60代はネタの宝庫!SFプロトタイピングで、過去と未来を文章化してみる。
20代中ばのころ、ブラック企業で働くぼくは、現実逃避のためか、成人したおとなとは思えない稚拙な妄想をよくしていた。
パソコンのようなものを鞄から取り出し、ブラインドタッチでキーバードを打つ。携帯電話のようなもので、誰かと英語で通信をしている。冴えないサラリーマンの正体は、実はどこかの国の諜報部員か、組織のシークレットメンバーであり、何らかのプロジェクトに関わっているのだ。そう、VIVANTの世界!ほんとの俺は、こんなところで働く人間じゃないみたいな・・・
パソコンのようなものや、携帯電話のようなものをイメージしているわけだから、既にその原型はS F小説か、ハリウッドのスパイ映画の中あたりに具体的に描写されていたのだろう。しかし、当時は一塊のサラリーマンがそういったものを使うような時代が来るなんて、ゆめゆめ思いもしなかった。
諜報員にはなれなかったが(なるつもりもなかったが)間も無く60歳になる自分がブラインドタッチでキーボード入力をし、Googleの日本語訳で英語はおろか、世界中の言語を理解している。しかも、目が悪いので、日本語で読み上げもしてくれる(まるで、VIVANTのドラムみたい!)
当時の自分が今の自分を見れば、漫画に登場する何やらいわくのある爺さんのように映るだろう!
S Fプロトタイピングで未来を描いてみる
先日、ジャーナリストの佐々木俊尚さんが新しい会社を立ち上げたと話をされていた。会社の名前は「株式会社SFプロトタイピング」
SF的発想でまだ実現していないビジョンの試作品( プロトタイプ)を作ることで、他者と未来像を議論・共有するためのメソッドをSFプロトタイピングと呼ぶそうです。
SF作家の小野美由紀さんと組んで立ち上げられた会社なのだそうですが、SF作家の想像力を企業の未来のビジョンに活かすのが斬新です。
一つの技術が誕生することで、何かが便利になることは容易に想像できても、それによって巻き起こる社会の変革を想像することは容易とは言えません。テクノロジーを軸に社会を見据えてきたジャーナリストと、多角的な想像力を持つSF作家との組み合わせは実に楽しみです。
実は、既に多くの企業で、SFプロトタイピングによる活動は進められており、その成果物でもある
小野さんによる企業の未来作品も読むことができるので興味のある方は是非読んでみてください。
読み物として、とても面白いです。(↓をリンク)
60代で書く力を手に入れる魅力
佐々木俊尚さんは、年齢は僕より少し上なのですが、多くの知見があり、かつその知識がまとまっていて、アウトプット力がものすごく高い。作家だから文章力はもちろんですが、話もうまい。難しい内容も、わかりやすいので理解力も深まります。
テクノロジーに関する知識は、ほぼ佐々木さんに頼っています。そこに、SF作家の想像力が加わわれば、これはもう面白くないわけはない!想像もできない未来が、現実として思い描くことができるだろうなと感じています。
プロのジャーナリストや、小説家に敵うわけはないですが、書くことに憧れを感じています。
今の自分には冒頭で描いた20代の頃と変わらない想像力と表現力しかないのですが、自分が体験してきた世界や、業界が、この先どうなるのか?あの時の自分が現在の知見を持っていたとしたら、どのように活かしていただろうか、そんな想像をすることが面白いからです。
それは、単に過去を懐かしむだとか、後悔すること、でも、しか、の話ではなく、その時代を生きた一人の人間の証として、そして未来での答え合わせとしての資料としても役立つこともあるのではないか、なんて思えるからかな?
そして、その物語や仮説を表現力豊かに文章にすることができれば、これほど楽しいことはないでしょう。
60代、誰だったそれなりのネタはあるはす、だから書くことがおもしろい世代なんです。
音声配信はコツラ↓
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