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急速に広がるハイブリッド勤務から考える 幸福度のキーワードは「自己裁量権」!

企業の文化づくりをお手伝いし、メンバーの”働く幸せ”と事業成長をサポートする「Cultive(カルティブ)」のマネージャー佐藤佳織(かおりん)とディレクター荒井萌(もえ)が、”働く幸せ”に関するノウハウからよもやま話までSpotifyで幅広く発信中!

リモート勤務とオフィス勤務。コロナ禍を経て、働き方が変わった方も多いのではないでしょうか。
実は個人の幸福度に関しては労働形態だけでなく、働き方を「自分で意思決定をする」ことも大きく関わってきます。それはどういうことなのか。一緒に考えていきましょう!


あなたの会社の働き方は?「週1リモート制度」の事例を見てみよう

荒井:今日ピックアップしてきたのは、ForbesJAPANの『「オフィス勤務義務化で企業文化が改善」と考える経営者の見落とし』という記事です。内容はざっくり言うと「ハイブリッド勤務の会社は、完全リモートor完全オフィス勤務の二者択一的になっている会社と比べて、従業員エンゲージメントが高い。」というものでした。

荒井:新型コロナウイルスの感染が拡大した当初は、完全リモート勤務に振り切る会社も多くありましたよね。ここ数年で働き方に変動があった企業さんも多いと思うので、改めてお話ししてみるのも良いテーマかなと思い、持ってきました!

佐藤:ありがとうございます!そうだね、すでにマスクを外してる人もよく見かけるようになりましたね。

荒井:スペサンでもコロナ禍以前は原則オフィス勤務だったと思いますが、それ以降は週1リモート制度を導入しましたよね。

佐藤:はい。コロナ禍以前は「対面でのコミュニケーションってすごく大事だよね。」という考え方が社内に根付いていて、毎日出社を基本としていました。コロナの影響もあって週1リモート制度を導入して、一週間のうち1日はリモート勤務をしても良いという体制に変わりました。コロナが落ち着いてからも継続している制度ですね。

荒井:週1リモート制度を継続している理由とか、ぜひ聞きたいです!

佐藤:きっかけはメンバーの声ですね。普通に「リモートいいな。」って言っていて(笑)。その意見を深掘りしてみたら、リモートの方が「自己研鑽やインプットなどの自分の時間が作りやすい。」とか、「パートナーとの時間が取りやすい。」といった意見があるとわかりました。

佐藤:対面のコミュニケーションも大切だけどやっぱり働く上での「一人ひとりの幸せ」を考えることも大切だよね、という観点から、週1リモートの制度が導入されることになりました。

荒井:なるほど!週一リモート制度を導入してみて、みんなの反応ってどうですか?

佐藤:制度に対しては、ポジティブな意見が多い印象です。導入されてよかったという声も多数いただきました!

働き方を「自分で選ぶ」ことが、幸せに繋がる?!

佐藤:最近は出社とリモートを使い分けて働く、ハイブリッド勤務が主流になってきている気がしますよね。

荒井:なんでハイブリッドが良いのか、というのを少し前にかおりさんとお話していた時に、自分で決められる「自己裁量権がある」という心地よさが、ハイブリッド勤務の良さなのではないかと。ちなみに自己裁量権って、スペサンが大切にしている幸福度の話と重なる部分があったりするのですか?

佐藤:そうだね、自己裁量権が幸福度に影響を与える、というのは色々な所で言われています!だから、働く場所や働き方についても自己裁量権が認められていると、当然幸福度に繋がると思いますね。

佐藤:そこからさらに、萌ちゃんとはもう一段階深掘りました!「なぜ自己裁量権が高いと幸福度が高いのか?」って(笑)。

荒井:そうなんです!「自己決定理論」という話が関係しているんですよね!

