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「2030年の東京」を読んで

「2030年の東京」読了致しました。不動産プロデューサーである牧野氏と、「未来の年表」でお馴染みの河合氏のおふたりが、2030年の東京における予測と課題、提言をセットにアツい対談を繰り広げている本です。文庫本200ページ未満、半日もかからず読み終えるのに、内容が濃密でついつい夢中で読み進めてしまいました。

仕事、家族、街、暮らし、老後の章にわかれています。どの章も旧来の社会における価値観の転換が必要と説いていて、特に東京における社会のあり方を変える必要があると。

終身雇用からジョブ型雇用への変換。特にこの数年のコロナ禍でリモートワーク化し、記憶に新しいサントリーホールディングス社長の「45歳定年」発言。これからの社会を生きるに必要な取り組みは、自分のジョブ機能を知ってみがくこと。

流動化するお仕事現場において、人生100年時代を生きるにはやっぱり適応力が必要なのだなと改めて実感しました。

どこに住むかの街作りの視点も、これからの人口減少時代に求められるコミュニティ作りは、少し前の時代のご近所互助関係の再生ということなのかな? と感じました。

自分だけでは解決できない、けれどもお金を出しても担い手がいない。そもそも歳を取ると収入も減る。「地域包括ケアシステム」が中学校管区単位で想定されていますが、少子化による小学校の統廃合が進むことで、これもどうなるか。人口が減り、無関心同志な関係の人たちの街は防犯にもよくないという。

そして手術は半年待ち? と想定される医療、介護分野における担い手の減少。鉄道沿線で駅ごとに機能特化したプランを提案されていて、なるほどと。街づくりとはすべてが計算、統合されて成り立つものなのだなと。

本の内容ではありませんが少し前、国土交通省の「国土のグランドデザイン2050 ~対流促進型国土の形成~」を知り、読みました。

その後でこの本を読んだので、見比べながら考察していました。

(出典:国土交通省)

そして老後資金問題。足りなければ「働く」、「資産運用」、「自分でできることを増やして家計支出を抑える」。特にこの最後の案は、自分でできることを増やし、コミュニティ内でスキルの交換をする、そんな提案をされています。

上記の本の内容で自分の頭に思い浮かんだのは地域通貨。ボランティアや活動を通してポイントを貯めて交換。東京都内でもデジタルも含めた地域通貨の取り組みが始まっています。これなら自分で関係構築をしなくても、地域における助け合いに行政が後押しし、活性化の可能性も感じます。

最後に2030年とは、さらなる少子高齢化の進んだ2040年に向けて舵を切るスタートとしており、今はその前段階。時代の転換期において何が課題で、何が求められているのかを整理できた本でした。他にもこのテーマで書かれている本がいくつもありますので、引き続き読んでいきたい分野です。

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