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健康寿命を延ばす理想の入浴時間:温活クラブ

理想の入浴時間は10分〜15分

 健康の側面で理想なのは40度前後のお湯に10分から15分、肩まで浸かるというのが模範解答です。

 少しぬるめのお湯で、ゆっくりと皮膚が温められると、血管が拡張して血流量が増加します。
 
 温められた血液が身体じゅうをめぐって,
全身はさらに温まります。

お湯で肌を温めるのではなく、体中を巡る血液が、お湯によってゆっくり熱交換しながら温められ、その血液が身体の芯まであたためていくイメージです。

血管を拡張させることが大切

 40度程度のお湯でじっくり温めることが大切と書きましたが、お湯の温度が高い方が効率的ではないかと思われるかたもおられるかもしれませんが、熱すぎるお湯は問題があります。

 お湯が熱いと、自律神経の交感神経が優位になります、身体は緊張状態となり、血管は収縮してしまいます。

 血圧があがり、心臓にも良くないのですが、血管を収縮していると血の巡りも鈍くなります。おまけに熱いので、入浴時間も短くなります。

こうなると、熱いお湯で肌は暑くなっていますが、体の芯まで温められていないので、湯冷めもしやすいことになります。

 健康寿命の観点では、熱いお湯より、ぬるめでじっくりがおすすめです。

炭酸泉の体温上昇効果は水道水の1.5倍


 さて、ここで炭酸泉のことについて触れておきます。炭酸泉は血管を拡張する作用があります。

 特に、1,000ppmを超える高濃度炭酸泉は、水道水で沸かしたお湯と比べ体温上昇の効率が良く、ある実験結果では、人工炭酸泉と水道水の沸かし湯では体温の上昇率は約1.5倍もの違いがあるとの報告があります。

 健常な成人男女15名に41度の人工炭酸泉と水道水の沸かし湯に15分浸かったところ、水道水の沸かし湯の場合、皮膚の深い部分を測る深度体温計で平均0.9度の上昇に対して人工炭酸泉の場合1.4度上昇しており、その差は0.5度の違いがありました。

  体温の0.5度は身体にとってはとても大きな違いです、平熱が36.5度の人が37.0度になれば、微熱を感じる状態なのでその差はお分かりになると思います。

高濃度炭酸泉の血管拡張効果

 
皮膚から吸収された炭酸ガスが、血管に作用し始めるのに約4分、そこから血管は2倍近く拡張します。流れる血量は従来の4倍近くになります。

  体温より少し高めの40度前後の温度でゆっくりと血を温めながら10分入浴、ぬるめのお湯ですから身体への負荷は少なくてとても理想的です。

高齢者の入浴時間


 人間が体内で創り出したエネルギーの75%は熱に変換され体温を維持するのに使われています。体温は健康維持に重要なファクターです。

  私は一時時介護士として、週末は介護現場に立つことがありました。100歳を超えても元気に歩き回るお方は総じて体温が高いように感じます。

 一方寝たきりでベッドでの生活が中心の方は手足が冷たく体温はお元気な方に比べ低いと感じられます。 

 ここでの体験談なのですが、浴室は暖房で温めて、浴槽に浸かる時間の目安が半身浴で5分程度という目安基準がありました。

 元来、おふろ屋の私にとってはこれは衝撃的でした。これじゃ暖まらないし、お風呂を健康寿命に寄与させる、という目的にも適合しない。

問題がないと判断できる高齢者は、設置温度を少し低めにして、肩までしっかり浸かり、10分間。断然こっちの方が良いと思います。

高濃度炭酸泉が導入できたら、尚良いのになと感じます。
 
高濃度人工炭酸泉が、介護施設でも導入しやすくなる活動も、力を入れたいと思います。


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