原田将寛/ski researcher

東京大学大学院でアルペンスキー/スポーツバイオメカニクスの研究をしています。 アルペン…

原田将寛/ski researcher

東京大学大学院でアルペンスキー/スポーツバイオメカニクスの研究をしています。 アルペンスキー歴:11歳~現在(高校2~3年時は一時休止)、身体運動科学全般・スポーツビジネスに興味があります。 スポーツ現場と研究が双方向的に関係しあえることを目指します。

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アルペンスキーの競技特性を考えてみた

自己紹介以外で初の投稿はアルペンスキーがどんなスポーツなのか、大枠で見たときに感じることを書いていきたいと思います。 これを読んでいる人のほとんどはスキーに興味のある人だと思うので、そんなことかよと思う人が大半かもしれませんが、当たり前のことでも再度認識すると新たな視点が見えてくるかもしれません。また競技自体を知らない人にもわかるように書いたつもりなので、知るきっかけになれば嬉しいです。 ・競技特性とルールまず、競技特性面から見てみます。他のスポーツに比べて特殊なことが多

    • スキーを真上から踏むってどういうこと?-意識と事象の関係性-

      みなさんは指導者の方に「スキーを真上から踏め」とか「スキーにまっすぐ乗れ」のような指導を受けた経験はないでしょうか? 僕自身ありますし、他の方が話しているのも何度も聞いたことがあります。なんとなくイメージがつくものの ・何が起こっていることを指すのか ・どうすれば真上から踏めるのか はよく分かりませんでした。というよりも、その人が真上から踏むという言葉によって行おうとすること(意識)とスキーを真上から踏めていると評価される人に起こっていること(事象)には相違があるため、

      • アルペンスキーという運動の全体像②

        今週は先週の続きです。見てない方はこちら。 重心は身体の代表点のようなもの最初に重心のイメージについて説明しておきます。身体運動で言われる重心(質量中心)とは、力学で定義される重心です。細かい説明はここでは避けますが、重要な点をいくつかまとめると、 ・ヒトを頭部、胴体、下腿などに分けたセグメントごとにかかる重力を合成したものが働く位置(セグメントの質量と重力のかかる位置が分かれば算出可能) ・身体内部にあるものではなく、概念的存在 重心は身体の代表点(身体姿勢を一点に集

        • アルペンスキー-運動の全体像➀

          今回はアルペンスキーの運動に大きく関与する様々な要素がどのように関係し合うかを構造的に見ることで全体像を把握し、その中でも起点となるスキーヤーの動きを中心に見ていきたいと思います。 指導の場でコーチはパフォーマンスが上がるための様々なアドバイスをしてくれますが、基本的には競技者の動きに関するものが中心だと思います。これは外側からはっきりと目に見えるものであり、競技者自身の意識によって直接変えることができるものであるため、非常に有効な手段だと考えられます。しかし、アルペンスキ

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        アルペンスキーの競技特性を考えてみた

          スキー研究-現場とのつながり①

          私は今年の1月末に初めて、菅平パインビークスキー場にてスキーの運動測定をしました。 この測定では来年の修士論文で用いるためのデータを取得することを目的としており、できるだけレベルの高い選手のデータを求めていました。 そこで、私は中川岳志コーチに内容をお伝えし、練習参加している選手で実験に参加してくださる方がいらっしゃらないか尋ねさせていただきました。 すると中川さんも選手の方も快く受けてくださり、練習時間の合間を縫って参加してくださいました。大学トップレベルの選手や元オ

          スキー研究-現場とのつながり①

          スキー研究の実情

          今回は僕が一年と少し行ってきて感じるアルペンスキー研究の現在をお伝えしたいと思います。何を知りたいのか、どんなことが計測可能なのかをざっくりと話していければと思います。 何を知りたいのか今までスキーに関する研究ではどんなことが行われてきたのかを紹介していきます。 ・測定手法に関するもの スキーは特性上、一般的なバイオメカニクスで用いられている測定手法があまり適さないです。 バイオメカニクスの手法に関してはこちら↓ 例えば、動作を計測するには固定カメラを複数台用いること

          スキー研究の実情

          科学がどのようにスポーツ現場に貢献できるか

          今回は科学的知見(主にスポーツバイオメカニクス)がスポーツ現場にどのように影響を与えられるかを考えるために、スポーツ科学の雑感とバイオメカニクスはどんなことをしているのかを専門性をできるだけ省いて説明していきたいと思います。僕みたいなまだ研究を始めて間もないものがこんなテーマで話すのは大変恐縮ですが、何に対してアプローチしていて、何を変えていきたいのかを知ってもらうために必要なことだと思うので、そんなこと考えてるんだくらいに聞いてもらえればと思います。 スポーツ科学と呼ばれ

          科学がどのようにスポーツ現場に貢献できるか

          自己紹介

          こんにちは。 この度、自分の意見を文章にまとめ、色々な人と共有できればと思いnoteを始めることにしました。 まずは簡単に自己紹介をします。 自己紹介名前:原田将寛 何してるか:東大でスポーツバイオメカニクスを専門にする大学院生。対象はアルペンスキー。 競技歴:アルペンスキー(小5~高1、大学四年間) 出身地:栃木県那須塩原 趣味:スポーツするのと、観ること。アルペンスキー、サッカー、バスケ、野球。 こんな感じです。簡単に言うと、スポーツ(特にアルペンスキー)