あの人が 願っていたこと 00

願いには　いろいろな形がある
この詩は　誰かの願いの物語から
湧きあがった直感を　絵にした記録

あの人の願いは
願いという　言葉から伝わる印象とは
全く逆の姿をしていた

あの人の願いは　いびつ

強く　深い　恨みが
源となって　突き動かしていた

なぜ　今になって　
やりたいことを　聞くのだ

あれはだめ　これはだめ　
と評価したじゃないか

なぜ　今になって　
求めるのだ

今まで　さんざん　
抑えつけてきたじゃないか

なぜ　もっと早く　
聞いてくれなかったのだ

そうすれば　いろんなことに　
取り組めたじゃないか

なぜ　なぜ　なぜ

恨みは　目を見開き　
何かを見つめる

その見つめる先に　あるのは
似たような誰かの　同じような叫び

そうだ　抑えつけなくていい
周りの声は　従うべき声じゃない

ほんとうの声を　聴くんだ

そこにもし　足を引っ張る手があるなら
払い除けよう

そこにもし　覆い隠すもやもやがあるなら
焼き尽くそう

そこにもし　尻込みする自分がいるなら
背中を押そう

願いは　解放されることを待っている

中身は　何だって構わない
自分の願いを　他人に評価させるな

願うことそのものが　
美しいのだ

さぁ　世界に　表現しよう

その願いは　
あなたのためだけではない

その願いが表現されれば　それを機に
誰かの願いを　呼び覚ましていくのだから

この絵は　願いの絵
願いの連鎖を引き起こす触媒の絵

歪形

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