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富士宮旅行記

一人旅をはじめてもう6年になる。
とはいえ、コロナ禍で行けなかった時期があるから実質4年くらいだろうか?
きっかけは、実は占いである。

いろいろあって九星気学という占いで見てもらったところ、
毎月吉方位へ行って1泊してきなさいという指令(?)がくだり、まず最初に名古屋へ行ったのが始まりだった。
初めて行く土地で特別に行きたい場所もなかったので、美術館とか博物館とかを見つけて行ったり、熱田神宮へ行ってみたりした記憶がある。

そんな感じでコツコツと毎月どこかへ行くようになったのだが、これが結構楽しい。
どうやら移動好きな月星座双子座のわたしにとってはピッタリはまったようだ。

だいたい美術館と神社はどの土地にもあるのと、病気持ちには効くということで、その後神社でお水取りも始めたこともあり、吉方位で行く場所が決まったらセットで行くようになった。

場所は自分では選べないし、その方角で行きやすいところとなると何度も同じところへ行ったりしたけれど、
土地勘が出てきたり、次はどこへ行こうかな、という楽しみもでてくるものだ。

肝心の運気が上がったかというと、正直実感はない。
でも楽しいからまあいいか、みたいな感じでコロナ禍が明けた今、また前のようなペースで行けたらいいなと思っていた。

で、どうして今さらこれを書こうとしたかというと、
電車の乗り換え時間にちょっと書店の店頭を見たところ、この本が積んであり少し中を覗いてみたら面白くて即買いしたのです。

47都道府県 女ひとりで行ってみよう  益田ミリ 著

47都道府県は行けないかもしれないけど、せっかくあちこち行ってるのだから、わたしも同じように記録に残しておこうかなと思ったの。

今回の富士宮のドタバタ劇場も含め、結構やらかしも多くて自分のポンコツ具合も後になれば笑い話にできるし
本当になんとなくなのだけれど、書いてみたくなった。ただそれだけです。

いつまで続くかわからないけど、方位取り旅行記、始めてみます。

     ☆

まず今年最初の方位取りは静岡県の富士宮市。

去年は新潟と長野へ行った後、体調を大きく崩してどこにも行けなかったのでのでだいぶ久しぶり。
今年は西が凶方位で、行ける月でも200kmまでの制限があるので名古屋までも行けない。
となると、富士辺りが限界なのです。(神奈川在住のため)
せっかくだからずっと行ってみたかった浅間大社へ行こうと思い立ち、富士宮で一泊することに。
方位取りは距離が大事なので、距離を稼げない近場はいつも通り過ぎていたけれど、ようやく行けるのもちょっと嬉しかったりした。

今回は近いのでツアーではなく、ビジネスホテルを予約して電車も鈍行なのでちょっと気楽。
ゴトゴトと東海道線の普通電車に揺られてのんびりな行程となった。
富士宮には飲食店が少ないようなので富士で下りてランチをし、ホテルで荷物を預けて浅間大社へお参り行こう~みたいな予定を立てていざ出発。

ところが、事前にモバイルsuicaにもチャージして準備万端!な筈が、なぜか改札で反応しない。
え、どゆこと?と思いながら仕方なくカードのsuicaで入り、旅の始まりからアレ?というひっかかる気持ちを振り払い、予定通りの電車に乗った。

祝日だけど下り電車は平日同様に空いていて、まあまあ快適だった。
東海道線の下りは上りと違い、だんだん鄙びてくる景色でなんとなく心が和む。
富士駅へ着き、あたりをつけていたお店のオムライスを食べようとスーツケースをゴロゴロしながら、富士山がでっかく見える商店街を歩いた。
アーケードのある立派な商店街なのだが、シャッター街になっていてやや寂しい気持ち。
夜になれば開くのかな?なんて淡い期待を抱いて横目に見つつお目当ての店へ。
流行っているお店らしく活気がある。
少なめを頼んで程なくしてオーダーのオムライスがきた。
見た瞬間、痩せたオムライスだな~と思ってしまった。
オムライスというのはパンパンに太っていないとなんか可哀そうなんだなと思ったので、次に頼むときは普通サイズにしようと思う。

普通サイズはもっとふっくらパンパンですよ!

