私の未来を冷蔵庫に賭けてみた。

「毎日必ず見かける場所は何処だろう?」朝起きるための目覚まし時計では小さすぎるし、時計が見えなくなってしまっては本末転倒だし。スマホもいいのだけれど、他の誘惑に惑わされてしまうので少し保留かな。TVは最近見なくなったし。かといって、PCのディスプレーに貼ってしまっては、使い勝手が悪くなり、迷惑極まりない。
　
　「ん？　あ！　冷蔵庫！　これだ！　これしかない。扉には十分すぎる。しかもフラット」なんて素晴らし立地条件だろうか！　即決であった。
　
　私は記憶することがとても苦手である。いつも何か忘れている。そんな私が、TOEICを受験するとは何て奇想天外なことだろうか？

　自分でも不思議な感じがする。でも、一回くらいTOEICの自己最高点を叩きだしたくなったことは確かである。
　私のTOEIC勉強。それは、英検2級を取った時のなごりを踏襲している。というか、英検の成功例の実体験しか、持ってないので、虎の子の勉強方法である。
　
　それは、過去問の内容を全て理解することである。ということは、過去問全ての単語を暗記するのだ。なんとシンプルな勉強方法だろうか。ひたすら暗記するのだ。
　
　そこで、大きな問題がある。私は記憶することが苦手である。ということである。
　色々な記憶方法を試して見たが、あまり実感が湧かなかった。が、何とかどうにか記憶できた。

　そこで思考錯誤し、色々な情報を書き集めた。結果であるが、「記憶と言うのは、記憶する物になるべくふれ続けること」と言うことであった。

　いつも、触れている名前。例えば布団や、枕、食器etc。恐らく忘れたことがない。
　もちろん、自分の身近な人、両親や家族の名前は忘れたことはない。(もし身近な人の名前を忘れてしまったら違う病気を疑った方がいいと、とある文章に書いてあった)
　
　あとは、いかに記憶する環境を整えるかと言うことである。そこで、色々自宅内をうろうろしてみた。(と言っても、一人暮らしの部屋なのでそんなに時間は掛からなかった)
　考えついた手法。と言うより、閃いてしまった。
「冷蔵庫」なぜ今まで気がつかなかったのかと自分を責めてしまった。そして、閃きの連鎖反応が起きてしまった。「冷蔵庫の扉に紙ではなくホワイトボードで書いたらどうだろう?」

　私はすぐさまスマホで確認して、文具店に自転車を走らせた。そこで、新たなる発見があったのだ。

「ホワイトボードマグネット」なんて素晴らし物だ。まるで人類の英知を結集して、私の壮大な実験のために創造された文具ではないか。値段を見ずに購入した。もちろん、黒いホワイトボードマーカーも一緒に。
　
　自宅に帰って来て冷静が訪れた。私が収集した情報の中に「青いペンで書くと記憶が定着しやすい」ことをすっかり忘れていたのだ。
　
　しかも、カートリッジ交換式。買う時は、次回はカートリッジ交換式の方が安くなる。ここまでの計画はよかった。
　しかし、しかしである。色まで到達できなかった。惜しい！　実に惜しい！　でも、ホワイトボードマーカーの買い忘れにはなっていないので、良しとしよう。
　次は必ず、青色を買うことを記憶する。

　とうとう実験の日がやってきた。ホワイトボードマグネットに暗記したい英単語を書く。そして、冷蔵庫に貼る。これだけである。
　一つだけ、こだわったこと。それは、記入した日付を書いて置くことである。このことで、自分自身に「まだ暗記できないか?」と言う自分自身への警告になるのだ。

　作成した、自慢の記憶装置を冷蔵庫に張り付ける。その後、経過を観察していると、結構冷蔵庫って触るのだと思ってしまった。料理を作る時、飲み物出す時、夜、途中で起きてしまった時に。

　冷蔵庫の扉は私にとっての羅針盤である。なぜなら、英単語を書いて、覚えれば覚えるほど、未来がいい方向へ向かって行くことをひしひしと感じている。
　
　考えてばかりでは何も変わらない。行動することで、色々なことが変化していくと私は信じている。と言うか、出会った人に教えてもらった。この考えも行動したからだと思っている。初めから頭だけで考えてできないと嘆くよりも、どこまでできて、どこまでできなかったかの行動することで、少しは前に進めるのではないかと思う。

　私はTOEICの勉強を通して、多くの人の考え方と出合った。そして、朝4時30 分頃に起床してTOEICの勉強をしている。出会った人達に本当に感謝している。

　今の現状を変えたければ、まずは行動することだと思う。間違っていても全然問題ない。なぜなら行動に移したからだ。このことだけで十分未来は行くと思う。自分が創造した「行動する」という武器は決してなくならない。

　むしろ、蓄積されて、他の人や自分を守ることができる最強の防具にもなるのだ。
　私はTOEICの勉強を通して英語力とそれ以上の物を手に入れた。
　「あー。あの時行動に移しておいて本当に良かった」


　 最後までお読み頂きありがとうござました。
　私自身、思考錯誤してなんとか、この冷蔵庫記憶方法で今日まで覚えています。
　これからの季節、冷たい飲み物に出会うため、冷蔵庫を開ける機会が増えと思いますので、ぜひ一度試してください。

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