見出し画像

歌謡曲と最近の音楽の違いについて

私が歌謡曲に興味を持ち始めたのは年に数回テレビ東京で放送される「3秒聴けば誰でもわかる名曲ベスト100」がきっかけだった。この番組を親と一緒に見て、親から当時の話を聞いているうちに歌謡曲や昭和に流行した音楽に自然と興味を持つようになった。

歌謡曲を聞いていくうちに最近の曲にはあまり見られない特徴があるように感じた。それは、みんなが歌える点だ。最近はジャンルの細かい分類やSNSの影響でもっと身近になった海外音楽の影響もあり、みんなが歌える曲は明らかに減った。
若い世代には国内外のアイドル、バンド、そしてTikTokなどでバズった歌が流行しているが、親世代でその音楽を知っている人は少ない。

ジャンルの分類の細かさ以外にも、昭和から現在までの日本の音楽業界にはさまざまな変化があった。一つはサブスクの成長だ。昭和時代の日本はレコードやCDの売り上げと流行している音楽が比例していたが、今はそうとも限らない。

例えば昨年の「オリコン年間ランキング2022」のシングルCD売り上げを見ると1−24位をアイドルグループが占めている。だが、ストリーミングランキングを見るとシングルランキングで登場したアイドルグループはどれも登場しなかった。

だが、サブスクを解禁していないアーティストもいれば、逆にサブスクでのデジタル配信だけでCDを発売しないアーティストもいる。昔はシンプルにレコードやCDの売り上げを見ればどの曲が人気かが一目で分かったが、今はそう簡単ではない。


最近の 「みんなが歌える歌」

みんなが歌える、知っている曲がどんどんと減っていく中でも、数年前に発売された米津玄師の「Lemon」はそれを覆した思う。歌えなくても、多くの人が耳にしたことがあるこの歌は、なぜ、大きな話題になり、ヒット曲になったのか。
それは、歌謡曲の特徴があるからだと思う。

まず、昭和ポップスで使われたフレーズ Top 10 は:

  1. あなた

  2. もしも

  3. 好き

  4. さよなら

  5. ふたり

参考:「昭和ポップス」と「平成ポップス」の差〜第3弾


米津玄師の「Lemon」の歌詞にはそのうちの6つのフレーズが登場する。それは:

  • あなた

参考:「Lemon」歌詞


米津玄師が意図的にこのフレーズを歌詞に使ったか否かはわからないが、このフレーズによって歌謡曲の特徴でもある悲しさや切なさを表現することができたと思う。歌詞自体はだれも避けて通れない死と、死別し残された者のことを歌っているので、老若男女問わず、多くの人に響く歌詞だったのがヒットにつながったのかもしれない。米津自身、YouTubeの動画でこの歌の曲調についてヒップホップと日本の歌謡曲のハイブリッドだと説明していて、歌謡曲の影響を受けたとコメントしている。(以下の動画、17分45秒)

米津玄師が歌謡曲の影響を受けたように、最近の昭和レトロブームなどの影響もあり、若い世代にも歌謡曲や昭和時代のヒット曲や人気歌手の知名度も上がったと感じる。自分自身もここ数年で歌謡曲や昭和ポップスなどを聴くことが多くなり、特に中森明菜、山口百恵、松任谷由実(荒井由実)、安全地帯などをよく聴いている。

なぜ今、若い世代に歌謡曲や昭和ポップスが人気なのか、そして当時の人気歌手、作曲家、作詞家について順々に投稿していきたいと思う。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました 😊

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?