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あの人が 願っていたこと 23

願いには いろいろな形がある
この詩は 誰かの願いの物語から
湧きあがった直感を 絵にした記録

あの人は 
記憶を 思い返すように
話し始めた

あの人は 誰もが安心して
いられる場を つくりたい

迷う人 苦しむ人が
受け入れられるような
あたたかな場を つくりたい 

働く中で たくさんの人たちを
みてきた

迷い 苦しんだ人たちは
ひとりひとりと 職場を去った

何かが おかしい
あの人は そう思った

どうしたら 救えるのか
あの人の旅は そこから始まった

しかし その旅には
常に恐れと 共にある

自分は ほんとうに受容できるのか
受容したつもりで 傷つけやしないか

私が 関わりたい あなたは
私に 関わってほしいのか

自分の苦い経験が
警笛を鳴らす

けれど それは
相手を目の前にしてみなければ
わからない

相手に 一歩踏み込んでみて
初めて どんな状態なのかが
わかるのだ

恐る恐る あの人は 
目の前の人に 関わる

揺さぶられながら 
戸惑いながら

ひとりでも ひとりでも
受け止めていくために

この絵は 願いの絵
他者の赦しを祈った受容の絵

細波

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