自分の価値を知る。〜こえたん! 公演の記録〜
誕生日と聞くと何を思い浮かべるだろう?
プレゼントをもらう。少し背伸びをしてレストランに行く。
ケーキを買う。
___彼女の過ごし方は少し違っていた。
好きな人と演劇をする。
「こえたん!」への想い
事前にこえだちゃんと、桜さんにインタビューを行った。
_____ 今回の「こえたん!」企画のきっかけは?
こえだ
桜が以前開催してた「さくたん!」を知った時に羨ましいなって思ってて。劇団crown crown(以下、クラクラ)に2人とも所属してて、ずっと桜のインプロを見ていたのね。私が好きなインプロをするなぁって思ってたの。
桜
初耳なんだけど!
こえだ
2月にクラクラで公演があって、桜とインプロショーをやれる!と思ったんだよね。
結局、桜は出なかったから「ふざけてる!?」って思ったよ(笑)
______(笑)
桜
別のWSで一緒になった時に、「劇団公演になんで出なかったの!?」って最初に言われたんだよね。
一緒にインプロしたかったって聞いてなかったから「なんで怒られてんの、私!?」って思っちゃった(笑)
こえだ
とりあえず文句言おうかなって(笑)
…ちょうどその頃、インプロが楽しくない時期があったんだよね。その時はクラクラに入って3ヶ月しか経ってなかったんだけど、自分が必要なのかわからなくなってしまって。
自己肯定感がすごく低かった時期だった。
そんな時に今回の会場の支配人、池田レゴさんに「こえたん」をやってみたら?って5月ごろに言われたの。
やってみたらって言う人がいるんだったらやろうって。
予算なんか気にせずに、すぐ本番の日だけ決めた。
_____私は来月インプロショーをやるんだけど、決めたのが5月なんだよね。偶然だね!
そういえば、今回の料金はカンパ制だけどなぜ?
こえだ
カンパ制は価値がわかりやすいなって。ファンもいないし絶対に埋まらないって思ってた。5人くればいい方かなって。
(私もお客さん来てくれるか怖いなぁ…)
_____私は逆に価値を決めてもらう方が怖いなぁ。
公演まで1ヶ月切ってるけど、もうチケット完売だよね。お客さんは知り合いばかり?
こえだ
うん、知らない人はほとんどいないかな。
そういえば、鹿児島で演劇部に入ってたんだけど、その時の後輩が見に来てくれるのが本当に嬉しいの!
しかも、その演劇部の先生がご縁で忍翔さんと会ったんだよね。
_____え!? すごい偶然!
こえだ
すごいよね。奇跡なんだよね。
私の当時の課題として、舞台に立つとセリフが飛ぶって言うことがあって。
先生と忍翔さんの間に知り合いがいて、その方がクラウンというワークを勧めてくれたの。
楽しかったというより優しくて温かかったなぁって。反復横跳びをやってスベッたんだけど、それがいいよねって言ってもらった。
当時は「この人たち何を言ってるんだろう?」って不思議だった。全然できなかったなぁ。笑われなかったし。
桜
うんうん。
こえだ
クラウンって素に戻される感覚があって。自分に何かが起きるタイミングでやってるから、そろそろまたやる時期じゃないかなって思ってる。
このクラウンの後に桜に出会ったんだよね。
_____縁ってつながるから不思議だよね。次は稽古を見にいくね!
互いを見る。作りあげる。
モノローグ、台本芝居、インプロ。3時間に圧縮される。
魅せ方をよくわかっている。学生時代に演劇部だった影響もあるだろうが、それだけではない。
導き方が、忍翔さんに似ている。
「演技と演出を明確に分けて伝えてるね」
帰り道にこえだちゃんに言うと「演技については自分の主観を入れないようにしているんだよね」と当たり前のようにサラッと言った。
主観が入ると演出になってしまう。だからこそ、俳優をどのようにしたら動きやすいかを考えている。
これは動きやすい?
(感情的に)気持ち悪くない?
つよしさんと桜さんはストレートな言葉に臆することなく意見を伝える。
私はと言うと、思わず口をついて出た言葉に言うべきではなかったと反省してしまう瞬間があった。
それでも、温かく受け入れてくれた3人に感謝...!
じっくりと準備をしてきた期間が作品を通じてどのように表れるのか?
こえたん! 当日
9:00。会場では準備が始められていた。
リハーサルが終わり、本番まで1時間。
こえだちゃんは「緊張でお腹痛くなってきた、帰りたい〜」「吐きそう〜」と叫びが止まらない。
「でもお客さんが来たら楽しくなるんだろうな〜!」とも。
嬉しくて緊張する。そんな感情を持つ人々にあと何回会えるだろう。
舞台写真
お客さんの撮影はインプロの部分以外は禁止としていた。緊張してしまうから、とのこと。「インプロのときは気にならないから撮影いいんだけどね」と話してくれた。
みんな天才で
能力がバランス良くあっていいね!!
問いかけていないのに、自然と彼女から出た言葉に嬉しくなった。
公演の最後には、こえちゃんにサプライズ動画も。
驚きつつ、とても嬉しそうだった。
公演については3人の言葉に詰まっている。
こえたん! メンバー
キャスト
スタッフ
撮影、文 : 中島早紀
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