見出し画像

言語聴覚士さんの目からウロコな話

長女がまだ2歳頃の話。
言語聴覚士さんによる育児相談を兼ねた
幼児教室が開かれていて隔月で参加していた。

1歳から3歳までの入園前のこどもと保護者を対象としたクラスでした。

うちは1年5ヶ月違いの年子姉妹で、
次女はまだ1歳未満だったので託児をお願いして長女と二人で参加していました。

イスに座って先生の説明を聞いた後、
こども達がそれぞれ持ち物を取りに行き
シール遊びや簡単な工作をおこない
横で母親が見守るという内容。

こども達は何度か通うと、きちんとイスに座って先生のお話を聴けるようになり、
先生の説明の通り行動出来るようになる。
多少の勘違いはあっても、楽しそうに一生懸命に取り組んでいる。

ところが、過保護・過干渉なお母さま方は
ついつい手出し、口出しをしてしまい
お母さんは見守るだけ!!!
今日は褒めてあげる日!!!
と毎回、言語聴覚士の先生の愛が溢れる激が飛ぶも、なかなか先生のお話が聴けない。

不謹慎かも知れませんが、笑ってしまうくらいに、余計なヒトコトが止まらない。
参加者全員、いい年した大人がルールを守れず叱られている。

ガッツリ怒られて保護者が泣いて帰るという事態を何度も見たと、保護者達から恐れられている先生だ。

私はどちらかと言うとのんびり育児で
周りのジジババやママ友から

『ちゃんと躾してるの?』
『怒る事ある?』
『怒らない育児ってヤツ?』
『まだ喋らないの?喋ってごらん』
『オムツまだ外れないの?』

と長女が1歳になる前から集中砲火を受けて自分の子育てへの不安から育児相談に来た
クチでしたが

それでもやはり、口出ししてっしまったり
そうじゃないよと否定してしまう。
見守る事の難しさ、褒める事の難しさを体感しました。

ほとんどの保護者が、わが子のシール遊びや
製作遊びを微笑ましく見守る事が出来ず
逐一干渉して、否定してしまう。

周りの目を気にするあまり、わが子をなんとか自分の思い通りにコントロールしようとしている事に深い闇を感じた。

『教室でもこの調子なら、家の中ではもっと酷いはずよ』
と言われ、ドキッとした。
多分、私だけじゃないはずだ。
意識して気を付けないと、と気が引き締まる思いでした。

そんな言語聴覚士の先生の1番印象に残っている言葉は『叩かせないであげて』です。

***

製作遊びが終わったこども達は自由時間。
先生と保護者達はグループワークで
その日の反省会や、育児相談ができるの時間があり、言語聴覚士の先生からこどもの心理を教えていただいたり、アドバイスをいただける貴重な時間でした。

あるお母さんからの相談

イヤイヤ期真っただ中のこどもが
癇癪を起こして暴れて叩くので、
仕方なく言うことをきいてしまうのですが
どうしたらいいですか。

先生はアドバイスとして

叩けば言うことをきく、思い通りになると
学習してしまったらどうなると思う?
小学校に行ったら友達を叩くよね。
大人になったらDVするようになるよ。
だってそうでしょ、暴れたら思い通りになる、叩けば言うことをきく。
こどもが可哀想。叩かせないであげて

こどもが癇癪を起こした時は機嫌をとったりなだめたりしない。
癇癪を起こせば大人の気を引けると思わせないで、スルーして落ち着かせてあげて。

叩く時は叩かれないように全力で逃げて。
弟妹を叩く時はその子も連れて逃げて。
暴れたり叩くのをやめたら、やめた事を褒めて、話を聞いてあげてください。

と仰られました。

逃げて良いんだと目からウロコでした。
こどもにはちゃんと向き合わないといけない、逃げる事はダメだと思っていました。

相手が大人であっても、こどもであっても
暴力に向き合う必要はないのだと、
むしろ、成長過程のこどもに暴力が有効手段と思える環境を作る事が可哀想なのだと気がつきました。

まだまだ幼く、言葉で説明できない気持ちを
暴れたり叩いたりして表現している。
でもそのままでは、次に進めない。

落ち着いて、少しずつ話せば
ちゃんと聞いてもらえる、汲み取ってもらえるという流れを作らないといけない。

正しい事は正しい、
間違っている事は間違っていると教える。
子育ての基本ですが

目先の事に囚われて将来の事が見えていませんでした。
視野が狭くなって目の前の事しか見えなくなっていました。

こどもの将来を想像しながら
人としてダメな事が何かと考えてみると
意外と少ないのかもしれません。

人を傷つける事、
自分を傷つける事、
法律にふれる事、
あと何かあったでしょうか… •́ω•̀)?

ダメな事以外はOKで
日々トライ&エラー
親子共々成長して行くのです。

長女が産まれてから
いつも初めての経験を共にして来ました。
次女が産まれてからは一緒に遊んだり、お世話もしてくれた。

姉妹喧嘩が始まれば手が出る時は、
とりあえず次女を抱えて逃げた。
そして落ち着いてからちゃんと話を聞いた。
幼い姉妹でもちゃんとそれぞれに言い分がある。
『お姉ちゃんだから我慢しなさい』では到底納得できないだろう。

イタズラをする時の姉妹の団結力は素晴らしく、何度も泣かされた。

年子姉妹を育てる他の保護者から
『どうしたらそんなに仲が良く育つの?』
と聞かれる程、家でも外でも仲が良かった。

今ではすっかり成長して
新しい世界を自力で切り開いている。
いざ、未知なる領域へ!!!



あ、でも洗濯物はちゃんと出してね。
これは命令じゃなく
母からの切実なお願いです。







この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

32,933件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?