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田中一敏・スポーツロボット研究者

私の経歴を紹介します(2019/01/21)。

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経歴

長崎生まれの熊本育ち。高校までは部活でサッカー、バレーボール、ハンドボールをやりました。大阪大学を卒業後、東京大学大学院で修士と博士を修了し、現在は東京大学で研究員をやってます。

研究の興味

スポーツアスリートのように俊敏かつ知的に動くヒト型ロボットはどのように実現できるかに興味があります。

スポーツロボットを実現する過程で、人間の心を読み、人間を喜ばせるロボットの作り方を調べることで、自身で何か作業が出来たり、どこかへ行けるようような役に立つロボットを作るだけでなく、「自分のことを完全に分かってもらえる」と人間が感じるようなロボットや、人間に愛されるようなロボット、人間同士が分かり合うための技術を開発します。

研究歴

大阪大学の卒業研究では、細田研究室で指導を受けました。

誰もが思うように恋愛するため、恋愛ゲームのキャラクターがユーザーに恋させるように、人間に恋させるロボットを作りたいと思い、今のロボットには何が足りないのかについて自分なりに考えました。結果、人間に恋させるロボットは人間と経験を共にし、思い出を作れなくてはならないと考えました。そのためには、ロボットは人間の行動に反応するだけでなく、主体的に、ロボットが自分の気持ちや考えに従って、世界を知覚して認識する必要があると思いました。

そこで、人間の重要な認知機能の1つである注意(attention)に興味をもち、両眼の視差に基づいて目を動かし、ロボットが注視行動をするアルゴリズムを研究しました。実験では、動くカメラを目をもつココロ社の空気圧ロボットヘッドを使いました。

修士課程では、國吉原田研究室で指導を受けました。

人間に恋させるロボット(当時は美少女メイドロボと呼んでいました)を実現する方法を模索しました。ロボットに意識をもたせることが重要そうなので意識の勉強をしたり、ロボット自身が発達して言葉を話す必要がありそうなので記号創発ロボティクスを学んだり、次々に経験を重ねるロボットには、身体図式や身体像が必要であると考え、その実装法を調べたり、ロボットが世界を認識するためにはマシンビジョンの一般物体認識、ロボットが喋るための自然言語処理、ロボットが自律的に学ぶための強化学習、環境が主体の行動を引き起こすアフォーダンス、その他ロボットを動かすための通信や設計など、色々調べたり学んだりして過ごしました。

そうして、人間に恋させるロボットを実現するためには、ロボットは人間と同型の身体、複雑で多数の筋と関節を有しなくてはならず、複雑な身体を協調させ、自身の欲求に整合した運動を生成し、人間環境と同等に複雑な環境の中で知能を発達させる必要があると考えました。特に、大きく変化する環境にすぐさま対応できるような身体の構造と運動の生成法、環境の変動や自身の運動に対する感覚入力の予期に基づいて運動を生成するアーキテクチャが必要であると考え、その代表的な例が、状況の変化に即時的に応答し、全身でダイナミックに運動するスポーツであると考え、スポーツロボットを開発しようと考えました。

スポーツロボットとして、古武術の達人である甲野善紀氏が行う巧みなワザの押し動作を再現する、ヒト型空気圧上肢ロボットを開発しました。

博士課程では、國吉新山研究室で指導を受けました。

不確定な状況変化に全身で即応する運動の代表例として、バレーボールのフライングレシーブを選択し、フライングレシーブを行うヒト型ロボットを開発しました。他にも、俊敏な全身運動を繰り出すためにロボットが身構えるためのアルゴリズムを開発したり、人間の全身を協調させる原理を調べるため、人間の立位での巧緻動作として、美容師のカット動作に作業姿勢が与える影響を運動計測と筋骨格シミュレータを用いて調べたり、生体の筋骨格系を昇華した筋骨格系ロボットの設計法や、生体関節の構造的機能の実装法について検討したりしました。

現在は、研究員として、様々なプロジェクトを進めながら、スポーツロボットの開発に取り組んでいます。その他、スポーツロボットに関連して、運動計測と解析による運動発達原理の解明や、遠隔操作を用いた筋骨格ロボットの学習法や、バドミントンロボットの開発を共同で研究しています。

note で書くこと

記事を書くことを通じてスポーツロボットの意義、関連技術、展望についてまとめていきます。

専門の研究者でない方に伝わるように書き、面白い、スポーツロボットを使ってみたい、スポーツロボットの実現に協力したいと思ってもらいたいです。

事業を興すことはスポーツロボットの実現に役立つと思うので、それについても考えて発信したり、意見を募っていきます。

参考

スポーツロボットのまとめ

フライングレシーブするヒト型ロボットの機構


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