寝台電車で行くのが楽しかったっていうのはありますよね。あとは、青春18きっぷで回った時は五能線(秋田県東能代駅〜青森県川部駅)の景色がすごく綺麗だったっていうのをすごく覚えていて、またいつか乗りたいなと思っています。あと、さっきIさんがおっしゃっていた島根の宍道湖らへんの2両列車での旅も楽しかったですね」

―やっぱり海沿いの列車は景色が本当に綺麗ですよね!広島はどのあたりのご出身だったんですか?

Mさん「広島の、福山です」

―そうなんですね。じゃあ岡山県寄りの広島なんですね。

M「そうですそうです。だから昔会社に『広島県人会』っていうのがあったんですけど、福山市民はちゃんとした会員としては認められてなくて、準会員としてしか認められなかったっていう。方言がやっぱどちらかというと違うんで(笑)」

―そんなぁ (笑) !
Sさんはいかがでしょうか。

Sさん「『海なし県埼玉』で育ったっていうのもあるかもしれませんが、やっぱり車窓から海が見えるっていうのがすごくいいなあと思って。昼間ちょっと居眠りしながら、海が見るところを走っていくっていうのがすごく大好きで。
“はるばる来たな”って感じるので言うと、北海道の釧路から根室に行く花咲線(根室本線のうち、釧路駅〜根室駅間の愛称)がね、ものすごく雄大な景色があり、海があり、湖も見えてって感じでTHE北海道っていう感じなんだよね」

一同「(写真を見て)すごい!大自然!」

Sさん「すごい綺麗ですよ」

―よくここに線路を敷いたな!って感じですね。

Sさん「あと東北で好きなのは、羽越本線(新潟県新津駅〜秋田県秋田駅)ね。新潟の村上駅辺りからずっと海沿いを走っていて。六角精児さんみたいに飲みながら行くとすごく気持ちいいんだよね(笑)。

太平洋側で言うと、八戸線(青森県八戸駅〜岩手県久慈駅)っていうのがあると思うんですけど、これは八戸から終点が久慈っていう、朝ドラの『あまちゃん』の舞台だったところをつなぐ線で。そこから先、さらに三陸鉄道っていう路線に繋がってたり。太平洋側だから(日本海と比べて)海の感じが違うんだよね」

―「あまちゃん」での三陸鉄道のシーンは印象的です。

Sさん「そうですよね。僕は震災前と震災後どちらも行ってるんですけど、震災後はやっぱり爪痕が結構辛いものがあって、でも海は昔と変わってなくて自然ってすごく残酷だなと思ったりとかね。
でも一番好きなのは…鶴見線ってみなさん行ったことあります?」

Mさん「はい!行ったことあります」

Sさん「そこの終点に海芝浦っていう駅があって、もしかしてMさんもここに行ったの?」

Mさん「父親が新芝浦で働いていたのであります(笑)」

Sさん「あぁ、そういうことね(笑)。海芝浦って駅は下りた先が東芝の工場と直結してるんで、工場の関係者以外はどこにも行けないっていう駅なんです。だから工場に行く人以外は乗らない路線なんですよね。だけどすぐ前が海になっていて、前に鶴見つばさ橋っていう首都高も走ってる。夜景も綺麗だし、昼間ものんびりできて、首都圏にこういうところがあると思うと面白いですね」

海芝浦駅。本当にすぐ隣が海です!

―東京近郊でもそういった景色が楽しめる駅があるんですね!「車体自体が好き」というものもありますか?

Sさん「山陰本線もそうだし広島辺りにも113系があったりと、国鉄時代の電車がまだ生き延びている路線があって。
今風の、液晶画面があってステンレスの車材でピカピカしててっていう感じじゃなくて、すごく重厚っていうかレトロな感じで。窓を開ける感じとか、車両を移るときの貫通扉の感じとかがいいんだよね。音とか空気とか匂いとかっていうのが、子どもの頃乗ってた時の感覚が蘇るんだよね。でもこれも、もうしばらくしたら乗れなくなっちゃうかもしれない」

ーレトロ車両、いいですね!

Sさん「だから旅してて、なんか(車体が)古いじゃんっていう風に感じた時には、だいたい車両の端っこに車体の番号といつどこで作られたかってプレートがあるんですけど、そういうのを見て自分が生まれる前にできたやつなんだ〜とか思ったりしてね」

Iさん「全部の電車、東京メトロとかにも載ってますよ」

―そんなプレートがあるんですね!今度見てみよう。

実際の表示。

Sさん「これ古いな~レトロだよな〜って思う電車はもう時間の問題でどんどんなくなっちゃうから、乗れるうちは乗ったほうがいいと思いますね」

―ありがとうございます。Zさんはいかがですか?

Zさん「一番印象に強いのは予讃線ですかね。
JR四国にバースデイきっぷっていうのがありまして、誕生日の月だと3日間乗り放題なんですよ。で、それをうまいこと組み立てると、JR四国が切符だけで完乗できるという。それを携えて行ったんですけど、『いしづち』っていう松山行の特急が倒木に突っ込んで運転が打ち切りになっちゃったんですよ。伊予西条駅にいた時に運転打ち切りになって、大幅に予定が狂って(JR四国を)完乗できなかった思い出があって(苦笑)。その次の年にリベンジに行きました」

―それは悔しい!この辺の路線も海沿いですよね。

Iさん「上りと下りで海線と山線があるんですよね?」

Zさん「そうですね、完乗するには両方乗らないといけなくて」

Sさん「土佐くろしお鉄道とかは乗ってないの?」

Zさん「くろしお鉄道も、宿毛までは行きました。宿毛とあと、ごめん・なはり線(土佐くろしお鉄道 御免駅〜奈半利駅路線の愛称)行きました。四万十川沿いの予土線とかも。江川崎っていうところでしばらく停車するのでそこで下車して駅の周りぶらぶらした記憶がありますね」

リベンジした際のJR予土線 江川崎駅にて。
このあと宇和島→海線・山線乗車を経て松山で完乗!

―他のエリアで思い出に残った列車はありますか?

Zさん「JR東海は、行き止まりの路線がちらほらあるんですよ」

Sさん「名松線(三重県松阪駅〜三重県伊勢奥津駅)?」

Zさん「そうですね、そういう線は印象に残っています」

名松線 伊勢奥津駅。
こちらは、Sさん中学時代のお写真!

―行き止まりになるような何かが奥にあるんですか?

Zさん「何もない(笑)」

一同「(笑)」

Zさん「でも終着駅にSL時代の給水塔とかが残ってたりとかはしますね」

―すごい。行き止まりの線ってロマンがありますね。

Sさん「行き止まりは時間食うから大変なんですよね。だいたい乗ってた電車がすぐ戻るんで。でもそれだとすぐ帰らなきゃいけないから」

―そうですよね。散策するとしたら次の電車待たなきゃいけないですもんね。たしかにこうやって地図を見ていると意外と行き止まりの線ってあるものですね。

こうしてお話を伺うとほとんど乗り尽くしているように思えてしまいますが、乗ったことない電車はあるんですか?

Zさん・Iさん「いっぱいあります(笑)」



前編はここまで。

明日は鉄道好きの社員が乗ってみたい路線や、鉄道旅の魅力について語った後編をお届けします!

(取材・文 タンタン)


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