ヨットの国際資格 ISPAとは 【コース内容】
ヨットが上手くなりたい人に、僕たちのコースは向いていません
ヨットが上手くなりたい人に、僕たちのコースは向いていません。
もう少し厳密にいうと、もしあなたが「ヨットレースで速くなりたい」といった意味での上達を目指しているのでしたら、このコースは向いていません。
僕たちがいつも一番伝えたいことは、
「楽しく安全に海を渡り、確実に帰ってくる技術を学ぶこと」
です。
それさえ分かれば、他のことは自分自身で楽しみながら覚えていけるようになると思っているからです。
今回、ヨットの国際資格ISPAのコースを始めることになりました。
20年以上海で働き、大型船や帆船の航海士経験のある僕が選んだ最初の海域は沖縄の与那原です。透明度の高い水、島々と陸に囲まれた平穏ながらも変化に飛んだ海域。
そこには海を安全に、そして楽しく学ぶことができるフィールドの条件が揃っています。
これから「そもそもISPAとは?」についてを書くのですが、その前にこの一番大切なことをお話ししたいと思い書きました。
というわけで、今日はISPAというヨットの国際資格について説明します。
ISPAとは
ISPA(International Sail and Power Association and Academy)とはカナダに本部がある、ヨットやボートの操船技術の技量証明を発行している団体です。
オンラインでの学習と船での実践コースを受けることでヨットやモーターボートの操船技術が身につき、コースに合格して認定証を取得するとアメリカやカナダなど複数の国で船をレンタルできます。
コース内容
ISPAのコースは初心者向けから、本格的な外洋でのクルージングを目指す方のコースまであり、クルーの技術から泊まりがけの操船まで、段階的に身につけられるようになっています。
また、短時間で世界的に認められている安全なセーリング技術を習得できるように構成されていることも特徴的です。
僕たちはISPAのコースの中で、3段階の認定を行うヨットのコースを開催しています。
資格は、技量が水準まで達したとインストラクターに認められると発行されます。
3段階の認定
1. コンピテントクルー
クルーとして、一番最初に基本を学ぶコースです。
航行上の危険のない内陸水域、または安全な港で、日中、微風から中風のコンディションで帆走し40フィート/12メートル未満の大きさのヨットを安全に操船できる技量を身につけます。
コンピテントクルーで学ぶ内容が全てのコースのベースとなる為、最も大切なコースといえます。
2. デイスキッパー
船舶と乗組員の安全に責任を持つ、スキッパーとしての技術を学ぶコースです。
日中、安全な港から12NM以内の身近な海域で、中程度の風と海況の中、45フィート/14メートル未満の大きさのヨットでクルージングをする基本的な航海技術を身につけます。
自分で船を操船して海に出たい、と思っている方には必須のコースです。
また、ISPAの資格が認められた施設でヨットをチャーターできるようになります。
3.コースタルナビゲーション
日中だけでなく夜間も航海できる技術を学ぶコースです。
昼夜を問わず、航行区域に制限なく、沿岸/潮流水域で、海図、ハンドベアリング・コンパス、GPS、航行補助装置を使用して50フィート/15メートル未満の大きさのヨットで航行する力を身につけます。
ヨットで何泊かしながら旅をすることを目指している方には、必要な技術の詰まったコースです。
コースの構成
4日間のコースと、6日間のコースに分かれています。
・コンピテントクルー&デイスキッパー 4日間
ヨットに乗る上で一番基本的なことを学ぶことができ、コンピテントクルーとデイスキッパー両方の認定に同時にチャレンジすることができます。
ヨットのことがよく分からない、初めて乗る、という初心者の方や、認定には興味がないけれどヨットの乗り方は知りたいという方も参加できます。
・コースタルナビゲーション 6日間
航海計画をたて、海図の使い方を学び、夜間航海も含めた総合的な航海技術を身につけるコースタルナビゲーションの認定にチャレンジできます。
コンピテントクルー&デイスキッパーの4日間を受講した上で参加するとより理解しやすいですが、ヨットでの旅に興味のある方はどなたでも参加できます。
コース例(4日間)
【1日目】
10:00 集合
・ブリーフィング
・ボートイントロダクション
・ベンドオン
・セイル上げ下げ リーフシステム
・クラッチ操作
・ロープワーク
・ウィンチ操作
・シングルドッキング
・スナッギングダウン
・海図 航海計画
・天候チェック
【2日目】
・ブリーフィング
・ドックアウト
・ポイントオブセイル(アンダーパワー)
・ボートハンドリング(アンダーパワー)
・アジャストスピード
・航路ブイ
・カムアバウト
・ジャイビング
・プロップワーク
・ドッキング
・スナッギングダウン
・海図 航海計画
・天候チェック
・ディスカッション ボートセイフティー (火災、浸水、座礁)
【3日目】
・ブリーフィング
・ドックアウト
・ポイントオブセイル(アンダーセイル)
・リーフィング(アンダーセイル)
・カムアバウト
・ジャイビング
・アンカリング
・ドッキング
・スナッギングダウン
・MOB
・海図 航海計画
・天候チェック
【4日目】
・ドックアウト
・航海計画どおり自分たちで航海する
14:00 帰港
・ドッキング
・スナッギングダウン
・ブリーフィング
15:00 解散
開催場所
現在のコース開催地は下記の場所になります。
(ヨットがあり、コース開催希望の方はページ下部のお申し込みフォームからご連絡ください)
・沖縄県 与那原
料金
コースの参加料金は開催地や内容により変わるので、お申し込みフォームをご覧ください。
ISPA事前学習(オンラインコース)の受講手順
ISPAはヨットに乗る前に、オンラインの座学で基本的な知識や理論を理解するところからスタートします。
事前学習はISPAのホームページからいつでも誰でもスタートでき、修了すると実地コースに参加できます。
下記リンクで具体的な事前学習の受講方法がわかります。
楽しく安全な航海を
ここまで読んでくださりありがとうございます。
もしあなたが、楽しく安全な航海技術を求めているのでしたら、ヨットスクールページをご覧ください。
また、ご参加日程が決まっていなくても、下記フォームからお申し込みいただくことができます。
また、ご興味のある方は下記Spirit of SailorsのSTOREにご登録いただくと、コースが開催される日程がメールで案内されます。
おまけ
ISPAの歴史
1994年、ケビン・J・ウィルソン氏が娯楽として船に乗る人を養成する教育ワークブックの開発を始めました。その後ウィルソン氏は、それらの人々のニーズに応えるために、トレーニングマニュアルの構築を計画し、International Sail and Power Association and Academy (ISPA) を設立したことが、ISPAの始まりとなります。
これらのISPAコースマニュアルは、ボートスクールが安全で知識豊富な人を育成するために使用されるよう設計されています。
誰にでも初めての時があります
初めて僕たちがISPAのコースに参加した時の様子。
参照リンク:
ISPAの歴史 https://www.ispa.com/ja/ispa-team/
ISPAのホームページ https://www.ispa.com/ja/
ISPAセイリングコースについて https://www.ispa.com/ja/competency-sail/