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青野春秋を形成する作品〜マンガ編〜(前編)

もっとも多い質問で「影響を受けた作品」についての回答を前回記しましたが、その中でも私自身が漫画家としてもマンガ読者としても、特別に影響を受けた作品を紹介しようと思います。

それでもやはり、絞り込むのは難しいことなので15作品に限定し(全部あげるとキリがないので)悩みに悩み厳選したマンガを選出し、5作品ずつ三回に分けて紹介させて頂きます。

順不同での紹介なりますので「これが一番」とは自分でも決めることができないことをご理解頂けますと幸いです。

それでは、前置きが長くなりましたが始めていきます。

①『ドラえもん』/ 藤子・F・不二雄

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・国民的マンガなので未読でもアニメで観たりなど全く知らないという方はいないかと思います。
私にマンガの“おもしろさ“を教えてくれた作品と言っても大袈裟ではないと言えます。

藤子作品はF先生に限らずA先生の作品も好んで読んで来たので殆ど網羅していて、漫画家としても敬愛しています。
A先生の作品だと『まんが道』『魔太郎がくる!!』が特に好きです。
『魔太郎がくる!!』はオリジナル版以降は時代背景や内容の問題もあり改訂されまくりなので、ご興味のある方は是非とも過激で恐ろしいオリジナル版をオススメ致します。

F先生の作品だと『T.Pぼん』『オバケのQ太郎』『パーマン』『エスパー魔美』『21エモン』などが特にお気に入りです。

そして、特に外せない作品が『異色短編集』を代表とする短編作品です。
F先生の短編作品は「読まなきゃ損」と言えるほど傑作揃いなので未読の方は必読必死です。
超絶にオススメ致します。

さて、『ドラえもん』に戻りますが、ジャイアンが大活躍しがちな『大長編シリーズ』も大好きです。
『大長編シリーズ』に限っては、個人的に絶対的な一番があります。

シリーズの第5作目『のび太の魔界大冒険』
初めて読んだときの興奮を今でも昨日のことように覚えているほどに大切な作品です。

『ドラえもん』の話は書いても書いてもキリがないので、ご興味がありましたら前に書いた【『ドラえもん』と私】という記事を読んで頂けますと、より私の思い入れが伝わるかと思います。

②『ブラック・ジャック』/ 手塚治虫

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・言わずと知れた漫画の神様。
とんでもない数の残された名作の中から、ひとつだけ作品を絞るなら、私は『ブラック・ジャック』になります。

いち漫画家としても敬愛しているので殆ど作品を網羅している漫画家の一人でもある。
『火の鳥』『アドルフに告ぐ』『どろろ』『シュマリ』『陽だまりの樹』などなど名作を何作も残されたが、一番私が読み返している回数で『ブラック・ジャック』とさせて頂きました。

③『ゲゲゲの鬼太郎』/ 水木しげる

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・水木作品は『悪魔くん』『のんのんばあとオレ』『河童の三平』など、作品に限らず台詞回し、絵、マンガに対するスタンスを全てひっくるめて大好きです。
マンガはもちろん、エッセイも名著多数。

希少な作品もいろいろと手を尽くし収集し読んでコレクションしてきたが、後に刊行された完全網羅の全集も購入して大切にしている。

もし、許されるならば『ゲゲゲの鬼太郎〜青野春秋版〜』なら描いてみたいし、私以上におもしろく描ける漫画家はいないと自信を持って言いきれる。が、描くべきではない気持ちもあり大変難しく悩ましいのが本音ではある。う〜ん・・・で、あ〜・・・なのです。
これ以上語ると長くなりすぎるので簡潔にしておきます。

④『カムイ伝』/ 白土三平

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・他に『カムイ外伝』『サスケ』『忍者武芸帳』『ワタリ』など、忍者マンガと言えば私の中では白土三平が真っ先に出てくる。
さらに言うと、私が初めて読んだ劇画漫画である。
内容の時代背景や設定上、差別用語も多いがマンガの質に大きく関わるので、作品をそのまま今も簡単に読める作品ではないのが残念である。
白土先生の描く登場人物の魅力や生命の扱い方は他に類をみないので、白土三平作品に触れる触れないで、マンガ全体への印象すら変わると言っても大袈裟ではないくらい突き抜けた作家性を持つ漫画家の一人であると私は思う。

⑤『日本列島蝦蟇』/ ジョージ秋山

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・前出の白土三平と私の中で双璧をなす突き抜けた作家性を持つ漫画家。
『銭ゲバ』『アシュラ』『浮浪雲』『告白』『ギャラ』『ピンクのカーテン』『ラブリン・モンロー』『捨てがたき人々』など、パッと思い付いた作品タイトルを見るだけで、インパクトのある設定のマンガが多く、キャラクターも特徴的な人物が多い。

作品内でも独特なマンガ表現や台詞回しが多く、刺激的でおもしろいのだが、多くの作品の後半は読んだエピソードを繰り返しの同じ内容になりがちで、強引に感じるほど唐突な結末を迎えることが多い。が、作品を読めば読むほどに不思議とそれが魅力的で癖になり納得している自分がいる。

とは言え、結末までしっかり読みたい自分がいるのも事実なので、今回選出させて頂いた『日本列島蝦蟇』は結末まで熱量が維持されていて満足度がとてもあり大変お気に入りの作品である。
続編の『新・日本列島蝦蟇〜耳鳴りのする朝』の結末も好みで、両作ともよく読み返している。

※ 結末に限って言うならば『ピンクのカーテン』のラストもお気に入りです。

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中編へ続く

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