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あの人が願っていたこと 33

願いには いろいろな形がある
この詩は 誰かの願いの物語から
湧きあがった直感を 絵にした記録

あの人は 
ずっと 急いでいた

目の前の 世界には
目に見えない 落とし穴がある

落ちたら おしまい
二度と 這い上がれない

少しでも 穴を塞がねば
良くして いかなければ

それが あの人は
自分の役割だと 考えた

何よりも 結果を求め
最短距離を 歩んでいこうとした

決して 子どもの頃から
そうだったわけではない

その気持ちが 根を張ったのは
家族が 病に倒れた時

あの人は 
世界に 裏切られたような
感覚になったのだ

世界は こんなにも 残酷なのか

自らに 鞭を打ちながら
傷つきながら それでも 

その世界を 変えるために 
前に前にと 進んできた

しかし 進路を進んでいた ある時
世界は 唐突に姿を変える

いや 世界が姿を変えたのではない
変わったのは あの人の主観だ

新たに生を受けた 我が子を抱え
無垢な瞳を 向けられたその瞬間

世界は 欠けていない事を 
その瞳に 教えられたのだ

私は 何を 
急いでいたのだろう

私は 何を 
変えようと していたのだろう

抱きしめた あの子に
あの人自身が 包まれた

その日から 景色が変わる
同じ世界を見ているのに 違う視界
心の中の焦りは 嘘のように消えた

だから あの人は 願う

眼前の世界に もう一度 身を委ね
この子との 日々を重ねていくことを

この絵は 願いの絵
もう一度 世界の優しさを信じる道を選んだ 祝福の絵

転回

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