見出し画像

教科書文学のすすめ2「わたしと小鳥とすずと(金子みすゞ)」みすゞ忌に思いを馳せる

3月8日は国際女性デーでしたが、今日は何の日?とふと思い立ち、調べてみると、金子みすゞさんの命日でした。

みすゞ忌法要が、山口県のお寺で執り行われているそうです。

ということで、今回は金子みすゞ「わたしと小鳥とすずと」を紹介します…と言って、本来であれば引用するところなのですが、今回は引用しないことにしました。

なぜかというと、青空文庫で金子みすゞ作品を検索すると、作者の人物像について説明する欄に、

※作者の死後、関係者の努力によって発掘された経緯を踏まえ、取り組むか否か検討中。

このような文章が掲載されており、入力作業を控えているようでした。

それなのに、「noteで私が載せてしまっては意味がないのでは?」と思い、今回はみなさんの記憶を頼りに書いていくことを決めました。

教科書をお持ちの方はぜひ、読み返してみてくださいね。


「みんなちがって、みんないい」だけじゃない、この詩の魅力とは


みんなちがってみんないい、すなわちもともと特別なオンリーワン。
(世界にひとつだけの花〜を思い出すのは私だけでしょうか)

この詩はこの「みんなちがって、みんないい」の部分が強調されがちですね。

でも、この詩の魅力は、それだけじゃないんです。

詩の中では「私が〜しても、〜はできないが」という文を繰り返します。

この、人を羨んだり、自分のダメなところばかり目についてしまったりという気持ちは、誰しもが経験した事がある感情なのではないでしょうか。

小鳥やすずという小さな存在を対象にしているのも、いいですよね。

小鳥とすずと、そんなちっぽけな存在にとらわれている『わたし』。

私はこの詩が好きです。

無理な元気パワーではなく、自然と、自己肯定感を高めてくれるこの詩が。

「みんなちがって、みんないい」は、くさくさした気持ちをなだらかにしているだけで、やっぱりこの詩の本質ではないような気がしてきたところで、本日はお開きにします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?