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グーグルが提唱「パルス消費」 スマホ世代の消費行動の新事実

前回ご紹介したこちらの記事の続編になります。

よろしかったらこちらかもお読みください。


googleは、スマホを操作中に瞬間的に物が買いたくなり、商品を見つけ、購入まで終わらせ る消費行動を「パルス消費」と名付けた。弊社はさらに調査を進めた結果、パルス(買いた い気持ち)の発生と実際の購入時期との間に時間差があることを突き止めた。

「パルス型消費行動」は、 従来の「ジャーニー型消費行動」が 全く当てはまらない、スマホ世代の消費行動
「パルス」とは、消費者の中に突如として湧き上がる 「買いたい気持ち」のこと。つまりパルス消費とは 「スマホを操作しているときに、突発的に買いたい 気持ちが高まり、商材を発見した瞬間に購入の意思 を固める」という消費行動

グーグルが18年末に実施した最初の調査では、パルス発生後、ユーザーはすぐに消費行動を起こすと考えられていた。

ところが20年1月に発表 した19年実施の調査結果によると、パルス発生の瞬間と実際の消費行動との間に“時間差”が生じる場合があることが分かった。欲しくなっても その瞬間は買わず、ずっと後になってから購入することもあるという。
そうなると発生と同時に行動に直結する「パルス消費」という定義そのものが崩れてしまうのではないか。実は今回新たに分かったパルス消 費で重要なのは、「いつ買うか」ではない。

一度発生したパルスは消滅することなく、ずっと“脈を打ち続けている”というのがポイントだ。

い つか消費行動が起きるその瞬間まで、認識されないまま、じっとユーザーの心に潜んでいる。

消費者は検索した商材を購入していない 

パルス消費について知る前に、消費者はどういった情報探索行動を経て買い物をしているのかチェックしてみよう。大手広告代理店の
博報堂(東京・港)が発表した「消費に関する情報収集手段」によると、「検索」が60.6%を占め、「専門サイト」が13.2%、「SNS」 と「家族・友人・知人」が7.8%、「店舗・営業マン・セミナー」が5.8%、「紙媒体」が4.8%となっている。

「検索」の意図を理解することで消費行動に至る情報探索の在り方を探ろうと考えたまずは「車」「不動産」「旅行」「スキンケア」「生命保 険」の5カテゴリーを検索履歴の分析対象に選び、各カテゴリーで商材の購入・申し込み・契約に至った計7221人を抽出。

そこから50人を選び出 して過去2年分の検索履歴を分析した。

さらに17人にインタビューすることで、検索履歴だけでは探れない、実際の消費行動につながった情報探 索行動の実態に迫った。

その結果分かったのは、情報探索行動と最終的に購入した商材との関係性が希薄だったことだ。マーケターが消費者の購 入決定プロセスを考えるとき、消費者行動を「認知→興味→比較検討→購入意向」の順番で落とし込み、それぞれの段階に向けた施策を打つ。

例 えば認知を高めたい場合はマス広告を、興味を抱いてもらうにはそれに合ったSNSに広告を掲載するなどだ。しかし実際は、商材の「認知」から 「購入決定」まで順番通りに進むことはほとんどなかった。

マーケターにとっては“ちゃぶ台返し”のようなことが多発していたのだ。

「多くの場合、情報探索行動が現れては消え、期間を置いてから思い出したように現れる。

そして情報を探索しているときには全く考え ていなかった別の物を突発的に買ってしまう。

そういった無秩序な情報探索・消費行動は日本だけでなく、米国や欧州、アジア圏の調査 でも同様だった」この無秩序な情報探索・消費行動を解き明かす鍵がパルス消費だった。パルスの発生前に直感センサーに訴える


19年の調査では、ある女性の新婚旅行に関連した検索履歴について深く分析した。この女性は18年1月ごろに新婚旅行について考え始め てから、実際に旅行するまで約1年半かかっていた。その間、新婚旅行に関する検索の回数は231回に上った。ただこの数字自体は、今回 の調査対象において特に多いわけでも、少ないわけでもなかったという。
実はこの女性、17年に友人とハワイを訪れた際、既に「新婚旅行はハワイに行く」と心に決めていたとのこと。

「パルスが発生したの は、まさにそのときだった」と断言する。

彼女は新婚旅行に向けて「ギリシャ」「バリ島」「ハワイ」を検索していたが、履歴 が残っているにもかかわらず、「バリ島」を検索したことを覚えていなかったのだ。
この事実はマーケターにとって重大な意味を持つ。

つまり、検索ワードに合わせてリアルタイムで関連する広告を表示しても、既にパ ルスが発生した状態の消費者にとっては全く的外れな広告となっているケースがあり得るのだ。
「検索ワードだけを見ると、同じように情報探査行動をしていたと思えるギリシャやバリ島も、ハワイという決断を後押しするための 行動にすぎなかったといえる」 いつでもどこでも情報が手に入り、すぐに行動を起こせ、場合によっては完結までさせられる。

この即時性こそ、スマホがもたらした1つ の“ライフスタイル革命”と言えるだろう。しかし「実店舗に足を運ばなくてもオンラインで物が買えるようになり、(購入する商材を)決 めてから買うまでの間隔がどんどん開いている」というのが、スマホ時代の消費行動に対する小林氏の分析だ。

むしろいつでも買えるの だから、今すぐでなくてもかまわないというわけだ。
18年の調査は定性調査と定量調査が中心で、回答者の記憶に依存して回答してもらっていたため、心理的なパルスの発生と消費行動の 瞬間があたかも一致しているように見えていた。しかし19年の調査では2年にわたる検索履歴を分析した結果、パルス発生から消費行動ま でに時間差があることが分かったのだという。
「人間は質問に対して理路整然と答えようとするため、質問した側はあたかも購入という1点に向かって段階的に進んでいるように受け取ってしまう。

しかし、実際に記憶と記録の両軸で見てみると、理路整然とはしていない」


「消費者が商材の購入に向けて順序立てて情報を探すということはない。

消費者は常に情報収集を続けながら、パルスが発生するタイ ミングを待っている。しかも、一度パルスが発生してしまうと、それを覆すのは難しい」と小林氏は言う。

スマホ世代に向けたパルス消 費時代のマーケティングは、パルス発生前が重要なのだ。 

スマホからの消費行動が主流となりつつある今日、消費者の直感センサーに訴えかけ、いかにパルスを発生させるかが勝負の分かれ目と なる。だが小林氏は「パルスの発生自体をうまくコントロールする方法はまだ見つかっていない」と打ち明ける。現状はひとたび消費者 の心にパルスが宿ってしまえば、その気持ちを他に振り向るのは相当困難だと心得ておいたほうがいいだろう。

今後、商品やサービスの マーケティング戦略にパルス消費の影響をどう織り込むかも、重要な課題となりそうだ。


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