スポーツ審判はドM多い説

バスケットボールのレフェリーを本格的に初めてもう5年くらい経つだろうか。

初めは割合と不純な動機で始めたレフェリー活動ですが、今は楽しくてライフワークの一部になってしまいました。

昨今のコロナ騒動でスポーツというスポーツの試合は中止になり、プレイヤー、コーチはもちろん私たちレフェリーも活動する場がなくなってしまいました。

それにしても夢を持ち最後の大会に焦点を絞り、練習を続け、精進してきたであろうプレイヤーを思うと言葉が出ません。

安直に「人生これからだから、何事も経験だよ。」なんて言葉もかけられない。

人生かけるレベルで努力をしたことのある人間だったらこの虚無感や喪失感にはあまり軽率に触れないほうが良いことを知っています。



少し話が脱線してしまいましたが、Dr.Tです。

普段はスポーツをする子供を持つ保護者の方や指導者の方に今までスポーツのコーチングに携わって得た知識や経験を基とした考察などを知って頂きたくnoteを始めましたが、今回は趣味でやってる審判のお話です。もしよろしければ最後までお付き合いください。



1.審判はつらいよ

「男はつらいよ」みたいなタイトルになってしまいましたが、職業病なのかいろんなスポーツを見ていても気付くとレフェリーに目がいってしまうのですが、改めてバスケットボールのレフェリーはフィットネス的にもメンタル的にも辛いなと思うのです。

他のスポーツでもそうなのですが試合で何もないのが当たり前。

何か間違いがあればコーチやプレイヤーにバッシングされ、時に会場の観客からもブーイング。会場の自分以外が敵になったような気分に陥る。

小さな町の大会の保護者の放つ「何あの審判?!」の一言だって傷つくんだぜ(泣)

そしてスムーズにゲームが進行したとしても対して褒められることもなく、寧ろ担当者からダメ出しをされ、雀の涙ほどの手当を受け取り、寂しく帰りの途につく。1試合、場合によっては2試合プレーヤーと全力で走った体はもちろんボロボロである。


こんな事を好きでやっているような人間はドMに違いない!


いやしかし2018年にレフェリーが殴られる事件が発生したときは正直ちょっと

そういう痛みはいらない…

と心で思ってしまった…



2.体がつらい

サッカーやラグビーの審判も走る距離でいうとかなり過酷そうですね。

バスケットボールは距離は短いかもしれませんがトランジション(攻守の切り替わり)が多いので全力疾走している時間は試合通してかなり長そうです。

私はカテゴリー的に一般(大人)の試合を担当しているので、シーズンが来ると小中高校の試合に派遣されるのですが、高校生の試合が1番キツい。

おじさんの体には応えます。

試合時間も一般のルールと同じなので10分×4Q。

暑い時期で蒸し風呂状態の体育館だとマジ地獄です。

サッカーのレフェリーの方は足がつったりするみたいですが、バスケットボールはどちらかというとアキレス腱が切れることが多そうです。

知り合いのレフェリーでも2名ほど試合中にアキレス腱を切った方がいますが、不意にトランジションが発生したり、予期せず体を動かすことが多いのでそういった怪我が多いのでしょうか。

ここまで来ると体が辛いレベルの話ではないんですが…

ちなみにその痛みも求めてません…



3.心がつらい

メンタルもきます。

プレイヤーとの距離も近く、ベンチとの距離も近い、試合の規模や会場にもよりますが応援席との距離も近い。

誰かがボソッと言った一言も聞こえてきます。

経験がある方は共感いただけると思うのですが、寧ろボソッと言われたほうがよく聞こえて心に突き刺さることがあります。

しかも助けてくれる仲間はいないに等しい…

メンタル袋叩き状態。

帰ってから心に刺さった矢をそっと自分の手で抜きます(笑)


現場でもそうですが少し大きな試合や所謂引退試合に当たる試合を担当する時はだいたい試合の1週間前後に連絡が来るのですが、連絡が来たその時から少し不安とワクワクが入り混じった不安定なメンタルと体調のコントロールが始まります。

レフェリーも結構大変なのです。

きっとドMじゃないと勤まりません!



4.やりがい

つらつらとレフェリーは辛い、キツいと書き続けて来ましたが、もちろんやりがいもあります。

競技人口より審判人口は圧倒的に少ないと思いますがコミュニティがあり、その中で他人と繋がる喜び。

バスケットボールの審判はE〜S級の6段階に分けられていて、私は現在C級なのですが、自分の頑張りが認知されてランクが上がったりしていくのも非常に楽しいのです。


もちろん現場でもゲームが上手くまとまった時や、プレイヤーがストレスなくプレイに専念できたであろう時にはなんとも言い難い嬉しい達成感があります。

1番思い出に残っているのは、一点差で負けたチームの代表者に

「本当に今日の試合楽しかったです!一点差で負けたのは悔しいけどありがとうございました!」

と感謝されたことがあり、その時はしみじみ審判冥利に尽きるなぁと思いました。


色々考え方はあると思いますが、私の中でレフェリーはあくまで黒子。

主役はプレイヤーなのでいかに気持ちよくプレーさせてあげるか、ストレスなく競技に専念させてあげられるか。

相方審判と、時にコーチ、プレイヤー、そしてタイマーやスコアラーなどをやってくれるテーブルオフィシャルの方達とコミュニケーションを取りながら、一つのゲームが上手く完成した時はなんとも言えない喜びです。

上手くいかないことが往往にして多いのですが…

それも楽しく続けている理由なんだと思います。



5.最後に

先ほども書きましたが、私は小学校、中学校、高校、一般、様々な試合に派遣させていただいているのもあり、週末に知らない学校、知らない体育館、知らない環境に飛び込まないといけません。

連絡が来て体育館の場所をスマホのアプリで調べ、行き方や出る時間を検討したり、たまには帰りはこの居酒屋に1人で行ってみようかなんてことも検討してみたり…(笑)

そんなことをやっているとなんだか毎週毎週、どんな場所かな?どんな人がいるかな?どんなゲームになるかな?とワクワクしてなんだか楽しいのです。

バスケットボールは特にルールも多いしちょこちょこ変更されるのでその辺も難しいのですが、今の所楽しく活動しております。たまに嫌なことももちろんありますがそれも込みです。

この騒動がいち早く収束してまたいろんな体育館が行ける日が来るのを待っています。

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

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またお会いしましょう!それでは。

Dr.T


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