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あの人が 願っていたこと 27

願いには いろいろな形がある
この詩は 誰かの願いの物語から
湧きあがった直感を 絵にした記録

あの人は 昔話から対話を始めた

あの人は 自分自身が生きる意味を
見出せていなかった

だから 人よりも優れていることを 願った

成果を出さなければ
結果を出さなければ

そういって 自分を追い込み
苦しさをバネにし 仕事を続けてきた

そうでなければ
この社会にいる資格がないと
ほんとうに 信じていたのだ

光のない 暗くて 重い世界

人生を変えたのは
1匹の犬との出会い

その子は 飼い主の都合で
飼えなくなってしまった子

年老いているが 人間が怖かった
当然のように あの人にも懐かず 脱走した

1回目の脱走は良かった
比較的 すぐに見つけることができた

しかし 2回目
あらゆるところに連絡したが 見つからない
最悪の結果を 想像した

なぜ 逃してしまったのか
後悔が 心を切り裂く

もう 会えないかもしれない
不安が 頭を支配する

そんな時 知り合いから目撃情報が入る
現場となった 公園で名前を呼ぶと
その子は 満面の微笑で駆け寄ってきてくれたのだ

その子は その日 初めて知った
あの人の 想いを

そして 気がついた 
人間を 世界を 信頼していいんだ

その子の 感情は 
あの人の心をも 揺さぶった

私も 優れていなくても
この世界にいて いいのかもしれない

自分のために 時間を使っても
いいのかもしれない

世界は 思っていたよりも
暗くはなく ずっと 明るくて優しかったのだ

だからあの人は願う
その子が 世界を愛したまま 
過ごしていけるように

この絵は 願いの絵
今ここにある世界の あたたかさを祈った仁愛の絵

萌芽

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