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しんぷ

同音異義語に気をつけよ。
劇場版→→→https://www.youtube.com/watch?v=qu290xG_v38

リビングに一人座っているたいちゃん。
何かの絵を描きながら、考え込んでいる。

たいちゃん「ぅ〜ん...」

そこへバハマがやってきた。

バハマ  「おう、たいちゃん!」
たいちゃん「おう!」

バハマはたいちゃんの描いている絵が下手すぎて
目には入ったが触れるのはやめておいた。

バハマ  「...どーしたそんな考え込んで」
たいちゃん「いや〜、実はさ、大事な友達の結婚式が明日なんだけどさぁ
      神父にドタキャンされたんだって」
バハマ  「なんだと!」
たいちゃん「やべーよなぁ〜笑」
バハマ  「わはは、やべぇな笑。
      で、なんでたいちゃんが悩んでんだ?」
たいちゃん「...俺に神父やってほしいって」

        笑う二人。楽し気なリビングである。

            ~しんぷ~


たいちゃん「おい!笑ってんなよぉ〜笑」
バハマ  「すまんすまん笑、断れねぇのか?」
たいちゃん「断ったよ!でもどーしてもって言うから
      オッケーしちゃったの!」
バハマ  「まぁでも、そんな難しくないだろ?
      誓いますか?ってやつだろ?」
たいちゃん「まぁな〜。でも緊張するじゃ〜ん?いやじゃーん?」

そこへハルがやってきた。

ハル   「皿洗い終わりィ!」

ハルの目に何かの絵が飛び込んできたが
下手すぎて触れるのはやめておいた。


バハマ  「おつかれ!ありがとな」
たいちゃん「ハル〜、聞いてくれよ、友人が新郎の結婚式が明日なんだけ
      ど、さっき神父が逃げ出したんだって」
ハル   「え〜!ドラマじゃん!マリッジブルーかなぁ、新婦さん」

何か勘違いをしているハルであった。


バハマ  「マリッジブルーってなに?」
たいちゃん「色味が深い青色だよ!」

そんなことも知らねぇのか!と言いたげなたいちゃんだが
間違っている。


ハル   「違う!!!」
たいちゃん「言っとくけど、青はコバルトブルーが最強だし、神父は白一択
      だ!青い神父なんて、、、わるくねぇな」

呆れるハルであった。


ハル   「まぁなんでもいいわ。じゃあ結婚式は中止ね。」
たいちゃん「だといいんだけどなぁ〜」
バハマ  「たいちゃんが神父役をするんだと」
ハル   「えぇぇぇえぇええ?!」
バハマ  「まぁ、同じ立場なら、俺もそうするかもな」
ハル   「なんですってぇぇぇぇええ!?」
バハマ  「かも!な?。最悪居なくてもいいしな」
ハル   「居なきゃだめよ!!!」
バハマ  「じゃあたいちゃんでいいじゃん」

混乱して話に追いつけないハル。


ハル   「な、え?!??ちょっと、どこまでやるの?」
たいちゃん「誓いのキスまで」
ハル   「嘘でしょ!」
バハマ  「で、着る服はあるのか?」
たいちゃん「白のそれっぽいやつがあるってよ」
ハル   「あのねぇ、これはドラマじゃないの!
      結婚式に来るみんなを騙すことになるのよ?!」
たいちゃん「大丈夫だよ、皆にはもう伝えてある」
ハル   「狂ってるわよその結婚式!!!」
バハマ  「一体何に誓いをたてるんだろうな笑」

たいちゃんがまた絵を描き始めた。

バハマ  「何描いてんだ?」
たいちゃん「神父。明日の俺を描いてるんだ。イメージするためにな」
ハル   「絵の才能皆無ね」

たいちゃんは描いていた紙をぐちゃぐちゃに丸めて
ハルに投げつけた。

3人の声を聞いたのか、神主がリビングへやってきた。

神主   「なにやら楽しそうですね。何してるんですか?」
たいちゃん「神父描いてましたぁ~」

不機嫌そうなたいちゃん。


神主   「ほう、私も参加してよろしいですか?」
たいちゃん「どうぞ?」

そう言い残して、なぜか神主はリビングを後にした。

ハル   「...え?参加しないの?」
バハマ  「変わった人だからな」
たいちゃん「完成したらもってくるんだろ。
      よし!俺も本気で描いてくる!」

たいちゃんも新しい紙とペンをもって、リビングを後にした。
取り残されたバハマとハル。

ハル   「新婦が偽物の結婚式なんてあり得ない!」
バハマ  「まぁ気持ちは分かるが、知らない奴らの式だ。
      どうだっていいだろ?」
ハル   「そうだけど、、」
バハマ  「お前が結婚する時、神父に逃げられたら
      俺が代わりをやってやるよ」
ハル   「それじゃあ私がいないじゃないの!!!」
バハマ  「いるだろうが!何言ってんだ!!!」
ハル   「私の時の新婦は私でしょ?!」
バハマ  「お前が神父やったら新婦がいねぇじゃねぇか!」
ハル   「ん?」
バハマ  「お?」

違和感の正体に気づくバハマとハル。
そこへ神主がウクレレ持ってやってきた。

神主   「書きましたよ、新譜。というか書いてたんですけどね
      趣味でして。はは」

そう言って、神主はリビング中央に座り、ウクレレを構えた。

神主   「聞いてください。天照!」

タララン♪とウクレレが鳴り響く。
そのとき、突然扉が開いた。

たいちゃん「できたぞ!!!」

たいちゃんはへたくそな人間の絵を突き出した。とても神父とは思えない。

やいやい何か討論している三人をバックに
楽しそうに【天照】という曲を奏でる神主がいた。

END
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