美味しく頂いた後はいざ今日のハイライト、浅間大社へ向かう。
2月のよく晴れた日でわりと温かく、神社参拝には最高の日和である。
今日はいい日だな~なんて思いながら富士宮へ向かう身延線の中でボヤっとしていて、そうだストールを出そうとカバンの中を見たら、ない。
あれ?どこか置いてきた?と思ったら「あっ!」と声が出てしまった。

スーツケースごと、お店に忘れたのである。

店内が少し暗くて、入り口と逆方向に置いた黒いスーツケースはすっかり私に忘れられて放置されたのであった。
次の駅で飛び降りたら戻る電車がホームに向かってきたので全力で走り、飛び乗ってセーフ。
お店に電話をしたら、お預かりしていますー!と明るい声が帰ってきてものすごくホッとした。
来た道をまた戻る残念なわたし。
恥ずかしくてどうしようもなかったのに、先ほどの店員さんがすぐに迎えてくれて「気づかずすみませんでした!」と笑顔でおっしゃった。
忘れたのは私の方なのに、気を遣って頂いて本当にすみません。
ショーケースに並んだタルトがとても美味しそうだったので、今度はタルトを食べに行きますね。

久しぶりの方位取りとはいえさすがにこのドジっ子ぶりに自分でうんざりし、ちょっとテンションが下がったので今日は神社やめようかなーなんて弱気になったりしたんだけれど、
とりあえず気を取り直して、100%の行く気満々ではないけれど行ってみることにした。

浅間大社はホテルから歩いて10分ほどのところにあるので荷物を預けてグーグルマップを頼りに細い道を歩く。
この道で本当に大丈夫なの?って思うような小道なので、スマホって本当に有難いなと知らない土地に来るといつも思う。

朱色の大きな鳥居と富士山の写真を撮り、本殿へ向かうとまあまあ並んでいた。祝日だもんね。
コノハナサクヤヒメを祀る神社だけに、女性的で柔らかく、明るい雰囲気の神社だ。
境内には桜の木がたくさんあって、桜の咲く季節にはさぞかしきれいなんだろうと思う。

早咲きの桜が少し開いていました

参拝をしておみくじを引こうかと思ったら咲良みくじがあった。
すっかり忘れていたけど、ここには水にさらして文字が浮き出るおみくじがあったんだよね。
300円を木箱に入れ一番上のおみくじを取り、はやる気持ちで湧玉池でおみくじをさらす。
なかなか出てこないしなんだか読みづらいぞ、と思ったら、漢字だと字がつぶれてしまうのでひらがなが多いのね。
とりあえず大吉やったー!と思った後にじっくり読み込む。
大吉だけど「心よせすぎても相手は引く」という忠告があり、おおお…気をつけますと心の中で返事をした。別に心寄せる相手もいないけど一応ね。

水色もあるよ。結んで裾広がりにすると富士山の形になるのです。

ひととおり境内を見て満足したので初日のイベント?はこれでおしまい。
スーツケース置き去り事件を起こしたのでごっそり疲労していて、神社行っただけでも偉いぞ自分な気持ちになっていた。

翌朝は前日よりもっと晴れて暖かい日だったので、もう一度行っておきたくて再度浅間大社へ。
平日の午前中だったので人もまばらで空気は清々しく、大変気持ちのよい時間を過ごした。
やっぱり神社は午前中で空いている時がいいね。
昨日よりもゆっくり境内を歩き、少しばかりお水を水筒に頂いてまた朱塗りの鳥居へ戻る。
その日は雲一つない青空で、富士山がくっきりと美しく見えた。
いつも新幹線で通り過ぎて一目だけ見る富士山をこんなに堪能したのは初めて。
こういう旅もいいもんだね。

水面に映る富士山も素敵でしょ。

近くには富士山世界遺産センターというものがある。入ってみたらなかなか見ごたえがあって、疑似登山体験?もできた。体力的におそらく一生富士山に登ることはないと思うので、私にはここで充分かな。

富士山世界遺産センター 中が螺旋階段になってます。

ここへ来たら名物の富士宮やきそばを食べるものなのだろうが私はちょっとお腹が弱く、焼きそばはソースが胸やけするのでパスし、
お腹が元気になったら食べる約束を自分として、富士へ戻って繊細で美しい和食を頂き満足なランチをした。
通りすがりに前の日から気になっていた都まんじゅうをお土産に買い、帰路へ着く。
すっかり慣れたと思った一人旅で大失態をやらかしたけれど、ネタにできたので結果オーライ。
今度はスーツケースに派手な細工でもして、また次の方位取りの計画を立てようと思う。

そうそう、反応しなかったモバイルsuicaだけど、電源を入れ直したら正常に作動しました。
とはいえあのヒヤッと感は嫌なので、カードと両方持つのが安心ね。

話は変わるが、飲食店で出てくる普通のお水がとっても美味しかったのが印象的だった。
やっぱり富士山のそばはお水が美味しいのね。
次行く時はポリタンク持って行こうと思いましたよ。
皆さまも富士へ行かれた際は是非お水を味わってみてください。


今回の旅で遣ったお金

交通費    約5,000円
宿泊費     6,600円
食費     約4,000円
咲良みくじ    300円
お賽銭      内緒
世界遺産センター 300円
都まんじゅう   400円
はちみつレモン  151円
本        628円
合計     約17,379円

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