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ナンバーガールが再結成だってよ

 「ナンバーガール再結成」。営業帰りの電車の中、たまたま開いたツイッターに現れたその文字に「うそだろ?」と思った。手が震えたし、鼓動が速くなるのがわかった。なんどもなんども確認したけれど、うそじゃなかった。本当だった。彼らが、17年ぶりにRISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZOにて復活する。

2018年初夏のある日、俺は酔っぱらっていた。そして、思った。
またヤツらとナンバーガールをライジングでヤりてえ、と。
あと、稼ぎてえ、とも考えた。俺は酔っぱらっていた。
俺は電話をした。久方ぶりに、ヤツらに。
そして、ヤることになった。
できれば何発かヤりたい。

向井秀徳

 This is 向井秀徳! と叫びたくなるような声明文。ヤりてえでも稼ぎてえでも、理由はなんだっていい。こんなにも私たちは、言葉にならないほどのよろこびを噛み締めているのだから。当時からファンだった人だけじゃなくて、私のように「彼らの存在を知ったのがそもそも解散後だった」という人もきっと山ほどいて、多分みんな同じ気持ちだったんじゃないかと思う。「ついに彼らを生で観れる日がやってくるかもしれない」と。

 久しぶりに聴く“Num-Ami-Dabutz”は、リマスター版を再生したらびっくりするほど爆音で、耳がぶっ壊れるかと思った。重い、音がとにかく重い。質量というか音圧というかを感じさせるリズム隊、触れたら血が吹き出しそうなほど鋭利なギターの音。そうそう、これがナンバーガールだ。改めてまた驚く。初めから「姿をなくしたもの」として知ったのに、再結成するだって?

 2016年から去年にかけて、「解散したものとして知った好きなバンドが復活する」ということがたびたび起きた。スパルタローカルズ、一夜限りだったがドーピングパンダ、そしてエルレガーデン。ドーパンはその場を見ることはできなかったけれど、スパルタは2017年7月の復活ワンマンを、エルレは会場外だったものの昨年8月のマリンスタジアム公演を、それぞれ見届けた。

 音源を聴いて「このバンドのライブ観たい……」と思った時にすぐにライブにいけることがどれだけしあわせなことか、そして憧れのバンドが復活することによってその願いが叶うことがどれだけ尊いことかを、身を以て知った。

 しかもスパルタローカルズは、先週、復活後初の新譜をリリースした。すでにライブは2回観ていたが、アルバムが出た時の感動はまたひとしおだった。聴いてみると、新曲なのにあの頃のスパルタローカルズから変わっていなくて、錆びついていなくて、鳥肌が総立ちだった。止まっていた時が、本当に再び動き出したのだ(スパルタは一度途中でドラマーが変わっているが、再結成はオリジナルメンバーで行なったため、メンバーチェンジ後の曲はやらないという制約つきだけれど……)。

 エルレガーデンも、もしかしたら今後新曲が出るかもしれない。そうなると、またツアーが組まれるだろう。ドーパンも完全復活をするかもしれない。ナンバーガールだって、復活ツアーの敢行もありうるかもしれない。だって向井が「できれば何発かヤりたい」って言ってるから。こちらとしては、もう何発でもヤってほしい。

 あぁ、本当に本当に、再結成するんだな。諸行無常は繰り返されるのだ。

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