わたしが新卒でパラレルワーカーになった理由〈後編〉
前編に続き、わたしがこの働きかたに着地した理由(≒就活ができなかった理由)をお話する。
1.心にスーツを着れなかった
2.フォーマット通りに話せなかった
3.もう評価されるのに疲れた
4.人間らしさを認めてくれる環境がよかった
5.やりたいことなんてやってみなきゃわかんない
3.もう評価されるのに疲れた
わたしは今働いている2社とも、(ありがたいことに)面接的なものは特になかった。
どんなにいい会社や人として自分を見てくれる面接官だったとしても、採用というしくみ自体がそもそも、「会社で使える人を採用する」という目的のために行われるので、評価する側とされる側という構造になってしまう。(判断するされる・選抜するされる、と言った方がわかりやすいだろうか)
そして、評価される、というのは誰にとっても苦痛である。
でも、わたしたちは普通、小学校に入ったときから長ければ大学を卒業するまで、評価にまみれた生活を送る。
小さいところなら日々のテストや学校での行い。しかもその行いには言葉遣いやちょっとした振る舞い・見た目などもすべて含まれている。大きいところだと受験や選抜試験。面接などではもちろん性格みたいなものも評価される。
もちろん反発したり、評価なんて気にしないで自分の軸で生きることもできるし、わたしは比較的そうやって生きてきた。とはいえ、これだけ強い評価という圧力のなかで20年近く生きてきて、もう疲れた。
そもそも資本主義というシステム自体が、いかに生産するか・いかに成長するかを基準につくられたシステムなので、そのしくみで「使える」(なんて嫌な響きだ…)人間の方がいいに決まってる。
だから、就活はその資本主義システムのなかの企業で「使える」奴かどうかを見定められる。どんなに「素に近いあなたを見せてください」とか「形式ばった面接ではなくマッチングなので…」とか言ってても結局は「使えるかどうか」に尽きるんだと思う。
それは今の社会では宿命なのかもしれないけれど、でもそれで幸せなんだっけか。しかもそのシステムに適合できることをそんなに一生懸命示す必要があるんだっけか。
誰もがみんな素敵で、できることもあればできないことはある。それじゃだめなのかな。
4.人間らしさを認めてくれる環境がよかった
わたしは今、チームメンバー(上司たち)とカレンダーを共有してるけれど、カレンダーに「生理」という予定を入れている。
そうすると、生理の前後は動けなくなるかもしれないし、少なくても作業量が減ってしまうことがわかってもらえて、タスクやミーティングの調整ができる。
生理のとき、(症状のあるひとは)普段通りに働くって絶対に無理。
分かりやすい例だったので生理の話を出したけれど、人間「毎日同じ」なわけないと思う。失恋した次の日なんて絶対使い物にならないし、二日酔いの日もあるだろし、逆に自分を鼓舞してくれる人に会った次の日なんて余裕で残業できちゃうと思う。そこまでじゃなくても、みんな毎日ちょっとずつ気分やモチベーションは絶対違うはず。
そんな気持ちや体調の浮き沈みを、ないもののようにされる場所では働けないなと思っていた。
だから、人間らしさを当たり前のように認めてくれる今のふたつの会社で働けているのはすごく納得がいく。
5.やりたいことなんてやってみなきゃわかんない
最後がこれ。
面接で「うちの会社でなにがしたいですか?」っていうやつ。
いや、あなたの会社で働いたことないし、そもそも会社で働いたこともないんだからわかるわけないじゃんwww
と思ってました…はい。
少し露骨すぎたかもしれませんが、そして、ネガティブな表現になってしまったけれど、ポジティブに言えば、「やったことないからやってみたいんじゃん」ということ。
でも、そんなのあんまり「就活」という文脈のなかでは認められない。
ちゃんと興味を持って調べてきてるかどうか調べたいのかもしれないし、大まかな業種くらいは調べればわかるのかもしれないけれど、
どんな部署で、どんなクライアントと関わって、どんなチームメイトと働くかなんて入っては足りてみないとわからない。
(わたしもまさか毎週、島根県の離島の人とオンラインでミーティングをしたり、ほんとに島に行ったりすることになるなんて夢にも思っていなかったし…)
だから、インターンをしてそのまま採用してもらえた、という流れはわたしにとってとても心地よかったし、もっとほんとうはそういう風に、きっちり4月からしか働けない、みたいなシステムじゃなく、もっと自然に働きはじめたり、一定期間働いてみれるしくみがあるといいんだと思う。
(そこにコストをかけずにいかに簡単にネットや面接でいい人材をとれるか、にコストをかけているけれど、それにより離職率が上がってまた新しい人をとる、という風になっているのなら、教育に時間がかかってでも長期インターンを雇う方にコストをかける方が健全なんじゃないかと思っている。)
つまるところ、そもそも「パラレルワーカーになりたい!」と思ってなったわけではなく、そして、「変わった働きかたをしてやろう!」とか「企業で働きたくない」と思ったわけでもなく、単に就活をしなかった結果行きついた、(ありがたいことに週の半分ずつ雇ってもらえた)ということ。
みんなもそうした方がいいよ、と言いたいわけではなく、わたし自身が実際にそういう働きかたをしている人に出逢えたから、就活ができなくても、普通」ではない働きかたをしても、「間違ってない」んだと思えたように、
もし今就活ができなかったり、卒業してすぐに就職することや大企業で働くことに違和感をも抱いていたりするひとがいても、間違ってないって思えたり、
生き方や働きかたにもやもやしたときに、「なんか変わった働きかたしてるひといたなぁ」ってちょっと思い出してもらえたらいいかなぁなんて思いながら書きました。(と言いつつ、一年前の自分に間違ってなかったよ、今幸せだよ、と伝えたいのかも…。)
前編・後編にわたって、わたしがパラレルワーカーになった理由 、つまり「Why」の部分をお話したけれど、じゃあ実際「どうやってパラレルワーカーになるの?」という「How」の部分をお話しできていないので、それはまた別の機会に。
読んでいただきありがとうございます。サポートいただいたお金は、ちょっと元気がないときにおいしいものを食べるために使います。