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参考図書③:マネジメント

店舗運営のマネジメントを考える時、店舗側(店長)と本部のマネジメントの両方を考える必要があります。
弊社では、チェーンストアの強みは本部と店舗の両輪で回せること、だと顧問先などでお話させて頂いています。ここでは、店舗のマネジメントについて、これまで私自身が参考にさせて頂いた書籍を紹介させて頂きます。
(店舗マネジメントに関する書籍はあまたあり、ここではその一部のご紹介です。)

一口に店長のマネジメントといっても、店舗の規模や業態によって提供サービス、スタッフの人数やマネジメントの仕組みも違います。また、独立開業し本部構築を目指して頑張っている社長さんが店長として働いている場合など、店舗のマネジメントで必要とする情報や知識が違います。以下の書籍のどこかに必要な情報があれば、と思います。
また、最後にスタッフにZ世代が多くなり働き方改革が進む中、これからの時代に必読だと考える書籍をご紹介します。


1:川崎進一著作

1-1:店長の条件

1-2:新・小売経営者の条件

1-3:全国の商業者たち 生きよ、学べ。―川崎進一選集

経営コンサルテントであった川崎進一氏の著作は、昭和の時代を反映した視点で書かれ、店長の在り方を説いた古典的名著です。著書で想定されている業態は、スーパーやドラッグストアなどの比較的売り場面積が大きな小売業かな、と想定されます。令和の現在、時代とのズレを感じる部分もあるかと思いますが、時代が変わっても普遍的な内容もあり一読はおススメです。

2:大久保恒夫著作

2-1:すべては人なんだ

2-2:実行力100%の会社をつくる!

2-3:利益を3倍にするたった5つの方法―儲かる会社が実践している!

新卒でイトーヨーカ堂に入社後、コンサルティング会社等を経て独立され、現在は(株)西友の代表取締役社長を務められている大久保氏の著作は独立した頃、随分読ませて頂きました。経歴がイトーヨーカ堂の売り場経験から始まっているため、小売り中心の考え方ですが、すべては人なんだ、に記載されている「人の成長でしか会社は成長しない」など頷くこと多しでした。

3:鳥越恒一著作

3-1:プロ店長最強の仕事術

3-2:店長が必ずぶつかる「50の問題」を解決する本

3-3:ほめられたいときほど、誰かをほめよう ―店長の心を励ます50の言葉

飲食・小売・サービス業などの幹部(店長)を育成するDIC幹部育成コンサルティング(株)の代表を務められている鳥越氏の書籍。これまで、5万人以上の店長の悩みを聞いてきた、というだけあり現場を良く知っている方だな、という印象を受けます。店長が抱えるマネジメントの悩みなど一読の価値あります。「店長マネジメント」にはスタッフの評価表などのフォーマットが添付されているので、参考になります。

4:これからの時代に必要な考え方 Z世代と心理的安全性

 平成という時代に社会にでた私は、24時間戦ってきた戦士のような上司と昭和の社風溢れる会社で育てて貰い、平成の時代に独立しました。3つのチェーンストアではいずれも、「店長は経営者」という考えが平準化され、それは、上記にあげた鳥越氏が「店長は社長」という言葉とリンクします。
しかし、平成最後の10年間には「ゆとり世代」が社会に現れ、チェーンストアと方々とお話すると、異口同音に「店長を希望する人材が本当に少ない」とお話されます。
「店長は経営者」という考え方の元には、店長という職責は売上・利益・スタッフマネジメント・本部との遣り取り、など多くのモノを背負わされます。これからの時代に求められる店舗マネジメントは何だろう?という私自身の問いに答えをくれたのは、エイミー・エドモンドソンのTeaming という考え方でした。現在、弊社では Teaming の考え方を取り入れた支援をさせて頂いていますが、以下の書籍は現在の20代と仕事をして行く上で必読の書籍だと思います。

4-1:モチベーション革命  小原和啓

「乾いている世代」と「乾けない世代=Z世代」、マーティン・セリグマンは人間の欲望を「達成・快楽・意味合い・良好な人間関係・没頭」の5つからなる。としたが、Z世代が重視するのは「意味合い・良好な人間関係・没入」の3つ。この3つを重視したZ世代が輝くには心理的安全性が必要だと書かれています。一方で、仕事の悩みは人間関係が殆どです。Z世代に限らず、全てのワーカー世代に心理的安全性は重要な時代だと思います。

4‐2:社員の力で最高のチームをつくる ケン・ブランチャード

星野リゾートの組織作りに活用され、星野佳路氏が監修されている本。社員のエンパワーメントを生かした組織作りをマイケル社長の学びと経験を通して物語風にストーリーが進むので、読みやすいです。巻頭に星野氏が要点を纏めてくださっているので、振り返りもし易いお勧めの書籍です。
個人的には、こちらの書籍で謳われている最高のチーム作りをよりデータと合わせて、詳細に記載している書籍が以下のエドモンドソンの書籍だと思います。

4-3:チームが機能するとはどういうことか エイミー・C・エドモンドソン

4-4:恐れのない組織 エイミー・C・エドモンドソン

心理的安全性研究の大家であり、ハーバードビジネススクールの教授であるエイミー・エドモンドソンが、人の命に係わる医療チームなどを検証対象に、分析している書籍です。「チーム」ではなく「チーミング」が必要。チーミングとは、①職務や事業単位、地理的な場所にとらわれず、組織内のメンバー同士で協働・連携すること。②組織に捕らわれず異なるメンバー同士でも連携すること。そして、協働・連携により成果を出すのは土台に心理的安全性があること、だと恐れのない組織の中でエドモンドソンは結論づけています。
私にとっては、店舗運営の組織構築の転換点になる書籍でした。

店舗開発のお仕事についてマガジンに連載しています。
独立前の3つのチェーンストア勤務時代の業務から、独立後のスパイカ(株)の業務内容について記載しています。

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