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雑誌中毒者 -余談編-

余談編。
そもそも全部余談だろってツッコミはあると思う。
その通り。

前回の記事はこちら。

私が過去に一番愛していた雑誌「Relax(リラックス)」
事実上廃刊になった今、その隙間を埋めるのは同じマガジンハウスから刊行されている「POPEYE(ポパイ)」である。

そのPOPEYEの台湾特集の時に2ページに渡って特集されていたのが、台湾のカルチャー雑誌「秋刀魚(さんま)

どうやら秋刀魚は台湾人の目線で日本の文化を紹介する雑誌で、年4回刊行されている季刊誌のようだった。

私は2018年頃から台湾にハマり、年に何度か台湾旅行をしていたのだが、ある程度台北の観光地は周り尽くした2019年の秋に突然「秋刀魚の編集部に行ってみよう」と思いついてしまったのだ。

今思えば突然アポなしで外国人が編集部に来たところで、ただの迷惑でしかないのだが、思いついてしまったから仕方ない。
台湾→上海→台湾という旅程の上海に飛ぶ前日に実際に編集部にお邪魔してみた。

秋刀魚編集部は想像していた編集部とは少し違い街中にポツンと平屋のような佇まいで存在していた。
玄関も鍵がかかっておらず、良く言えばオープンなその編集部には、編集部員が一人でお留守番をしているだけだった。

「POPEYEが好きで、特集されていた秋刀魚の編集部に来てみたかったんです」と説明し、編集部内を見学させてもらい、10分程の滞在でその日は帰った。

ホテルに戻り明日のフライトの準備をしていたところ、突然の連絡。
さっきの編集部員から「編集長が会いたいと言っている」とメールが。

当時私は脱サラをしてティースタンド(いわゆるタピオカ屋さん)を経営していたのだが、日本で流行りに流行ってるタピオカブームの謎を解明したいらしく、タピオカ日本代表として雑誌内で対談してくれないか?との事であった。

訳がわからない。突然アポなしで編集部の見学に来た外国人を雑誌に載せて、さらに対談までさせるのか。どうしよう。上海のスケジュールは全てキャンセルするか?なかなかないチャンスだぞ。と思ったが、冷静に考えれば上海の後にまた台湾に戻ってくる旅程だった為、その説明をしてリスケしてもらう。

もうそのあとの上海は気が気じゃない。もちろん上海タワーも上海蟹も北京ダックも全部堪能したが頭の片隅には「タピオカ日本代表」「対談」がよぎっている。

気が気じゃないまま上海を旅する私

上海の用事をさっさと済ませて台湾に戻り数日前に訪れた秋刀魚編集部へと再び足を踏み入れた。

そこからはもうあっという間。
夢だったのではないかなと今では思うぐらい。
秋刀魚の女性編集長やカメラマン、イラストレーター、その他の編集部員の皆さんに囲まれて、街中で写真撮影(移動は全てタクシー)をし、日本を代表するタピオカの第一人者顔をしてインタビューを受け、VIP気分で半日を過ごした。

秋刀魚の公式サイトでも一部見られるので是非見て欲しい。
秋刀魚公式サイトより(ページの後半に対談の様子あり)

その後帰国してからも編集部の方達とは交流があり、特にイラストレーターのジョンピは時々LINEをする仲に。台湾では知る人ぞ知るオシャレイラストレーターなのに、「これ台湾語でなんて言うの?」って雑な扱いをしてしまっていて申し訳ない。

秋刀魚編集部の皆さんは真剣に雑誌作りに取り組んでいて、でも非常にフレンドリーで、最高な環境だからこそ素敵な雑誌が出来るのだなと納得したのを覚えている。

また海外旅行が気軽に行ける時が来たら、ふらっと秋刀魚編集部にお邪魔したい。

お土産にバックナンバーまで頂いた


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