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皮膚に疾患のある人の公衆浴場入浴について

皮膚に疾患のある方の入浴については、正直に言えば施設側としても判断に苦しむところがあります。

大前提として、伝染性の疾病のある方の入浴は、公衆浴場法、お断りをしなければならない決まりがあります。

伝染性膿痂疹(とびひ)


俗にいう、とびひと呼ばれる状態はこれにあたります。化膿した状態の皮膚などにはブドウ球菌などの細菌が原因で起こります。

菌は伝染をしますので、かきむしるとどんどん広がります。

  
アトピー性皮膚炎は、それ自体は感性症でなくても、重い症状の場合、掻きむしった傷口に、菌が付着してとびひとなることがあります。

そもそも、塩素殺菌が義務付けられた公衆浴場のお湯は、アトピー性皮膚炎の方には刺激が強いと思います。

塩素による症状悪化


以前、全身が乾燥し、紫色の肌をした男性が、薬湯に浸かって手で体中を擦って入浴しているのを目撃しました。

湯船には、剥がれ落ちた皮膚が粉状に浮いて、一面に広がっています。 

薬湯が、効くと思われていたのでしょうが、さきにも述べたように公衆浴場のお湯は、法令で塩素管理しています。

それは、水道水を溜めた家庭の浴槽よりも厳しい基準となります。

温浴施設の浴槽は薬湯であっても、塩素消毒をしていますので皮膚が弱い方には、刺激が強く改善には逆効果だと思います。


僕には、長年アトピーで苦しんでいた家族がいますが、お風呂の蛇口、シャワーに塩素除去装置を付けることで、症状が嘘のように改善しました。

公衆浴場法には、浴槽内を不潔にする行為、不衛生にする行為を排除しなければならないという決まりがあります。

この男性のお客様には、非常に気の毒ですが、事情をご説明して、退出願いました。

温泉の肌荒れ治癒効果

肌荒れに良いと言われる温泉も注意が必要です

温泉には、肌に良いとされる効能のお湯もあります。省令によって、療養泉として都道府県知事の許可を受けた浴場も実在します。

これらの効能が期待できる泉質で、掛け流しなどの条件によって、塩素殺菌がされていないお湯で、上記の認可を受けた施設でならば、効果はあるかもしれません。

ただし、街中温泉の掛け流し表記には注意が必要です。全量をかけ流して、溢れたお湯を排水している施設はほとんどありません。

少量の温泉を補給し続け、大半は濾過循環しているケースが大半です、この場合、塩素殺菌は義務づけられています。

この条件を満たすのは、温度の高い温泉が湧きでている湧出量が豊富な源泉を持つ温泉地で、下水ではなく河川などの自然放流が認められた、限られた温泉着でなくてはまず無理です。

デリケートな問題ですので、施設運営でも心を砕く問題ですがご理解いただきたいと思います。

おm

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