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続・リモートパパ、想う

前回の回を投稿してから、早いもので3週間がすぎました。
そして現状はといえば、何も変わっていません。
俺のリモートワーク生活は延長に延長をかさね、1ヶ月になろうとしています。
息子も時を同じくして休校から約1ヶ月。

思えばこのエッセイ「親子漫才」は、息子との何気ないやりとりの中から生まれる
彼の個性、面白さ、そして親もドキっとする迷言などを記録するためにユルくはじめたものでした。

それは普段の自然な流れから生まれるもので、今のような異常事態の中では生まれにくいもの。
大人も子供も平常ではいられない、異様な空気。そんなありえない日常からは、いつものような雰囲気なんて生まれない。それは仕方ないこと。そう思ってこの数週間を過ごしてきました。
今は、耐える時だ、と、親子肩を並べ決意していました。



例えば。

料理のできない俺にとって最大の難関は毎日の昼飯
料理ってなんなの。できる人、天才か。
俺の味方は大量のレトルトカレー
こいつは仕事の合間でもサクっと作って食べれる万能選手です。(作ると言うのかは不明だ)
ある日の昼もレトルトカレー。


息子「えー!またカレー!?」

「いや我慢してよー」

息子「いや流石にもうカレーは嫌だよ」

そうだよな。そうだ。それは、わかる。
というわけで途中でレトルトのハヤシライスを混ぜてみた。

息子「まーーた!?またカレーかよ?」

「違います」

息子「え?カレーじゃんだってこれ」

「これはハヤシライスです」

息子「ハヤシ・・・」

「そうハヤシライス」

息子「いやーもうこれカレーにしか見えない」

「いや!ハヤシライスだってば!」

息子「いやいやパパ。これはね、カレーですよ、もはや」

「おまえバカなの?!ハヤシライスだってばよ!」

息子「あのね、この感じ。この茶色いのがご飯に乗ってる感じ。これはね、、」

「ハヤシライスだね」
息子「カレーだね」

「見た目かよ!」


息子「もうカレーは見飽きた!!」


見飽きた、、
もう見たくもないってほどカレーを食わしてしまったことを
少しは反省したけど。。。

というわけで、最近の男二人の楽しみはもっぱら、
息子が宇宙一という太鼓判を押すママが作る夕食なのです。



例えば。

俺もリモートとはいえ通常勤務。
息子もこれは決して休みではない。
巷では、「家でもできる勉強法」とかなんとか言っちゃって、
子供たちの「勉強遅れ」を食い止める策が目白押し。
我が家も算数や国語を中心に午前中は勉強の時間としている。
繰り返すが、これは休みではない。
気がつけば2年生なのだ。繰り返す。これは休みではない。


息子「うううううう〜〜〜〜〜ああああああ?へぇぇぇぇ???」

午前中は別の部屋から、この獣のようなうめき声が聞こえてくるのがパターンになってしまった。

そして決まって次の瞬間、俺の部屋のドアが開くのだ。我が家のモーニングルーティン。
この日もそうだった。

息子「パパ、わかりません」

「はい、どこがでしょう」

息子「ここ」

15+6=

「いやいやこれは単純な繰上げ計算だろ?」

息子「なにを?」

「いや、十の位と一の位でさ、、、ここがこうだとこうで、、、」

息子「ほうほう。そうだね、で?」

「で?いやだから、ここがこうなるから、、」

息子「つまり?」

「つまり?だから、答えは21だろ」

息子「オッケー!ありがとう!」

そして去って行く。


しばらくすると、

息子「うううううう〜〜〜〜〜ああああああ?へぇぇぇぇ???」

またか。またくるか。

息子「パパ、わかりません」

「はい、どこがでしょう」

息子「ここ」

35-8=

「これはさぁ、だから5-8をやるだろ?だけど5のほうが小さいから、、、」

息子「ほうほう。それで?」

「こっちからこうもってきてさ、、それから、、、」

息子「つまり?」

「つまり?だから、答えは、、ん?」

息子「何?」

「おまえ、答え聞きにきてねーか?」

息子「え?違うよ。わかんないからさ、聞きにきてんじゃん」

「いや、なんか誘導尋問されてる気がしてきた、これ」

息子「え?気のせい気のせい!!」

「いや!ダメ!やり方を教えるから自分でやってみなさい!」

息子「なんだよ!やっぱ先生じゃないとダメだな!へっ!」


な、、なに〜〜〜〜!!!!!!



そんな息子と先週、3学期の通知表をとりに久しぶりに学校へ行った。
担任の先生が教室で渡してくれる。
その時の息子のはしゃぎっぷりを見ると、
「やっぱ先生じゃなきゃダメだな!へっ!」といった気持ちがわかった気がした。

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そんなこんなで、いつもと違う雰囲気のなか、
この難局を家族一丸で乗り切らねばならない。
その中で、できるだけいつもと変わらない日常を、と心がけるが、
どうしてもイレギュラーな対応になってしまうこともある。

例えば、昼飯はカレーばかりだし、
いつもなら軽くかけてくる言葉も、
メモをサっと渡してきたりする。
彼も彼なりに気を使っているのだ。

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ただ、ユーュチブって何??と。


これをユーチューブと読むのに必要なのは
読解力ではなく、想像力になってしまう。

常々、想像力豊かな男になれ、と教えているが、
こういう意味じゃねーからな。


というわけで、いつもと変わらない息子と過ごす
いつもと少し違った日常がもう少し続きそうだ。

今日、カリカリしている俺に彼はいった。


息子「パパ、楽しくいこうぜ!」


いや、奴も少しは変わったのかもしれない。



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