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そうだ、銭湯に行こう!良い施設を見分ける3つの視点

自分の売る商品に興味のない人から商品を買ってはいけない。

日ごろ、おふろに関する記事を書いているのですが、先日ある異業種交流会でよい銭湯と悪い銭湯の違いはどこで見分ければいいのかといった質問をされました。

この答えはすごくシンプルです。清潔でメンテナンスのいき届いている施設がどうかです。お風呂屋さんですから清潔であることは基本中の基本といえます。

床やカランまわりのぬめり、水垢で曇って顔が映らない鏡、目地のくろカビは日頃の清掃状況ができているがどうかがわかります。故障したからんを放置しているのは問題外ですし、シャワーのオートストップの調整ができていない施設も問題です。

銭湯は古い建物が多いので、日ごろの営業姿勢の蓄積でその違いははっきりと出ます。剥がれた床や、壁が放置してある施設はお湯の管理も正しくできているのか気になります。

ちなみに、銭湯や温泉施設の運営を続けていると、普通はお湯の状態が良いか悪いかは匂いでわかります。敏感な人は、浴室に行くまでもなく、建物に入った瞬間に違和感を感じる人もいるくらいです。これは、常日頃から意識しているからこそ可能になります。

ですから、お湯が匂うとか、汚れているというのは通常では考えられないですし、それが放置されている施設があったとしたら、お客様商売をする資格はないでしょう。

凄腕のシェフの店が繁盛するとは限らない


これは、お風呂屋さんに限ったことではありません。

たとえば、腕の良いオーナーシェフが経営するお店。料理の味見は厨房だけで行うのでは本当のサービスの提供ができているのか疑問です。お客様が座る椅子に座り、テーブルに料理を並べ、そこから見える景色も含めての料理だと思うからです。

どんなに美味しい料理でも、ぐらついた椅子に座らされては食事に集中できないですし、視線の先に段ボール箱が放置されていては興醒めしてしまいますよね。

スーパー銭湯の運営に携わっていた頃は、週に一回は営業中にお客さんに混じってお風呂に入っていました。浴槽の中からしか見えない景色というのがあって、気になることはチェックしていました。

お客さま同士のおしゃべりにも耳を傾ける。話の内容はさまざまです。

施設のサービスについて話している声があれば、それは即宝の情報です。近所で起こったことなんかでも、今後のサービスを考えるのに役立ちます。

近々、少年野球の大会があるとか、街の祭りがあるとか、そういった情報に合わせてイベントを計画することもできますからね。

盗み聴きばかりではありません。入浴していると必ず常連さんに見つかりあれこれ話しかけてこられます。世間話から、耳の痛い話やお褒めの言葉など。

だから自店のお風呂につかていても一向に気が休まることはありません。入浴そのものが大事な仕事だと思っていました。

コンサルタントの仕事をはじめてからは、施設を運営しているオーナーが自店の施設を利用しているか否かは必ずヒアリングします。

いくら、お金を払って外部コンサルタントに仕事を依頼しても、自身で問題に直面しようと思われないと、どんな提案も猫に小判のようなものです。

お客様を教育さできている施設とそうでない施設

さて、銭湯の良し悪しの見分けかたに話を戻します。

地域性もあると思いますが、お客様のマナーを身ればその施設の良し悪しはわかります。

たとえば、下足ロッカーがあるのに、誰も下足ロッカーを利用せずに玄関に脱ぎっぱなしになっているとか、いつも洗面器が散乱している洗い場だとか。

マナーの悪いお客さまが多いのは施設がそれを放置しているからです。

靴箱に靴を入いれていない靴はフロントで預かる。そうすると靴が盗まれたとクレームをつけにきますので、フロントでお預かりしていました、今後はロッカーの利用をお願いしますといってお返しすれば良いのです。

洗面器が散乱している洗い場は、それを放置しているのが原因です。いつも整然とした洗い場なら、そこのお客さまは使った後の洗面器や椅子はちゃんと整頓されるものです。

それができていない施設は良い施設とはいえないですね。

ほこりにまみれた高価な造花と牛乳瓶にいけた一輪の花

ある施設を利用したのですが、館内にある大きな花瓶に豪華な造花が飾ってありました。館内のメインのオブジェとして開店時から飾ってあるのだと思います。

ただ、その造花がいかにもくたびれた感じで、うっすらとほこりをかぶっている。年に何回かは、ほこりを叩いてはいるのでしょうが、館内のメインに鎮座するその花瓶と造花はなんとも侘しいというか、風采の上がらない感じがして非常に残念な感じがしました。

それに対して、家族経営のこじんまりとした銭湯ですが、フロントの一輪挿に飾られた、摘んできた野草が生けてある施設。こちらのほうが親しみがあって心地よさを感じるのです。

良い施設とそうでない施設を分けるのは、結局そういった運営サイドの「想い」みたいなものがあるかどうかでしょうね。

その想いにありがたさを感じながら、一風呂ちょうだいいたします。運営側とお客の粋な掛け合いがあってこそ気持ちよく利用できるのだと思います。

まとめ


良いお風呂屋さんの見分けかた
1清潔であること
2その施設のお客様のマナーが良いこと
3施設運営者の心遣いが感じられること

気持ちの良いおふろ屋さんを見つけて、通ってみてください。


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