佐藤:そう!アメリカの心理学者が研究した自己決定理論では、基本的に人間に備わっている生理的な欲求の他に、自分で決める・自分で責任を持つ「自律性」と、自分の能力が優れていると実感できる「自己有能感」などが満たされていることが、幸せに生きるために必要なのでは、と書かれていました。

荒井:神戸大学でも、自己裁量権と幸福度の関連を示すような調査がありましたよね。高校・就職先などの進路を自分で決めてきたのかどうか、それによって今幸せだと感じているか、というアンケートをとった時に、自分が決めてきたって言い切っている人の方が幸福度が高いだけじゃなくて、収入とかも高いみたいで。

荒井:さらに「なぜ幸福度に違いが生まれるのか。」について書かれている文献もありました。自分で人生の選択をしていると「自分で決めたから」という理由で努力する確率も上がるし、自分の成果に対する責任や誇りを持ちやすくなる。その結果自尊心などが向上して、幸福度に繋がっているのでは、と書かれていました。

佐藤:やっぱり、自分で決めたという事実は大きな原動力になるよね。職業別で幸福度をみても、経営者やアルバイトの人達の幸福度って高いんですよ。共通点はやっぱり、自己決定権や自己裁量権の有無だと言われていて。

荒井:確かにアルバイトも自己決定権がありますね!まず、そのアルバイト先を選ぶのは自分自身ですし!

佐藤:だから自己決定権が一定担保されている状態を作れるようなハイブリッド勤務が幸福度の向上に繋がるのは、すごく納得感あるよね。

裁量権のポイントは「適切な大きさ」と「公平さ」にあり!

佐藤:裁量権と幸福度の関係をお話してきましたが、個人的には裁量権が大きすぎると逆に幸福度は下がる可能性もあると思っていて。

荒井:なるほど・・・。特に日本人の場合は「周囲と同じである」ことに安心感を得る傾向が強い一面もありますからね。出社でもリモートでも、本当にどっちでも良いですってなったら「他の部署の人はどれくらい出社してますか?」とか聞いちゃいそう(笑)。

佐藤:そうそう!日本ってまだまだメンバーシップ雇用の形式だから、裁量権が大きすぎると逆にストレスになりやすいと思うの。出社日数を指定するとか、一定の制限を設けた上で自己裁量権がある状態をつくるのが、今の日本では心地良いのではと思います。

荒井:ある程度働き方のルールをつくるって「溝を生まない」という点でも、やっぱり大事なのかなと思いますね。例えば全ての出社有無の判断を社員に一任していた場合、毎日出社しているかどうかで、コミュニケーションの質や量の違いが生まれると思うんです。

荒井:ルールがないと、自分たちで選択しているのにも関わらず、メンバーとの距離が生まれることもあるのではないかと。

佐藤:萌ちゃんが「対面とリモートでのコミュニケーション量の差」の話をしてくれたと思うのだけど、これってすごく心理的に不安やストレスになるみたいです。私自身、リモートワークをしていて周りとのコミュニケーションに不安を感じていた時期がありました。

荒井:確かに、心理的なストレスはあるかも。リモートの導入と同時に、オープンなコミュニケーションを意識しないとですね。

佐藤:うんうん。それから制度を導入する時に、社内での格差をつけない方が良いと個人的には思っています。例えば、Aの職能の人はオフィス勤務義務化だけど、Bの職能の人は週1出社で良い、みたいな格差はあまりよくないかなと。

佐藤:情報格差が顕著にでたり、キャッチアップができないみたいな問題が発生しやすくなったりして、ストレスに繋がると思うので。なので、ルールはあまり細かく分けない方が良いのでは、と思っています。個人的な意見ですが・・・!

荒井:確かに、みんなに同じように選択権を与えるのは大切だと思います。会社によってそれぞれの事情もあるとは思いますが、裁量権を意識して制度やルールを導入すると、従業員のモチベーションや幸福度に良いかもしれませんね!

荒井:はい、では今日もありがとうございました!

佐藤:ありがとうございました!

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自身の幸福度が高まるような働き方について、深く考える機会は、あまり多くないのではないでしょうか。改めて、「どうやって働いたら幸せになるのか。」をぜひ考えてみてくださいね。きっと、より一層「働く」ということを充実させるポイントになるはず!

かおりんともえちゃんがよもやまと話しているSpotifyトーク!気になる全編はこちらからチェック!
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