ゼロから立ち上げる時に、最も有効なものは？

「スポーツに関わる“常識破り”の価値を広めて、常識にする」を胸に、仕事をしています。

この「スポーツPR　ミニミニ講義の実況中継」は
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「前例がない」「できるわけがない」「それはきれいごとだ」
などの声に負けずに挑戦している方に、ヒントになる考え方を伝えること
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を目的として、週に２，３本のペースで更新する

・スポーツ関連事業を行っている企業・組織で働く方
・スポーツ関連ビジネスの個人事業主
・現役アスリート、元アスリート

向けの短い講義です。
スポーツとは関係のない広報担当者から「スキ」をもらうこともあります。

なぜ、スポーツに関わる“常識破り”の価値を広めて、常識にしたいのか。
私はスポーツ記者を13年、その後、PR業に立場を変えて８年と、伝える仕事を20年以上続けています。その中で、言語化や仕組みづくりを進め、組織や個人が大切にしている理念が広まれば、“常識的にはありえない”ことも実現する場に立ち会ってきたからです。
例えば、私がかつて広報担当を務めた日本ブラインドサッカー協会は、前例のないスポンサーシップを行ったり、競技の価値を活かした教育プログラムや企業研修を開発し、言語化と仕組みづくりで、それらの価値が広まって、何万人もの人の心を動かすものとなりました。

この連載は、忙しいあなたが、３分以内で手軽に読んで変われるよう、ギュッと凝縮しています。価格以上の大きな効果につながる内容にしています。移動中に読んでもいいですし、定期的な学びの時間として使って頂いてもいいです。あなたに合うスタイルでお楽しみください。

今回のテーマは「ゼロから立ち上げる時に、最も有効なものは？」です。

組織や会社やプロジェクトをゼロから立ち上げたい。そんな時に、まず何から手をつけるべきなのか、わからない方がいるかと思います。

何かを始めようというからには、それなりのスキルを持っていたり、業界のことを分かっていたり、それなりの人脈があるかと思います。
しかし、それだけでは足りないのです。

組織や会社やプロジェクトが立ち上がって、続いていくことは、自分ひとりの力ではできません。
受け入れてお金を払ってくれる人を見つけていったり、ともに活動をしてくれる仲間や外部の協力者を増やしたりすることが欠かせないからです。
私自身が会社を立ち上げて、経営していて、日々感じていることです。

では、ゼロから立ち上げる時に、最も有効なものは何でしょうか。

それは、理念です。

理念とは、辞書の意味で言うと、「事業計画などの根底にある考え方」です。ビジネスで言うと、「こうあるべきというような、理想の考え方」を指すことが多いです。
もう少し噛み砕いて言うと、「われわれは、何のために存在するのか」を言葉で表現したものになります。「私たちは、これに向かって頑張ります」と旗を立てるようなイメージです。

理念を言葉にして、伝えていく。

そうすると、それに賛同してくれる人が仲間になってくれたり、取引をする相手になってくれたりします。

ゼロから立ち上げることも、他の誰かがやっていることに似ていたり、逆に、まったく前例がなくて、どんなものなのかわからないという課題に直面したりします。
その時に、理念が表現できれば、説得する材料や根拠になったり、共感してもらえるものになります。

人を動かす伝え方というのは、広報ＰＲの重要な役割です。
この有名な例が「Start with Why」という言葉です。サイモン・シネックという人がプレゼンテーションで有名なTEDの場で講演した内容から知られるようになりました。「人を動かす偉大な指導者や組織には、共通する思考パターンがある」というのが、このプレゼン骨子です。「なぜ」「どのように」「何を」という順番で語るのが、その答えになります。

ゼロから何かを立ち上げる時に、お金や実務的なことが気になるかもしれません。しかし、苦しい時に立ち戻れるところがあるというのが、続けていくには極めて大事なことです。
それはすなわち、理念を早い段階でしっかり考えて言葉にしておくことが、一見、遠回りに見えて、極めて有効です。