#05 日本らしさ、を考える
今回は、以前から疑問に感じているテーマです。
日本らしさ、なんていいますが、実際、日本人は本当にそこを欲しているんでしょうか。
スポーツが、日本の文化になれない理由。
それは、もしかしたら、日本人自身の考え方にあるんじゃないか。
そんな話です。
ここは日本です
以前、有名なサッカーライターが、
テレビでこんなことを言っていました。
あえて、名前は伏せますが。
「日本のサポーターは、何故ずっと歌い続けてるんでしょうか?攻めてる時も、守っている時も。応援に強弱がないから、単調です。イングランドなどは、ここぞって時に、ウァーっと盛り上がる。あの雰囲気ですよね、日本のスタジアムにないのは」
「なぜ自分のチームが失点すると、日本人はすぐにチームの名前を叫ぶんでしょうか?欧州ならブーイングです。あれでは選手が甘やかされてしまう」
うる覚えなので、多少言葉は違うかもしれませんが、大体こんな内容でした。
まず、一番ショックなのは、
この人が日本人だ、ということです。
これを、欧州の人が言ってるなら理解できるんです。文化が違いますからね。
不思議に思うでしょうし。
でも、日本人が自国のリーグに言う台詞とは思えないのです。
つまりは、
Jリーグの事をなにもわかっていない。
日本人なのに。
欧州サッカーが好きならそれでいいんですが、
よく知らないなら、黙っとけ、です。
では、彼の疑問にちょっとだけ答えてみます。
まずは、、「ずっと歌ってる」という点。
これに関しては、意味があって歌っている場合が殆どです。
クラブにはそれぞれ、色々な種類のチャント(応援歌)が存在し、それらをサポーターが状況をみてチョイスして歌っています。攻めてる時、守ってる時、など。
あとは、部外者にはわからない理由で歌い続けている場合もあります。
例えば、他クラブに移籍する前の最後の試合、という選手がいたら、その選手のチャントを歌い続ける、など。
戦況とは全くリンクしないけど、当人たちや、選手には意味があって歌う、という場合もあるのです。
つまり、闇雲に歌い続けているわけではないんですよ。
もちろん、イングランドとは違います。
だってここは、日本だし。
つぎに、「失点後のコール」について。
失点後っていうのは、一瞬うなだれますよね。選手だって。
でも、「まだ試合は終わってないぞ!行こうぜ!」という気持ちを伝えるべく、失点後、間髪入れずにチーム名を叫ぶ、というケースが多いんではないでしょうか。
とはいえ、大量失点してる状況ならば、容赦なくブーイングです。
この人が、どの状況のシーンを切り取られたのかは知りませんけども。
いや、むしろ、どんな時でも失点したらブーイング、という姿勢の方が理解できないですね。
選手のことを考えてるのかと。
プライドの話
とはいえ、わたしも欧州サッカーへの憧れはあります。
色々な国の色々なスタジアムに行ってみたい。
実際、オリンピコでローマ戦を観戦した時は感動しました。これだー!と。
何ともいえない重低音が響き渡るスタジアム。
発煙筒。最高でした。
でも、自分たちのスタジアムにだってプライドはあります。
もちろん、歴史や成績、規模など、全てにおいて劣っているでしょうが、わたしの中では、自分の愛するクラブが世界一なのです。
すげーなー!とは思うけど、無理してマネたりはしたくない。
俺たちは、俺たちのスタイルで行くぜ、というような気持ち。
文化をつくるのに必要なのは、そんな痩せ我慢的なプライドがはじまりなのかもしれないです。
もちろん、良い部分は取り入れるべきです。
マーケティング、技術、プロモーションなど。
海外のスポーツ文化から我が国が学ぶべき点は沢山あります。
しかし、変えなくていいこと、変えちゃいけないこともあるし、そこはプライドをもっていきたいですね。
例えそれがワールドスタンダードから外れていても、です。
ヤンキー・スタジアムに阪神を!
プロ野球も、たまにメジャーリーグの雰囲気なんかと比べられますよね。
日本のプロ野球といえば、ラッパにメガホンで応援歌を歌うスタイル。
一方、メジャーはそんなことはしない。
ヒット打ったり、なんかあるとスタンディングオベーションするようなスタイル。
これだって、
どっちが良い悪いではないですよね。
ただね、わたしは日本人だから、テレビからあの応援が聞こえてくると、ナイター観てるなぁと感じるわけです。
メジャーにも良いところはあるし、選手も憧れる場所みたいですけど、だからってプロ野球がメジャー化する必要なんてこれっぽっちもないですよ。いいじゃないですか、日本のプロ野球はこれで。
もしも、の話ですけど、ヤンキースと阪神が試合する時は、ぜひ阪神ファンにはヤンキー・スタジアムに大勢乗り込んで欲しいですよ。
そして、あっちのスタイルおかまいなしに、
いつもの応援を繰り広げてほしいです。
ヤンキースの選手にウィットに飛んだヤジを飛ばしてほしい。
そして、出来ることならば、7回には甲子園のようにジェット風船を飛ばしてほしい。
ビジターじゃやらないんでしょうけど、そこは特別に。
どんな目で見られようが阪神ファンなら、やりきってくれそうです。
そして、アメリカ人が不思議そうな目で見て来たら、
「これが俺たちの文化や」と言ってやればいいんです。
プライドを持って、かぶれは捨てる
いまや子供たちの憧れはメッシであり、
バルサです。
それはそれで正直な意見だし、確かにメッシは凄いです。バルサも凄い。
凄いし、憧れるけど、応援しているのは、やっぱりJリーグのクラブであってほしいですね。
日本はレベルが低いとか、海外は凄いとか、
大人がそんなことばかり言ってるから、
子供たちもプライドがもてないんです。
ニュースもそうですよね。
海外サッカーのゴールシーンをダイジェストで流して、スーパーゴールですね!なんて騒いでますけど、それくらいのゴール、Jリーグでも見れるわ、と思ってしまうことが多いです。
ただ、実際、実力的には世界と差があるわけで、だからこそ、実力でも世界に追いつかないといけないわけですが。
でも、世界との差は、実力の差であって、
それがイコール、文化や、スタイルの差ではないはずです。
歴史にも差はあるかもしれない。
でも文化やスタイルの差ではないですよ、絶対に。
だから、そこはプライドを持っていいと思います。海外かぶれは捨てて。
「海外だったら」と、いってばかりいないで。
学ぶべきところは学び、
それでも、日本だって凄いんだぜ!という
気持ちを忘れないでいたいです。
日本は素晴らしい
日本におけるスポーツの環境は、
素晴らしいものだと思っています。
だからこそ、本気で文化として根付いてほしい。日本らしさに海外が憧れるようになりたい。
最後にこの動画を見ていただきたいです。
倉敷保雄さんが素晴らしい実況コメントをしてくれています。
日本らしさって何なのか。
当事者である、わたしたちが、
一番気づいていないのかもしれません。
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